右:自転車メーカー代表 ・海老根 拓さん 。元メッセンジャーで自転車店、自転車メーカー勤務を経て、自身のブランドPepcyclesを立ち上げた。キャンプ用品も手がけている。 「やっぱ海辺はいいね」。 中:自転車キャンパー・ MOTOさん。 岐阜県在住で、普段はソロで自転車キャンプを楽しむ。今回は、愛知県犬山市にある行きつけのサイクルショップの紹介で参戦。「 何を食べようかな?」。 左:ライター・山本 。ビールをウマく飲むための手段としてサイクリングとキャンプを愛する。キャンプツーリングは、それを同時に楽しめる最高の遊び方。 「早くビール飲みて~」。
自転車だから楽しめる、身軽なキャンプ旅。今回はNHKの大河ドラマ「どうする家康」で話題の岡崎城跡がある愛知県岡崎市を起点に、西尾市を経由。蒲郡市の西浦半島にあるキャンプ場を目指した1泊2日の観光キャンプツーリングをレポート。
今回走ったルート
岡崎から矢作川沿いに下ることで、辛い上り坂を回避するルートを選んだ。西尾から西浦までは、短い上りが数か所ある。
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海老根 拓さん
「自転車に取り付けるバッグの容量に制限があるので、軽量化はもちろん、アルコールストーブなどコンパクトな道具を選んでいます」。自転車をポールにするタープキャンプで軽さを実現。
総重量は約5kg!
MOTOさん
「道具は好きな見た目で、許容できる重さの物を選んでいます。テント(モンベル/ムーンライト2の旧型)と焚き火台(ゼンピット)が、自分らしいかなと」。荷物は自転車全体に振り分けて積載。
総重量は約12.4kg!
ライター山本
寒い時季はシュラフや防寒品が重くかさばるため、テントを使わずタープにして約1㎏軽量化。大型のフロントバッグに小物を、サドルバッグにチェア、ポール、ホットサンドメーカーを収納。
総重量は約8.2kg!
「どうする家康」で話題の岡崎からスタート!
自転車のいいところは、同じようなジャンルや方向性のバイクに乗っていれば、年代に関係なく一緒に遊べること。今回は、仕事も暮らす場所も違う30代、40代、50代の3人が、岡崎城前に集合し、1泊2日で観光&キャンプツーリングを楽しんだ。
コースは、愛知県在住のライター山本がプランニング。家康の大河ドラマと東海オンエアの影響で、今、愛知で一番元気な町をスタート地点とした。
MOTOさんは岐阜から、海老根さんは大阪から参加。皆、普段から近場を中心にキャンプツーリングを楽しんでいる。岡崎城前の駐輪場に自転車を停めたら、いざ天守閣へ。
DAY 1
9:00 家康ゆかりの岡崎城から いざ出陣!
大河ドラマの影響で、来場者が急増中という岡崎城跡がある岡崎公園からスタート。園内には、大河ドラマ館が新設され賑わっていた。
徳川家康が生まれた岡崎城(天守閣)へ寄り道。入場料は大人300円。開館は、9時から17時まで。周辺は、桜の名所としても知られている。
周辺に高層ビル群がないため、天守閣からの眺めは圧巻。昔の生活を垣間見れるプロジェクションマッピングやジオラマ、岡崎ゆかりの品の展示などもあり。
見事な石垣の上に建つ城は、’59年に再建されたもの。城内には、プロジェクションマッピングを使って昔の町並みを再現するシアターや、刀剣を展示するスペースがある。天守に上ると、四方を眺めることができ、岡崎の市街地、遠くの山並み、これから行く河川や海につながる空などを見渡せた。あっぱれ。
次に目指すは、岡崎城から八丁(約870m)先にあることから「八丁味噌」と名付けられた、この地方独特の豆味噌を作る蔵へ。1337年に当地で創業したという「まるや八丁味噌」では、今でも木桶の上に大きな石を手積みする伝統の手法で味噌を作っている。蔵見学は無料で、味噌や加工食品を買うこともできる。
今夜の肴にも、お土産にもなる製品を購入したら、先へ進む。東海道から矢作川河川敷へ。砂利道を見つけては、あえてそっちに入ってみたり。この地方特有の強い季節風にフラつきながらも、楽しく走った。
「空が広くて気持ちいいですね」と海老根さんがニッコリ。
10:00 680年以上の歴史を誇る八丁味噌の蔵を見学
創業1337年。今も伝統的な製法で八丁味噌を作る趣ある蔵を見学すると、最後にこの味噌を使ったタレのこんにゃくをいただいた。
まるや八丁味噌
三河の味! 住所:愛知県岡崎市八丁町52番地 電話:0564(22)0222 営業時間:9:00~17:00(直売所) 定休日:年末年始
開放的で気持ちいい~
岡崎から西尾を目指し矢作川を下るように走った。上り坂はないが、強風の洗礼を受けた。
ランチは、国内生産量の約20%を占める鰻の名産地西尾市へ。かなり贅沢なひつまぶしに一同大満足。焼きも、たれも、出汁も、薬味も最高に美味しかった。いい旅満喫!
小さな峠を越えて海を目指す。次なる寄り道は、愛知県内はもちろん、全国に多くのファンがいる酒蔵へ。一般の蔵見学はできないが、直売所でこの季節にしか飲めない酒を2本買った。もちろん今宵のために。
12:00 鰻の名産地=西尾で豪華なひつまぶしランチ
ひつまぶしは、肝吸い付きで4500円。鰻は地元・西尾市一色産。生わさびや京都産の粒山椒など、薬味までこだわり味を演出。
うますぎる!
