一人用テントを選ぶときは、アウトドアの種類と、自分のスキルに合わせる必要があります。慣れていない人と慣れている人では、設営にかかる時間や手間が大幅に変わるためです。一人用テントの種類や設営方法の違いから、おすすめテントまでを紹介します。
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一人用テントを選ぶときのチェックポイント
一人で気ままにアウトドアを楽しむためには、快適なテントが欠かせません。一人用テントを選ぶときに、チェックすべきポイントを紹介します。アウトドアの目的に合ったテントを探しましょう。
フライシートの有無と自立式かどうか
テントはシートで作る壁と、設営方式に種類があります。まずは壁の種類を見てみましょう。
- シングルウォール:シート1枚で壁を作る。軽量でコンパクトだが、結露しやすい。
- ダブルウォール:インナーテントとフライシートの2重構造。通気性がよいが、シングルに比べ重い。
前室が作れて快適に過ごせる、ダブルウォールが一般的です。快適性よりも携帯性を重視する場合は、シングルウォールが向いています。
次に設営方式です。テントの形と設営にかかる時間に差が出ます。
- 自立式:ポールを装着するだけで立ち上がる。設営が簡単だが、重量がある。
- 非自立式:ペグやガイドラインを使用してテントを立てる。設営技術が必要だが、軽量。
使用用途に合わせたスペックかどうか
一人用テントを探すときは、携帯性や設営の手軽さだけでなく、使用用途に合ったスペックかどうかも、チェックしましょう。
- キャンプ:快適性を重視。前室や居住スペースの広さや高さに注目。
- ツーリング:積載量を考え、携帯性を重視。前室が広いとバイクを収納できる。
- 登山:バックパックに入れたときの軽量性と、収納性を重視。強度にも注目。
テントの使用時に快適に過ごせることも大切ですが、一人で行動することを考えると、携帯性も重要です。無理なく運べるサイズを選び、移動時の負担を減らしましょう。
耐水性・遮光性も重視
テントの中で快適に過ごすために、耐水性や遮光性もチェックしましょう。
テント泊する際に必要な耐水圧は1,500mm以上を目安に。それより低い耐水圧だと、強い雨が降るとテント内が浸水してしまうおそれもあります。
また、UVカット率や遮光率にも注目しましょう。UVカット率は%もしくはUPF値、遮光率は%で表されます。どれも数値が高いほど性能がよく、テント内に届く紫外線や光を遮断します。
UV加工がしてあるテントは、日中過ごしやすいだけではありません。紫外線を遮ることで、テントやアウトドア用品の劣化を遅らせることも可能です。
リーズナブルな一人用テント
リーズナブルな価格で購入できる、ダブルウォールの一人用テントです。軽量性と携帯性を重視した、コンパクトなトンネル構造のテントと、前室でくつろぐ余裕があるテントを紹介します。
ジャックウルフスキン「GOSSAMER」
シンプルなトンネル構造の、ダブルウォール自立式の一人用テントです。フライシートの耐水圧は約4,000mmで、UPF40+のUVカット素材を使用しています。フロア素材は耐水圧約1万mmなので、大雨でも水もれの心配がありません。
インナーテントにはメッシュ素材を使用し、単独使用が可能で、暑い時期の夜は蚊帳のように使えます。ポールは軽量なアルミ製を使用し、総重量は約1.75kgと軽量です。
- 商品名:ジャックウルフスキン「GOSSAMER」
- 公式サイト:商品ページ
コールマン「ツーリングドーム/ST+」
コールマン定番のテント『ツーリングドーム ST』に、強力な遮光性・UVカット機能を搭載した、ダブルウォールの一人用テントです。
フライシートにPU防水を備え、耐水圧は約3,000mmです。また、『ダークルームテクノロジー・UVPRO機能』で、日差しを強力に遮ります。日光によるテント内の温度上昇を抑えるうえに、暗さを保つので、快適な睡眠時間を確保できるでしょう。
広い前室が特徴的で、荷物を置いたり、イスを設置してくつろいだりできます。
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- 商品名:コールマン「ツーリングドーム/ST+」
- 公式サイト:商品ページ
スナグパック「イオノスフィア」
ツーポールでワンドア設計を採用した、トンネル構造の自立式一人用テントです。DAC社製のアルミポールを使用し、重量が約1.6kgと、軽量化を実現しています。
ダブルウォールで、フライシートは耐水圧が約5,000mm、縫い目は防水補強されており、高い耐水性能です。インナーテントはメッシュ素材の蚊帳仕様なので、暑い夜でも通気性を保って眠れるでしょう。
