パブリック・フットパスなら自由自在!イギリスの田舎を歩いてみよう
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    2022.09.20

    パブリック・フットパスなら自由自在!イギリスの田舎を歩いてみよう

    北イングランドのヨークシャー州にあるパブリック・フットパス。

    田舎を歩くウォーキングが国民的レジャーでもあるイギリス。季節を問わず週末や休暇の時期になると、田舎でウォーキングを楽しむ人たちをたくさん見かけます。そのレジャーを大きく支えるのは、イギリス中を網羅するパブリック・フットパスやパブリック・ブライドルウェイと呼ばれる自然歩道です。

    法律で守られた通行権

    パブリック・フットパスは海沿いにもあり、美しい豪快な海岸線を堪能しながら歩くルートもたくさんあります。

    パブリック・フットパスやパブリック・ブライドルウェイの正式名称はパブリック・ライツ・オヴ・ウェイ。イギリスの国土測量を担っているオードナンス・サーヴェイによると、パブリック・ライツ・オヴ・ウェイは全国に22万km以上も存在し、そのうちフットパスは約17万km。そしてブライドルウェイは約4万kmもあるそうです。市民の通行権が法律で守られていて、たとえ農場やマナーハウスなどの私有地内にあるとしても、指定されたルートを通行することが可能です。

    通行権には長い歴史があり、簡単にはその権利を覆すことができません。実際、イギリスで歌手のマドンナがマナーハウスを購入し住んでいたときには、裁判で敷地内の通行権を取り消すことを試みて敗訴したこともあります。

    マナーハウスなどの私有地にもパブリック・フットパスがあり、ルートに沿って誰もが自由に歩ける権利があります。

    パブリック・フットパスでは、ベビーカーや車いすの使用が許可されている他、犬を連れて歩くことも許されています(リードに繋げる)。ただし舗装されているわけではないので、そのルートによってはベビーカーや車いすを押しながら歩くのは困難な場合も多々。歩道を歩くだけでなく、景色を眺めながら休憩することも許可されています。またフットパス上に障害物などがあった場合、ルートから少し迂回していく権利も保障されているので安心です。

    農場敷地内にあるパブリック・フットパスでは農地の端を歩くのがマナーです。

    マナーを守るべし

    家畜が反対側へ行けないように金属棒のかかる溝の隣には、人間用の踏み越し段のあるルートが。

    通行権があるとはいえ、パブリック・フットパスではみんながマナーを守ることが大切です。「この門を閉めて下さい」と注意書きがなくとも、農場のように家畜のいる場所も多々あるので、ゲートや柵は閉めておくのもマナーのひとつ。パブリック・ブライドルウェイは、ウォーキングだけでなく乗馬しながら通過できるところでもあり、自転車を利用することもできます。自転車は歩行者や乗馬している人の妨げにはなってはいけないので、道を譲ったりスピードを下げてゆっくり通過しないといけません。

    土地所有者や他の利用者が気持ちよく歩くためにも、必ずマナーは守って楽しむことが大切です。ルート以外を歩くと不法侵入となる場合もあるので、ルートに沿って歩くことを心がけましょう。

    様々なフットパス標識

    ウェールズ地方では、道標に英語とウェールズ語が併記されています。

    全国にあるパブリック・フットパスの標識も様々。進行方向を示す簡単な矢印を貼りつけた杭やゲートがあったり、いくつかのルートが交差するところでは道標が立っています。ゲートも開け閉めするものから、乗り越えていくものなどがあるのですが、その主な目的は家畜が逃げないようにすること。開けた後には必ず閉めることを忘れないようにしましょう。一見ルートとは思えない感じの農地などもあるので、地図で方角をチェックしながら進んでいくことをオススメします。

    アナログな地図が最強

    フットパスに簡易地図が表示されている場合もありますが、アプリや地図でルートを確認しながら行くのがベスト。

    イギリス国内どこでも見かけるパブリック・フットパスは、観光地の地図や1:50000または1:25000縮尺などの全国地図にも、しっかりと記載されています。今はフットパスを網羅したアプリもたくさんあるようですが、アウトドアで最も頼りになるのはやはりアナログな地図!パブリック・フットパスを自由自在に歩くために、アプリと共に地図も用意しておくと最強です。

    オススメのコースを紹介した本格的なウォーキングの雑誌や本もありますが、宿泊先で周辺のルートを教えてもらったり、気に入った町周辺のパブリック・フットパスを気楽に散歩して、イギリスの田舎をぜひ楽しんでください。

    私が書きました!

    イギリス在住ライター(海外書き人クラブ)ディキンソン恵子

    1994年からイギリス・ロンドン在住。日系会社、英系出版社を経て、家具作りコースや食品衛生コースなど履修。環境問題やSDGsに興味あり、D.I.Y.が得意。大手旅行会社ウェブサイトでイギリスのガイド記事を2007年から13年間担当した他、新聞、各種雑誌などに寄稿、ラジオ出演などもあり。ブログやメールマガジンでもイギリス情報発信中。世界100か国以上の現地在住日本人ライターたちの集団「海外書き人クラブ」の会員。 https://www.kaigaikakibito.com/

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