騙しやすく、利用しやすい人のことを俗に「カモ」といいます。鴨はつかまえやすく、肉がおいしいから、という理由です。
「鴨がねぎをしょってくる」ということわざもあります。鴨とねぎは鴨鍋に絶好であることから「よりいっそう好都合になること」のたとえです。いつごろできたことわざかわかりませんが、鴨鍋はそうとう昔から食べられていたのでしょう。
ある冬の日、鴨ならぬ蓮池陽子さんは、鴨肉と長ねぎのほか、せりとみそをしょってキャンプ場にやってきてくれました。
一般的な鴨鍋は醤油ベースが多いようですが、陽子さんが考えてきたのはみそだれで食べるスタイル。さらに陽子さんは、ことわざに反するかのように「鴨といえばねぎよりもせり。それも根っこ」と断言します。
騙されたと思って恐る恐る根っこをかじってみると、葉や茎よりも強靭な繊維が口の中で暴れて、泥と草を感じさせる苦みが染み出します。鴨肉は甘くやわらかいので、たしかに付け合わせはこれくらいクセが強くてもいい気がしました。すっかり陽子さんのカモになってしまったようです。みそだれは山椒を入れるのがポイントで、山椒があることで味がキリっと引き締まります。
みそ大好き、アウトドア大好きの蓮池陽子さんによる「ソトみそスープ」は、Facebookの「みそパル」でも月に4回公開中です。その中から厳選したメニューを『BE-PAL』本誌奇数月発売号(次回は3月9日発売の4月号)でも紹介しています。こちらもお楽しみください。
【陽子さんのソトみそスープ 第18回 みそだれ鴨鍋】
材料(1~2人分)
鴨肉(鍋用5mm厚)…100g
長ねぎ…1/3本
舞茸…1~2パック
ごぼう…1/4本
せり…1/2把
だしパック…1個
塩…ひとつまみ
酒…大さじ2
[みそだれ]
米みそ赤…大さじ1
粉山椒…ふたつまみ〜 お好みでたくさん入れてもOK
作り方
1、長ねぎは斜め薄切り、舞茸は食べやすい大きさにほぐす。ごぼうはささがき、せりは4cmの長さに切る。
2、鍋に水300ml、だしパック、酒、塩を入れて軽く混ぜ、ごぼう、舞茸を入れて火にかける。沸騰したらだしパックを引き上げ、長ねぎ、鴨肉、せりを入れて火を通す。
3、小さな器に米みそ赤と粉山椒、2のだし大さじ1を入れてよく混ぜる。
4、具に3のたれをつけながらどうぞ。
協力:みそ健康づくり委員会