3年ぶりに開催「すみだストリートジャズフェスティバル」&オクトーバーフェス
ジャズ好きにはつとに知られる「すみだストリートジャズフェスティバル」。2010年から開催されてきた。過去には日野皓正、宇崎竜童、綾戸智恵、タケカワユキヒデ、大友良英など、そうそうたるアーティストが参加してきた。しかしこの2020〜21年は、コロナ禍のためリアル開催はできなかった。
今年、3年ぶりに墨田区のJR錦糸町駅からすぐの錦糸町公園を中心に、東京スカイツリー、トリフォニーホールなど、区内27か所のステージがミュージシャンが音楽の祭典を繰り広げる。
全会場入場料無料、参加ミュージシャンも無償出演というから、かなりレアなジャズフェスだろう。運営費は主に企業からの協賛金、当日のTシャツなどグッズ、ブースの売り上げでまかなわれてきたという。コロナ禍を挟んだ2年のブランクはやはり大きい。協賛金も例年通りというわけにはいかず、季節も秋でTシャツの売れ行きも夏ほどには期待できない。
しかし、ここまで積み上げてきたすみだストリートジャズフェスの歴史をフェイドアウトさせてはならないと、当ジャズフェスの発起人であり長く代表を務めてきた能厚凖(たくみこうじゅん)さんは新たな企画を立ち上げた。
「10月だから、クラフトビールのオクトーバーフェストも開こう!」。すみだワンコインオクトーバーフェスト2022の同時開催を決めた。
メイン会場の錦糸町公園に10以上のブルワリーが出店する。音楽だけでなく飲食も楽しめるフェスとしてパワーアップを望む。ビール好きからすれば、ジャズ聴き放題で各地のクラフトビールが味わえる、うれしいフェスの誕生だ。
オクトーバーフェストといえばドイツ・ミュンヘンのビール祭り。最近は日本各地で聞かれるようになったが、「すみだワンコインオクトーバーフェスト2022」のビールはすべて国内のブルワリーで占められる。
ワンコインの名の通り、各ブルワリー、1つは500円で買えるビールを用意する。最近のビアフェスでは、ハーフパイント600円以上の設定が多い中、ワンコインはうれしい。
さらに大手のビールメーカーも出店する。キリンビールはタップマルシェで「スプリングバレー」を、墨田区に本社があるアサヒビールは、吾妻橋すぐ近くのTOKYO隅田川ブルーイングで醸造したビールを、サッポロビールは一般公募のアイデアからつくられる「ホッピンガレージ」のビールを提供。メジャーなラガーだけでなく、大手ならではの工夫を凝らしたクラフトのラインナップの競演という貴重な場になりそうだ。
また、すみだストリートジャズフェスティバルは、ファミリーで楽しめる趣向を凝らしたフェスとしても知られる。親子で楽しめるスポーツやワークショップの数々を開催。今回の目玉は、子ども向けのクラフトドリンクとおつまみセット200円を用意した「こどもバーカウンター」ブースだ。子どもも大人気分でジャズを満喫できそう!
「ビールを片手にジャズを浴びるように楽しんでほしい」と、能厚凖さんは語る。
【参加ブルワリー】
・大森山王ブルワリー・鎌倉ビール・KUNITACHI BREWERY –くにぶる–・ベアードビール・麦と葡萄 牛久醸造場・IB BREWING ・Let’s Beer Worksなど。※クラフトビールだけではなく、日本酒やウイスキー、ソフトドリンクなどの出店もあり。
【出演者情報(一部抜粋)】
BimBomBam楽団feat.清野美土、Ricky with FSP、TRI4TH、Throw Line、 Vermilion Field、西藤ヒロノブカルテット、徳田雄一郎 RALYZZDIG、丹精trio+、 Dream Session For Sumida 2022
【すみだストリートジャズフェスティバル 2022開催概要】
日程:2022年10月15日(土)・16日(日)
会場(予定):錦糸町駅、両国駅、および東京スカイツリー周辺の墨田区内 屋内外ステージを予定(全会場入場無料)
イベント内容:・錦糸町駅、押上駅、両国駅、東京スカイツリー周辺屋内外ステージでのストリートライブ
・錦糸公園での飲食ブース(すみだワンコインオクトーバーフェスト) 他
主催:すみだストリートジャズフェスティバル実行委員会https://sumida-jazz.jp/sj/index.html
コエドブルワリーが醸造所で開く「麦ノ秋音楽祭」
1996年に設立され、確かな実績を築いてきた埼玉・川越市のコエドブルワリーの音楽祭を紹介しよう。コエドブルワリーといえば、川越名産の紅赤芋を使った「COEDO 紅赤 -Beniaka-」が特に有名だ。もともとオーガニック野菜の栽培や流通を手がけてきた会社が創設したブルワリーだけに、原料や品質へのこだわりは確かだ。
2016年に醸造所を川越から、自然環境の豊かな東松山に移転した。11月2日〜3日に、醸造所とその周辺の敷地を舞台に「麦ノ秋(むぎのとき)音楽祭」を開催する。
醸造所はJR松山駅からバスで30分ほど行ったところ。色づき始めた山々、畑、サッカー場などに囲まれている。アーティストたちはアコースティック編成で音楽ライブを実施する予定だ。さらに、敷地内の一部をキャンプサイトに開放し、飲んだ後に泊まっていけるキャンパーにはうれしい音楽祭だ(キャンプサイト利用はチケット制)。
会場内では、醸造所でつくられたばかりのコエドブルワリー各種ビールのほか、音楽祭のためのスペシャルビールが目下、醸造中。フードもフレンチ、中華、地元の素材を使ったオリジナルなメニューが用意される予定。
さらにアトラクションとしてサウナカーが登場する予定。おいしいビールで体を潤し、おいしいフードで胃を満たし、サウナで“ととのえ”る。キャンプしていくなら、まるでグランピングのような音楽祭になるかもしれない。
【出演者】
11月5日(土)出演アーティスト ※50音順 出演順は後日発表
UA、Caravan、浜崎貴司(FLYING KIDS)、藤巻亮太
OPENING LIVE LAUREL
11月6日(日)出演アーティスト ※50音順 出演順は後日発表
大木伸夫(ACIDMAN)、山田将司(THE BACK HORN) × 村松拓(Nothing’s Carved In Stone)
【麦ノ秋音楽祭2022開催概要】
日程:2022年11月5日(土)9:00 〜 6日(日)15:00(予定)
会場:COEDO クラフトビール醸造所 屋外グラウンドエリアおよび醸造所内
埼玉県東松山市大谷1352
主催:協同商事コエドブルワリー https://coedobrewery.com/jp/
●「⻨ノ秋⾳楽祭」チケット購⼊ページ
https://eplus.jp/muginotokiongakusai/
取材・文/佐藤恵菜