薪ストーブとよく比較されるペレットストーブ。使い勝手はむしろ家電寄りで、都市部でも使いやすく、しかもエコ。まだまだ寒い今、そんなペレットストーブの魅力をご紹介します。
教えてくれたのは……谷合智憲さん
セルフィッシュ
五拍子もそろった暖房器具の優等生
ペレットストーブを使う人が、じわじわ増えているという。人気の理由は、扱いやすく、ランニングコストが安いこと。環境に優しいのも大きな魅力だ。さらに施工が簡単でマンションにも置けるって、それホント?
「ホントです。煙突を取り付けるのに壁に穴を開けるので、マンションの場合は管理者の許可が要りますが、施行自体は問題ありません。東京や神奈川の首都圏でも増えてますよ」
そう教えてくれたのは、ペレットストーブなどの販売・施工を行なうセルフィッシュの谷合さん。’21年は120台以上のペレットストーブを施工したそうだ。
ペレットストーブは「木質ペレット」を燃料にする暖房器具。薪ストーブとの違いは、電気を使うところにある。ふたつのファンを内蔵し、給排気用のファンで強制的に燃焼させ、もうひとつのファンで温風を噴き出す。
薪ストーブが、ある程度の長さの煙突を必要とするのに対し、ファンを内蔵するペレットストーブは短い煙突で済む。最近は日本製の小型で高性能なモデルも増えた。設置にかかる費用も薪ストーブの⅓程度、8畳の部屋にも置けると聞けば、いよいよ興味が湧いてくる。
押さえておきたいペレットストーブの特徴
ホムセンでも買えます!
扱いも簡単だ。温度や燃焼時間を設定したらスイッチオン。燃料の木質ペレットは、タンクから燃焼室へと自動で投入される。灰や燃えかすの処理こそ必要だが、操作感はエアコンなどの家電そのもの。しかし、比べ物にならないくらい強力だ。
「噴き出し口で、だいたい100度C。エアコンが30度Cくらいですから、ほぼ3倍ですね」
100度Cと聞いて驚いたが、恐る恐る手をかざすと、熱いというよりは、「あったか〜い」。これなら、小さい子供がいる家でも安心して使える。
木質ペレットはホームセンターで入手できる。灯油よりも安く済み、電気代もさほどかからない。燃料高騰の昨今、ランニングコストの安さは大きな強み。これを理由に、石油ストーブから乗り換える人もいるのだ。
薪ストーブと何がちがうの?
ペレットストーブは都会でも使いやすい
薪ストーブは火そのものを楽しめる
谷合さんによると、カーボンオフセットのためにペレットストーブを選ぶ人が多いそう。
ペレットストーブや薪ストーブの燃料となる木は、その成長過程でCO2を吸収・蓄積する。薪や木質ペレットを燃やして出るCO2は元の木が吸収したものだから、CO2の量は増えないという考え方である。
都市部でも無理なく導入でき、扱いやすく、パワフル、低コストでしかもエコ。なんと、五拍子もそろってる。
ペレットストーブ、人気が出るのも納得だ。
環境に優しい
ペレットストーブを取り巻くCO₂の循環の様子。ペレット製造や輸送時にもCO₂は発生するためカーボンニュートラルにはならないが、エアコンや石油ストーブに比べるとCO₂排出量は少ないといわれている。
木質ペレット
↓
燃焼
↓
CO₂排出
↓
光合成
↓
木質ペレットへ
マンションでもテントでも
トヨトミ/Mimi PE-6
¥459,800(本体のみ)
コンパクトながら十分な暖房能力を備える日本製。グッドデザイン賞も受賞した人気モデル。
●暖房の目安:温暖地=11畳(木造)、15畳(コンクリート)
寒冷地=11畳(木造)、17畳(コンクリート)
●最長連続燃焼時間(最大燃焼時):15時間(8時間)
問い合わせ先:トヨトミ 0120-938-178
ユニフレーム/UFペレットストーブ
¥49,900
●サイズ:使用時=24×55×高さ258㎝
●収納時=21×55×37㎝
●重量:9.1㎏
●燃料タンク容量:1.8㎏
●燃焼時間:約2時間
問い合わせ先:新越ワークス 03(3264)8311
※構成/伊藤俊明 撮影/山本 智
(BE-PAL 2023年2月号より)