【体験! 個性派ゲストハウス#9】
「明日、女子ドミ(女性専用ドミトリー)を一人で予約したいんですけど、空いてますか?」
2月のある日。私は冬の外房を訪れるべく「お茶の間ゲストハウス」に予約電話をしていた。
「はい~。明日ですね~。はい~。大丈夫ですよ~」
耳に届く電話の向こうの声は、と~ってもか細く、と~ってもお~っとり(文字で書くとふつうに見えるけれど…)。
いろんなゲストハウスに泊まってきたが、こんなにスローリーなオーナーさんは初めて! ゲストハウスのオーナーというと、ちゃきちゃきな感じか、淡々としている人が多い印象なのだ。それとは180度違う雰囲気が電話の向こうから溢れてくる。いったいぜんたい、こんなおっとりオーナーが営む宿はどんなトコロなのか!? 当日が、俄然楽しみになってきた!
*庭からみた「お茶の間ゲストハウス」。2月は、宿のまわりもとっても静か。*
千葉の外房線「上総興津駅」(かずさおきつ)から徒歩約7分。夏にはたくさんの海水浴客で賑わうビーチ・守谷海岸沿いに建つ築80年の古民家。黄色いのれんが揺れる玄関。ココが本日の宿「お茶の間ゲストハウス」。
外房のオフシーズンである2月に、私がココへ来た理由。それは、コレ! 「お茶の間ゲストハウス」の晩ごはんの刺身定食! これを、食べてみたかったのだ。(要予約)
*この日の刺身はソウダガツオ。イセエビが入る日はイセエビ(時価)が注文できるときも!*
ゲストハウスは基本的に素泊まりの形態が多い。だが、ココ「お茶の間ゲストハウス」では、プラス料金で日替わり定食(¥700)が頂ける。さらに、プラス¥300で刺身付きにもできるという破格のお安さっ!!
「このへんは、魚も野菜も本当に安くておいしいんですよ!」と、旦那さん・洋治さん。
ところで、この洋浩さん。さっきから彼の服装が気になって仕方ない。「東灘」と書かれた酒蔵の藍染の前掛けなんぞを腰から下げておられるのだ。そのいでたちは、ゲストハウスオーナーというよりも酒屋さんと言った方が断然しっくりくる。そして、それはあながち間違いでもなかった。
「お酒もあるんで、よかったら~」と、洋治さんに差し出されたドリンクメニュー一覧。ペラっとめくるなり、おののいた!!
*記載されている地酒だけでも、13種類!*
コ…ココは居酒屋か!? 目を疑った! アルコールの品揃えがハンパない! しかも、この地酒の数! ボトルでもグラスでもたのめるという。下手な居酒屋より品揃えがいいんではなかろうか!?
「以前、地元の酒蔵で働いていたんですよ~。だから、品揃えがこんな感じになってまして(笑)」そう言いつつ、私が頼んだ純米酒を出してきてくれる洋治さん。
ちなみに、奥さん・春奈さんの前職は、老人ホームなどに食事を作る仕事。酒と食のプロがココに揃ってるではないか!? そりゃ、居酒屋並のメニューになるのも頷ける。
*お二人は高校からの同級生♪*