軽量で設営が簡単なので、キャンプ初心者から、コンパクト性と頑丈さを求める登山家まで、幅広く使われています。
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- 商品名:スナグパック「イオノスフィア」
- 公式サイト:商品ページ
設営が簡単!自立式の一人用テント
簡単に設営できる自立式ながら、快適に過ごせる工夫が凝らされている、一人用テントです。コンパクト性にこだわったテントと、前室の空間にこだわったテントを紹介します。
モンベル「ムーンライト テント1」
簡単に設営できることがコンセプトの、ロングセラーモデルです。従来の『ムーンライトテント』よりも大幅に軽量化され、居住空間が広くなっている、ダブルウォール一人用テントです。
フロアシートは耐水圧が約2,000mm、フライシートは耐水圧が約1,500mmです。フロアシート・フライシート・インナーテント全てに、難燃加工が施してあります。コンパクトながら前室が設置できるので、靴のような小さい荷物を置けます。
ポールの素材はアルミニウム合金を使用しているので、総重量は約1.71kgと軽量です。
- 商品名:モンベル「ムーンライト テント1」
- 公式サイト:商品ページ
ニーモ「ホーネットストーム 1P」
本体重量が約760gと軽量ながら、快適性と居住性を保って設計された、ダブルウォールの一人用テントです。
インナーテントの素材に『ブリーザブルナイロン』を採用し、風や冷気を防ぎます。ドア部分はメッシュと2重構造になっているので、暑いときや湿気が気になるときは、換気が可能です。
インナーテント上部は『フライバー ボリューマイジングクリップ』が配置され、テント内の空間を拡大しています。また、これはフライシートのテンションを、均一に保つ効果もあります。
- 商品名:ニーモ「ホーネットストーム 1P」
- 公式サイト:商品ページ
ロゴス「Tradcanvas ツーリングドゥーブル・SOLO-BA」
収納時の幅が約60cmと、バイクの荷台に積みやすい設計がツーリングにうれしい、ダブルウォールの一人用テントです。
前室が張り出すように設計されており、広い居住空間を確保できます。別売りのキャノピーポールや、ツーリングタープを使用すれば、駐輪スペースにもなります。
フライシートは耐水圧約2,000mmで、防水・はっ水・難燃・UVカット加工が施してあります。総重量は約4.7kgです。インナーテントはロゴス独自のC型ドアと、テント上部にベンチレーションが設けられています。
- 商品名:ロゴス「Tradcanvas ツーリングドゥーブル・SOLO-BA」
- 公式サイト:商品ページ
コンパクトに収納できる非自立式の一人用テント
非自立式なので設営に慣れが必要ですが、非自立式ならではの自由な設計が特徴です。ソロキャンプをゆったり楽しみたい人に向いています。
テンマクデザイン「サーカスTC コンフォートソロ」
出入口が2カ所あり、風通しがよく快適な一人用テントです。シングルウォールながら、フロントフラップが装備されているので、メッシュでもフルクローズでも使用が可能です。
全辺にスカートがついているので外気が入りにくく、天井部のベンチレーションで、結露を低減します。また、シートの素材はTC素材・綿混紡なので、遮光性と通気性を両立しています。
最高点の高さが約230cmもあることが、『サーカスTC コンフォートソロ』の特徴です。立ったまま着替えができる高さですが、広すぎないため、寒い時期は暖気を逃がしません。
- 商品名:テンマクデザイン「サーカスTC コンフォートソロ」
- 公式サイト:商品ページ
テンマクデザイン
サーカスTC コンフォートソロ
サイズ(約):362×340×(H)230cm(フロント跳ね上げ部含まず) 収納サイズ(約):57×Φ24cm 総重量:(約)11.28kg(幕体5.86kg、ポール2.99kg)
スノーピーク「ヘキサイーズ 1」
タープのような大きいフライシートが特徴的な、ダブルウォールの一人用テントです。前後から出入りできて便利なうえ、通気性も抜群です。
変形六角形のタープとしても設営できるフライシートは耐水圧約3,000mmで、テフロンはっ水加工・遮光ピグメントPUコーティングが施されています。雨の日でも日差しが強い日でも、快適にキャンプを楽しめるでしょう。ドアパネルとボトムは、耐水圧が約1,800mmです。
インナーテントの設営はフライシートにつり下げ、コーナーを固定するだけで簡単です。
