江戸時代の焚き火料理とは?
ゴミ0生活を目指すお笑い清掃団が今回挑戦したのは、SDGs的スローフード"江戸時代の焚き火料理"。期限切れ間近の食材や残飯、湿気ったお菓子が江戸レシピで極上の焚き火料理に変身。調理が簡単で美味しく、キャンプ料理にぴったりのメニューだ。
清掃団・団長
マシンガンズ・滝沢秀一さん
江戸時代の焚き火料理は、無駄がない地産地消の元祖スローフード。燃料薪や炭が貴重だったため、調理は時間をかけない簡単レシピで、新鮮な旬な食材を大いに活用した。
材料は野菜と魚介類が中心で、硬い野菜の茎や皮など、現在は「野菜クズ」と呼ばれる食材も捨てずに利用。発想豊かなレシピで江戸庶民の味覚を大いに発展させた。そのグルメぶりを裏付けるのが、当時出版された500冊にも及ぶ料理本。それらを参考に、お笑い芸人・まりんかと、かがわの水割が焚き火料理を楽しんだ。
「出汁をとった後の煮干しや鰹節、昆布、大根の葉やブロッコリーの茎など、普段捨ててしまいがちな材料も細かく刻んで調味料で味を整えれば、贅沢なふりかけに。病みつきになる美味しさですよ」(まりんか)
「焚き火の灰も料理で大活躍。残ったおかずを具にした『灰焼きおやき』はゴミ0料理を代表する逸品。どれもが目から鱗の旨さで、びっくりでござる」(かがわの水割)
「江戸時代は『もったいない』精神でゴミを再利用した循環型社会。捨てる食材などありません。お手本にして、思う存分焚き火マジックを楽しみましょう!」(マシンガンズ・滝沢秀一)
江戸焚き火料理の便利グッズ・テンマクデザインの「中空焚火ゴトク」。開く角度を自由に変えられ、あらゆるサイズの鍋を置ける。
湿気ったせんべいは…「せんべい汁」に!
出汁に鶏肉、ゴボウ、ネギなど野菜を入れ、醤油、みりん、酒で調味。湿気ったせんべいを入れれば完成。せんべいは、小麦粉か餅粉が原料のものを使用。餅の食感が美味。
缶詰や餅、乾麺など期限切れ間近の災害用ローリングストックも、江戸料理で極上の一品に。
余ったおかずは…「灰焼きおやき」に!
小麦粉にぬるま湯を入れて十分に捏ねた生地に、余ったおかずや古漬けなどの具を包んでフライパンで焼く。焦げ目がついたら、灰の中に埋めて、蒸し焼きにしたら出来上がり。キャンプの焚き火の灰でお試しあれ。
古くなった煎茶は…「ほうじ茶」に!
煎茶が古くなったり湿気ったら、フライパンで煎ってほうじ茶に。緑色の煎茶が茶色に変色してくるまで、焚き火の遠火でじっくり煎るのがコツ。完成したら茶筒など湿気防止用の容器に入れて保管する。
ほうじ茶の香りがするまで煎るべし
食べ終わった貝殻は…「貝焼き」に!
貝焼きは江戸時代の人気料理のひとつ。食べ終わった貝殻に好みの海鮮食材を入れ、鰹節、梅干し、酒、醤油を鍋で煮詰めた調味料「煎り酒」をかければ極上の海鮮料理に。
出汁の昆布や鰹節は…「ふりかけ」に!
出汁をとった後の煮干しや鰹節、昆布、大根の葉やブロッコリーの茎などの野菜クズを細かく刻む。醤油、みりん、酒(味噌なども合う)で炒めれば、出汁の旨みが生きた絶品のふりかけが完成!
※構成/松浦裕子 撮影/茶山 浩
(BE-PAL 2023年3月号より)