自然界では寒さが真っ盛り、人間界ではウィルス感染が高まる季節となりました。この時期になると日本では、昔から薬膳となる食材を使って、内側からカラダを温めることにより免疫力をグッとアップさせて体を守ってきました。今回は昔からイギリスに伝わる風邪予防のシロップ「コーディアル」を、日本の薬膳食材を使って作るレシピでご紹介します。
コーディアルってなに?
イギリスから発祥したコーディアルは、ハーブ(薬草)を使ったシロップのことです。製造方法はハーブをアルコールで抽出したり、煮出したりしたものに甘さをプラスして長期保存を可能にしました。夏は炭酸水で割ってカクテルにしたりジュースとして楽しんだりしますが、冬になると“風邪予防のシロップ”としてイギリスのスーパーではコーディアルが並びます。
風邪にオススメの日本の薬膳ハーブは?
イギリスではエルダーフラワーの花を使ったコーディアルが、風邪予防のシロップとして親しまれています。でもエルダーフラワー(和名:西洋ニワトコ)の花期は初夏!冬の日本にはありません。そこでオススメなのが、びわの葉。古くから民間療法として“のどの痛み・ぜんそく・胃腸のもたれ”などに活用されていたり、漢方としても“咳き止め”に利用されているほど、びわの葉は風邪予防に万能な薬草なのです。
びわの葉を探しにいこう!
びわの実がスーパーに並ぶのは、梅雨の季節ですね。でも、びわの葉の剪定時期は、冬! 花期も今です。香りが忘れられないほど特徴的なので、木を見つけたらぜひ確かめてみてください。一度覚えたらすぐに見つけられるほど、花が無くても、葉が少しギザギザとして厚みがあり特徴的です。※私有地のびわの葉は無断で取らないようご注意ください。
冬の風邪予防コーディアルレシピ
今では市販のコーディアルが手に入りますが、昔は各家庭で自家製レシピがあったそうです。びわの葉は乾燥したものも市販で手に入ります。シナモンやカルダモンなどのスパイスを加えてみたり、自分好みにアレンジして自家製コーディアルを作ってみましょう。
材料(1カップ分)
・びわの葉 2枚
・しょうが スライス3枚
・ゆず 1個
・みかん 中1個(柑橘果汁は全部で1/4カップ)
・水 2カップ
・ハチミツ 大さじ3
・鍋
・消毒済みのガラス瓶など
作り方
(1)びわの葉の両面を、キッチンペーパーなどで拭き、汚れを取り除きます。そのあとで1センチほどの幅にハサミで切ります。
(2)ゆず、みかんをそれぞれ半分に切り、果汁を絞ります。絞った皮は、5ミリほどの幅にハサミで切り、果汁と別にしておきます。
(3)鍋に水を入れ、沸騰してからびわの葉としょうがを入れて3分煮ます。
(4)柑橘類の皮だけを加えてから火を止め、10分、そのまま待ちます。
(5)びわの葉、しょうが、柑橘類の皮を取り除き、ハチミツを加えて再び火をつけ、沸騰したら弱火で5分煮ます。
(6)最後に柑橘類の果汁(レモン汁でもOK)を加えて1分煮たら、漉してから瓶に移し、冷まして完成です。
使い方:コップにコーディアルを大さじ2〜3入れ、お湯を注いで好みの濃さで愉しみましょう。そのまま飲むのはもちろんのこと、ヨーグルトに入れたり、紅茶に加えたりとアレンジも広がります。
※保存:冷蔵庫で保存し、1週間以内に使い切りましょう。
コーディアルは英語で「心からの」という意味を持つ、ココロからカラダ全体をお手当てしていく優しい飲み物です。寒い冬は自家製のコーディアルで心身を温めて、風邪を予防していきましょう。