- 商品名:スノーピーク「ヘキサイーズ 1」
- 公式サイト:商品ページ
高性能な非自立式の一人用テント
雨の日や日差しが強い日に快適に過ごせる、高性能な一人用テントです。ピラミッド型がかわいいテントと、広い出入口が便利なテントを紹介します。
ホールアース「アース ピノマッド」
ピラミッドのような形が特徴的な、ティピー型でダブルウォールの一人用テントです。コットン混紡素材を採用しているので、遮光性が高いうえに、難燃効果もあります。
付属のキャノピーポールを使用して、前面パネルを跳ね上げれば、大きな前室が確保できます。フライシート下部には、雨や外気の侵入を防ぐスカート、上部にはベンチレーションが設計されているので、通気性は抜群です。
インナーテントはフライシートを設置した後、内側につり下げるだけです。フロアの床面は耐水圧約3,000mmなので、浸水を防ぎます。
- 商品名:ホールアース「アース ピノマッド」
- 公式サイト:商品ページ
ホールアース
アース ピノマッド
使用時サイズ:フライシート(約)W240xD240xH150cm インナーテント(約)W220xD100xH135cm 収納サイズ:(約)W54xD24xH24cm 重量(付属品含む):(約)6.0kg
キャプテンスタッグ「トレッカー キャンプベースソロUV」
前後が同じデザインで迷わず設営ができる、ダブルウォールの一人用テントです。フライシートの長辺部分に、前後に張り出しできるキャノピーを装備しています。キャンプや野外フェスなど、アウトドアでくつろぎ空間がほしいときに活躍するでしょう。
インナーテントはつり下げ式で、窓部分は通気性に優れたメッシュ素材です。長辺部の大型出入口をはじめ、全部で4カ所の出入口が設計してあります。
フライシートは約2,000mm、フロアは約3,000mmの防水加工が施されています。
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- 商品名:キャプテンスタッグ「トレッカー キャンプベースソロUV」
- 公式サイト:商品ページ
キャプテンスタッグ
トレッカー キャンプベースソロUV
製品サイズ:(約)フライ/380×190×H110cm、インナー/210×90×H100cm パッキングサイズ:(約)66×15×15cm 製品重量:(約)3.8kg
高性能な自立式の一人用テント
設営が簡単でコンパクトながら、オールラウンドで使用できる、高性能な自立式のテントです。トレッキングや登山など、厳しい環境で使いたい人に向いています。
ゼログラム「BLACK BUTTE 1P」
インナーテント4辺の上部がメッシュ素材の、ダブルウォール設計です。単品使いのときは天井から景色を楽しみながら、プライバシーをある程度守れる一人用テントです。
フライシートには大きなベンチレーションが配置され、結露を防ぎます。ガイラインループ・ガイライン・ベンチレーションの裾には、リフレクティブテープが使われているので、夜間の視認性を確保しています。
前に張り出した前室が、テント内の居住空間を確保しており、快適です。総重量は約2kgと軽量で、持ち運びに便利なテントでしょう。
- 商品名:ゼログラム「BLACK BUTTE 1P」
- 公式サイト:商品ページ
ファイントラック「カミナドーム1」
4シーズンに対応できる、高性能な山岳向け一人用テントです。コンパクト性と軽量性を兼ね備えているので、バックパックの容量を圧迫しません。収納形状が長方形になるので、きれいにパッキングできる省スペース設計です。
コンパクトな自立タイプながら、長辺側に出入口を設けることで、広い前室を確保しています。
使用しているナイロン生地は、強度と耐摩耗性に優れています。前室を張った状態で出入りができる『ダブルスライダーファスナー』も便利です。総重量は約1.28kgと軽量です。
- 商品名:ファイントラック「カミナドーム1」
- 公式サイト:商品ページ
ファイントラック
カミナドーム1
サイズ:間口205×奥行90×高さ100cm(収納時:本体8×15×25cm、ポール39cm) 重量:1,270g
まとめ
一人用テントを選ぶときは、フライシートの有無と、設営方式をチェックしましょう。シート1枚のシングルウォールは、軽量ですが結露しやすく、シートを2枚使うダブルウォールは、通気性がよいですが、重くなります。
テントの設営に慣れていない人は、設営が簡単な自立式がよいでしょう。アウトドア中級者や、テントの形にこだわりがある人は、デザインに幅がある非自立式がおすすめです。
快適に過ごせるテントを見つけて、ソロキャンプを楽しみましょう。