スーパーカブに乗って軽いフットワークでキャンプイン
侍ジャパンのメンバーが躍動して、見事に優勝を果たした野球のWBC。その大会が開催される数週間前に、僕は侍ジャパンのキャンプを見物しようと宮崎県へ旅に出た。
移動手段はスーパーカブである。侍ジャパンがキャンプを張る「ひなたサンマリンスタジアム宮崎」周辺の道路は渋滞も予想されるが、スーパーカブなら渋滞もへっちゃらだ。それにスタジアムの駐車場に自家用車をとめる場合は事前に予約して整理券を購入しなくてはならないが、オートバイや自転車は整理券の必要もなく、駐輪場にすんなりとめられる。フットワークが軽くて、燃費もいい(リッター60kmを超える)スーパーなマシンなのである。
八ヶ岳山麓の自宅から宮崎まで自走するのは時間がかかるので、自宅から神戸まではオートバイも積める軽商用車のホンダ/N-VANにスーパーカブを積載して走り、神戸から宮崎行きのフェリーに乗船した。
スタジアム周辺は人々であふれかえっていた。WBCの公式グッズを販売するエリアや、露店が並ぶエリアがあって、どこも大盛況だ。スタジアムのある運動公園一帯はのどかな田園地帯なのに、公園内は都会のような活気に包まれていて、侍ジャパンの人気は想像以上だった。
侍ジャパンの近くでテントを張る
侍ジャパン人気の影響で宮崎市周辺の宿はどこも満室状態で、空室があっても便乗値上げで一般の旅人は泊まれる状況にない。
でも大丈夫。侍ジャパンがキャンプを張るスタジアムから約7km先に、通年営業の宮崎白浜キャンプ場がある。そもそも僕らアウトドアズマンにとって、キャンプは「見る」ものではなく、「する」ものなのだ。
宮崎白浜キャンプ場は快適なオートキャンプ場だった。シャワーなどの設備はもちろん、売店には広葉樹の良質な薪やアウトドアグッズが売られているし、売店の2階はテントサイトに持ち出せる書籍や雑誌が置かれたライブラリーになっている。
クルマの場合は1泊4000円からだが、二輪車が乗り入れできるフリーサイトは1泊1400円で済む。僕は宮崎白浜キャンプ場に3連泊して、キャンプを見るキャンプを楽しんだ。
ライオンズやバファローズのキャンプにも!
宮崎県では侍ジャパン以外に、埼玉西武ライオンズやオリックス・バファローズ、福岡ソフトバンクホークスなどもキャンプを張る。
2日目は侍ジャパンではなく、わが愛する埼玉西武ライオンズがキャンプを張る日南市の南郷町までスーパーカブで出かけ、3日目はオリックス・バファローズがキャンプを張る宮崎市内の清武総合運動公園に出かけた。
旅の詳細はBE-PAL5月号の『シェルパ斉藤の旅の自由型』に書いたのでそちらを読んでもらいたい。ライオンズのキャンプ地では幸運な出来事があったし、思いがけない出会いもあって、キャンプを見てキャンプをする旅を存分に楽しむことができた。
えびの高原で感じる地球の息吹
宮崎白浜キャンプ場に3連泊して野球のキャンプを見まくったあとは、鹿児島県との県境に位置するえびの高原に出かけた。
活火山の霧島連山がそびえるえびの高原には、登山道やハイキングコースが整備されている。まずは霧島連山最高峰でもある韓国岳に登り、火口湖の大浪池を一周するコースを歩いた。この一帯は日本ジオパークに認定されているが、噴煙が上がる硫黄山や桜島などを眺めると地球の息吹を感じる。恐竜が生きていた時代もこんな風景だったんじゃないかと想像できる。天候に恵まれた週末とあって訪れるハイカーも多く、道中ですれ違う人々とあいさつを交わしつつ、ほんわかした気分で歩き続けた。
えびの高原にも通年営業のキャンプ場がある。標高は1200m。海沿いの宮崎白浜キャンプ場とは別世界だが、利用者が10組近くいる。僕も彼らと同じく焚き火で暖をとり、冬のキャンプを満喫した。キャンプは見るものではなく、するものだとあらためて思った。
『チームシェルパ』でイベントを開催します!
最後にお知らせを。
2023年4月22日の土曜日に八ヶ岳山麓のわがカフェ『チームシェルパ』でライブ&トークショーを開催します。新刊『あのとき僕は シェルパ斉藤の青春記』をテーマにした僕のトークステージと、シンガーソングライターのリピート山中さんのライブステージの2本立てです。往復ハガキでの応募に限定していましたが、メールでも予約を受け付けます。下記のチラシを参照に、参加希望者はハガキに記載すべき内容をメールで送ってください。送り先のアドレスは、
katagirikyoko59@gmail.com
です。焚き火を囲んでテント泊も可能ですよ。