2021年7月NEW OPEN! 設備もピカピカでレンタル品も大充実!
沖縄県那覇市の北西約60㎞に位置し、泊港からフェリーで2時間ほどの離島に、2021年7月オープンした粟国島オートキャンプ場。コロナ禍による移動制限などもあり、ひっそりと営業をしていたが、目の前に広がるウーグの浜(長浜ビーチ)は白砂の浜が続く天然のロングビーチ!コバルトブルーに輝く海からはウミガメも上陸するという極上の環境だ。
また、粟国島は渡り鳥の主要な渡りのルート上に位置しているため、国内では珍しい野鳥を数多く観察することができる。そんな、濃厚な自然に身を置いて過ごせるキャンプ場をチェックしないわけにはいかない!ということで、早速BE-PAL編集部が実際に行ってキャンプしてみた!
サイトはオーシャンサイトとオートキャンプサイトの2タイプ
まずはテントサイトを紹介。敷地はウーグの浜を見渡せる上段と、モンパノキやアダンの防風林に守られた下段に分かれていて、上段には電源付きのオートサイトが7区画、下段には車の乗り入れ不可のオーシャンサイト(100人ほど収容可能)がレイアウト。受付でカートを貸してもらえるうえ、通路は舗装されているので、荷物の運搬は楽勝だ。
飛行機移動の旅でも安心な手ぶらキャンプOK。燃焼機器など単品のレンタルも充実!
飛行機移動でのキャンプで困るのが、燃焼機器の燃料。ガスボンベや液体燃料は飛行機に持ち込めないし、現地に不慣れな場合は、調達にも時間がかかる。だけど、ご安心あれ。粟国島オートキャンプ場は離島とは思えないほど、レンタル品が充実しているのだ。
ソロやデュオ向けはもちろん、ファミリー向けの手ぶらキャンプセットが用意されているうえに、2バーナー、スモーカー、クーラーボックス、スキレットなど、単品レンタルの種類も多い。すべてをレンタルするのもいいし、軽めのものはバックパックに詰め込み、燃焼器具や重くてかさばる調理器具類だけをレンタルすれば、荷物を軽減でき、旅がより快適になる。
設備は必要十分。新しくてピカピカ。気持ちよく利用できる!
レンタル品は充実しているが、設備は炊事場と水洗トイレ、水シャワーとシンプル。お湯は使えないが、南国なので不自由はない。さすがに冬は水シャワーは厳しいが、近くの民宿にお願いすれば、1回500円でお風呂を使わせてもらえるそうだ。
粟国島ではどんな食材が調達できるの?
離島キャンプで気になるのが、食材の確保。那覇市内で調達しておくのにこしたことはないが、粟国島でも肉、魚、野菜、調味料、お酒などを問題なく調達することができる。取材スタッフも心配だったので、肉や野菜をある程度、購入して持って行ったが、どうしても食べたい食材だけを買って行けばいいことがわかり、安心した。
テントサイトの準備ができたら、粟国島観光へレッツ・ゴー!
粟国島は周囲約12㎞。一万年以上前に火山岩で形成された島で、島を囲むサンゴ礁が隆起して現在の形状になったといわれる。島の北西には海水の浸食による「海食崖」が見られ、東海岸には砂浜とビーチロックが共存している。火山岩からなる地質は、緑色安山岩質と白色浮石質の凝灰岩などを含んでいて、南部にある「ヤマトゥガー」や「ヤヒジャ海岸」では、黒や赤、茶色や白といった地層がむき出しに。太古の造山活動を彷彿とさせるダイナミックな景観が目の前に迫ってくる。
島内めぐりには電気自動車のレンタカーや電動アシスト付き自転車がオススメ。レンタカーは3時間未満2,000円、6時間未満3,000円、24時間未満5,000円。レンタサイクルは3時間未満800円、6時間未満1,500円、10時間未満2,000円。
貸し出しは、粟国港から徒歩約10分の粟国村観光協会で行なっている。(問い合わせ・粟国村観光協会 電話:098-896-5151)
粟国島の最西端にある断崖絶壁の「筆ん崎(マハナ岬)」。断崖のてっぺんにある展望台は、南東に沖縄本島、南に慶良間諸島を見渡せる絶景スポット。夕日の美しさにも定評がある。
「ヤヒジャ海岸」は、約500万年前の火山活動によってできた地層や岩石が一望できるポイント。赤、黒、緑の3色に彩られた岩石が生み出す、粟国島ならではの景観が広がる。また、大潮の干潮時には随所に天然の潮だまりができ、さまざまなサカナを観察できる。
巨大な2枚の割れた岩がそびえ立つ「東ヤマトゥガー」。幅1mほどの割れ目を通り抜けると荒々しい海岸に到達。ヤヒジャ海岸のシンボル、白色凝灰岩の絶壁が目に飛び込んでくる。
疲れたら島のカフェでほっとひと息♡
古民家を島のみんなでセルフリノベーションしてつくった「しまカフェ ヒージャー珈琲」。
離島ならではのゆったりした時間の流れを感じられる寛ぎのカフェだ。
住所:沖縄県島尻郡粟国村字東355番地
営業時間:11:00 ~19:00 定休日:火・水曜日
https://hijacoffee.com/
双眼鏡を持っていくとより滞在時間が楽しくなる!
島全体が沖縄県の鳥獣保護区に指定されている粟国島。信仰とともに大切に守り続けてきた御嶽(うたき)の森が多く残されていて、渡り鳥の格好の休息地になっている。9割以上が渡り鳥だが、これまでに220種類もの野鳥が観測されているとか。じつは、取材スタッフもキャンプ場でかわいこちゃんに遭遇(笑)
●粟国島アクセスガイド
「ニューフェリーあぐに」が、那覇泊港―粟国港を1日1往復(片道約2時間)している。
運航スケジュール:那覇泊港発9:30、粟国港発14:00
料金:道大人3,470円、子供1,740円、往復大人6,590円、子供3,310円
*天候などにより欠航する場合もあるので、運行状況を事前に粟国村HPで確認のこと。
https://www.vill.aguni.okinawa.jp/
粟国港から粟国島オートキャンプ場までは乗合タクシー「りかりか号」が便利。
大人200円、子供100円。予約は、080-9852-7362まで。
●粟国島オートキャンプ場
住所:沖縄県島尻郡粟国村字浜照喜名原3220番1
電話:080-9853-7607(8:30~17:00)
料金:入場料/大人400円、子供200円
キャンプサイト利用料/オートサイ1泊5,000円、オーシャンサイト1泊4,000円、ソロキャンプ(オーシャンサイトのみ)1泊2,000円
予約:利用日の2か月前の1日よりHPで受け付け。
HP:https://aguniauto-camp.jimdofree.com/
取材・文/松村由美子 撮影/小倉雄一郎(本誌)