1〜2人分の食事に対応する調理器具セット
エスビットから、容量1Lの丸型クッカーを主体とするセット「1000ml クックセット」が発売されました。
エスビットといえば、古くから軍隊の装備として採用されてきたポケットストーブと、それに対応する固形燃料で有名なドイツ生まれのメーカーです。
もともと数種類のクックセットが販売されていましたが、このモデルは比較的大容量のモデル。
寒い時期のキャンプやツーリング、夜釣りでの休憩など、好きな場所でひとり鍋をするのにうってつけのニューアイテムです。
オールインワンの4点セット。固形燃料は27gを使用
1000ml クックセットの内容は以下の4つ。
- ポット本体
- ポットのフタ
- ウインドスクリーン 兼 ポットスタンド
- メッシュバッグ
これらすべてを、ひとまとめにできます。メインの素材はアルミニウム。総重量314gと軽量で、バックパックに入れて携帯しやすいサイズです。
エスビットの固形燃料には4g・5g・14g・27gの4種類あり、このクックセットには27g、あるいは14gのものを使用。
固形燃料はガスやガソリンなどの燃料と比較すると、携帯性において大きなアドバンテージがあります。冬場でも安定した火力を得られることも強みです。
余裕の火力と風防の効果で鍋料理もほったらかしでOK
1000ml クックセットで、秋・冬のキャンプにピッタリなキムチ鍋を作ってみました。この日の気温は8度Cと肌寒く、風も少し吹いている環境です。固形燃料は27gのものを使用しました。
固形燃料は低温下での使用に強いいっぽう、風の影響を受けやすいのが弱点。それが、多少の風であればパワーで押し切れるガスバーナーとちがうところです。
そのため少しばかり不安もありましたが、着火してから約7分後に鍋つゆが沸騰し、結果として加熱調理は問題なく完了しました。
今回は1人分の食材で調理をおこないましたが、この様子ならば2人分でも固形燃料1個で問題なさそうです。
「高火力の固形燃料を使ったから」というだけでなく、ポット本体が浅型で加熱される面が広いこと、ポットスタンドが風防の機能をしっかり果たしていることが、効率的な加熱につながっているのでしょう。
ただやはり、長い時間煮込まなければならない料理や、火の通りにくい食材は避けるのが無難であると感じます。いかにして固形燃料の無駄使いを避けつつ、満足のいく食事にするか。
そういった工夫の余地があるところもまた、このクックセットならではの面白さではないでしょうか。
インスタントラーメンがそのまま入る!
近ごろは、麺が丸く固められたインスタントラーメンも多くあります。
ポットスタンドの内径が約13cmであるため、麺の直径がそれよりも小さなインスタントラーメンは、固形燃料と一緒に収納できます。
まさに、日帰りのラーメンツーリングや登山などにはもってこいです。レトルト食品や缶詰など、湯煎するだけで食べられる食品なら、もっとお手軽。
ポットの内側が汚れないようにすれば、食後のコーヒーもそのまま楽しめます。手軽さとコーヒーの味のバランスを考えると、個包装されたドリップバッグがとくに適している印象です。
ポット本体に注ぎ口がついており、お湯を狙った場所に細く注げます。
ガスにはない楽しさを、より手軽に、より満足に。
キャンプで使用する燃焼機器の主流は、ガスバーナーです。携帯性を重視するにしても、そのニーズに十分応えてくれる小型のガスバーナーが数多く販売されています。
そんな今もなお、エスビットの固形燃料と、それを使用する機器が根強い人気を誇っているのはなぜでしょうか。「独特な面白さがあるから」というのも、その理由のひとつだと思います。
ガスバーナーほど便利ではないからこそ、工夫のしがいがあるというもの。ただ、あまりにハードな条件では、過酷さだけが際立ってしまう可能性もあります。
エスビットの1000ml クックセットなら“便利すぎない”ことの面白さを、より手軽に、そして満足できる量の食事のなかで味わえます。
他人とは違ったスタイルで遊びたい人、あえてローテクを楽しみたい人、家族連れが多いキャンプ場よりも野営地を好むような人には、とくにおすすめしたいアイテムです。
エスビット 1000ml クックセット
収納時サイズ:直径15.7×高さ8.8cm
容量:1,000ml
重量:314g
素材:アルミニウム(ハードアルマイト加工)、ステンレス ほか
価格:8,580円