東京出身者が雪国へ移住してみたリアルな感想
生活を都心部から田舎へシフトする「地方移住」。
テレビやインターネットで取り上げられることが増え、この言葉を目にする機会も多くなりました。そんな中で、移住を検討する際に「どこへ移住するのか」で悩まれている方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、国内でも指折りの積雪量を誇る雪国・山形県へ移住した筆者が、実体験を通して感じた良かったこと・大変だったことの両面をお伝えします。
雪国へ移住して良かったこと
まずは良かったことから整理していきます。
(1)四季を五感で感じることができる
私が今住んでいる山形県村山地域は、豪雪地帯。冬になると雪が1メートル以上積もるところもあります。
一方で、盆地となっているため夏はとても暑くなります。
このように、季節の移り変わりがはっきりしているので、春の暖かさが何倍にも増してありがたく思えたり、段々と日が短くなって冬の匂いがすると雪を待ち遠しく思えたりします。
四季の彩りが豊かな場所にいると、自然を全身で感じることができ、「生きている」という実感が湧いてきます。
少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、都会にいた頃よりも伸び伸びと生活ができています。
(2)冬のアクティビティが身近にある
雪国はなんといっても雪資源が豊富。
ウインタースポーツが盛んでゲレンデも多く、自宅から10分程度で行けるところにスキー場がある、なんて場合も!
都心部からスキー場へ行こうと思えば、たいてい往復で何時間もかかってしまいますが、雪国に住めば気軽に行けます。「冬はスノーボード三昧!」というウインタースポーツが好きな方にとっては夢のような移住先になると思います。
(3)食べ物が美味しい
春になると山からの雪解け水が流れ込み、田んぼや畑を肥沃(ひよく)にしてくれます。
そのおかげで、雪国ではお米や野菜・果物などの農産物がよく育ち、その土地土地での名産品も数多く存在します。
都心部でも美味しい食材を味わうことはできますが、新鮮さや価格はその地方に勝るものなし。現地の直売所などでは採れたての食材が安く販売されており、普段の食事も充実することでしょう。
(4)温泉が多い
意外と知られていないのですが、全国の温泉地数の上位は雪国が大半を占めています。
そして、雪国での温泉の醍醐味といえば雪見風呂。露天風呂に入りながら積もっている雪を眺めるのも気持ちが良いですし、頭の上に雪が降り注ぐ中でお風呂に浸かれたらまさに“非日常”。
私の住んでいる地域には全市町村に温泉があり、低価格で入浴できるところも多数あります。
最寄りの温泉は300円台と破格の料金設定なので、お肌にもお財布にも優しい温泉はとてもありがたい存在です!
雪国へ移住して大変だったこと
反対に、移住をして大変に感じたことも紹介していきます。
(1)寒い地方ならではの出費が意外と多い
雪国では冬になると、灯油代やガソリン代などが思った以上にかかります。
特にガソリン代に関しては、車のフロントガラスの凍結を溶かすための暖機運転(※)をしなければならず、維持費が結構かかります。
また、スノーブラシやスコップなど除雪作業に欠かせない道具も必須です。
長く使っているとスコップの先端が壊れてしまうこともあるので、定期的な買い替えやメンテナンスが必要になります。
(2)日照時間が少ない
日本には日本海側・太平洋側どちらにも雪国がありますが、同じ雪国でも特に日本海側は雪雲が発生しやすく、冬はどんよりと暗い日が続くことも。
太陽が見えない日が続いたり、日照時間が短い日が続いたりすると気持ちが落ちてしまうこともあるので、前向きな気持ちを保つ心掛けが大切です。
自分に合った移住先を模索してみよう!
移住を検討するきっかけは人それぞれ。
移住先での生活をイメージしたり、理想のライフスタイルを明確にしたりすることで、どのような地域に行きたいのかが見えてくるのではないでしょうか?
私は雪国で生活していますが、大自然を肌で感じることができ、公私共にとても充実した時間を過ごすことができています。
雪国には、まだまだほかにも魅力や苦労がたくさんあります。満足できる移住生活が送れるよう、メリット・デメリットの両面を比較して理想の移住先を探してみてください。