たま川 西尾店
個室も含め、全108席。鰻が焼きあがる待ち時間に自由に食べられる漬物バイキング(無料)もあり。 住所:愛知県西尾市徳次町明大寺26-1 電話:0563(57)8400 営業時間:11:00~15:00、17:00~21:00 定休日:不定休(毎月4連休あり)
続いて海辺にあるウミノマエストアに寄り道。ここは物欲を刺激するアウトドアグッズと食料品のセレクトショップ。パタゴニアのビールを発見するや即ゲット。道具を軽くコンパクトにする理由のひとつが、酒をたんまり積むための余力を残すためである。だから余裕。
途中、スーパーマーケットで夕食の材料を調達してから、西浦半島にあるキャンプ場へ。初日の走行距離は約38㎞。ほどほどの疲れが心地よい。
13:45 蔵元を訪ねて特別な日本酒をゲット
尊皇蔵元 山﨑直売所
1903年に創業した歴史ある酒蔵。愛知県産の米にこだわり、少数の職人の手業で味を守っている。 住所:愛知県西尾市西幡豆町柿田57 電話:0563(62)2005 営業時間:8:15~17:00 定休日:土、日、祝日
季節限定販売の2本をゲット。
左、「若水辛口原酒 焚火 旬」1,485円。右、「夢山水十割 奥 生」1,683円。すっきりとした美味しいお酒。
14:30 海辺のセレクトショップでショッピング
ウミノマエストア
厳選されたアウトドアグッズと、体に優しい食品などを扱う素敵なセレクトショップ。目の前が海。 住所:愛知県西尾市寺部町笠外186-36 電話:0563(62)3033 営業時間:11:00~日没 定休日:火曜(祝日は営業)
ロウロウマウンテンワークスのバッグや、ハロ・コモディティーのキャップが物欲を刺激。
パタゴニアのビールは冷蔵庫でキンキンに。
量り売りのナッツやドライフルーツを買って、好みのトレイルミックスを作ろう。
16:00 三河湾を望む海辺のキャンプ場へ到着
キャンプ場は海辺にあり、最寄りの入浴施設まで約400mという好立地。しかし、その施設の日帰り入浴時間は17時まで。テントを張るや、急いで高台の温泉宿に向かった。
三河湾を見渡す大浴場からの景色を楽しみ再びキャンプ場へ。ビールを飲む準備は整った。
それぞれに焚き火をおこし、好きな酒を飲み、自分の食事を作るソログルキャン・スタイル。今日のツーリングの話、自転車のこと、普段のキャンプスタイルなど話は尽きぬ。2本買った日本酒がなくなるころに、好きなタイミングでテントに入った。
これからが本番!
蒲郡市の西浦半島にあるキャンプ場へ到着。「乾杯!」といきたかったが、入浴施設が閉まってしまうためお預けに(一同、涙)。
にしうらシーサイドキャンプ場
住所:愛知県蒲郡市西浦町倉舞52 電話:0533(57)5315 営業時間:チェックイン13:00~、チェックアウト翌11:00 定休日:月曜 ※2023年4月23日をもって、「2022冬季シーズン」の営業は終了しています。
ソロキャン用のサイト(1泊2500円)は1区画のみ。なので普通のサイト1区画(1泊5500円。5名まで)を借りて3人でシェアした。開設期間は10月からで、今期は4月23日で終了。
薪も買える。
16:30 テントを張ったら歩いて行ける風呂へ
和のリゾートはづ
キャンプ場利用者は、最寄りの温泉旅館「和のリゾートはづ」の大浴場や露天風呂を利用できる割引券がもらえる。
露天風呂「美白泉」。季節によっては三河湾に沈む夕日を眺められる。4月からの入浴料金は1500円。
三河湾を望む展望大浴場「パノラマスパ」。日帰り入浴の終了時間17時に間に合い旅の疲れを癒せた。幸せだな~。
住所:愛知県蒲郡市西浦町大山17-1 電話:0533(58)1811 営業時間:13:00~17:00 定休日:不定休
翌朝、各自で朝食を終えたらチェックアウト。蒲郡市のシンボル=竹島まで走り、八百富神社を参拝。蒲郡駅で解散とした。蒲郡から岡崎までは、めぼしい立ち寄りスポットが見つけられず、かつ走行ペースを合わせにくい上り基調のルートとなる。そのため別々に走ったほうが楽で安全と判断したから。
「平坦で走りやすく、鰻がウマかった!」とMOTOさん。海老根さんは「普段はキャンプ地に早く入ることを考えて走ってましたが、寄り道を楽しむライドも新鮮でいいですね」
フットワークのいい自転車を使うことで、積極的に寄り道を楽しめ、移動による大きな達成感と自然の近さまでを同時に満喫。じつにいい旅でした!
19:00 焚き火を囲みソログルキャンスタイルで
夜は冷えたので、MOTOさんは、焚き火で鍋を作って楽しんでいた。これが定番とか。
山本はグリルプレートを使って、焼き豚、シシャモなどをじっくりと焼いて酒の肴にした。
「ビールはグラスで」というこだわりを持つ海老根さん。自転車旅には、小さめのグラスを持参。
フレッシュで切れのある味わい。「焚火」という名前の酒を焚き火の前でいただく贅沢な夜。
積極的な寄り道でキャンプツーリングが格段に楽しくなった
この夜は風が強く、まだ寒かったけれど、焚き火と仲間のおかげで楽しいキャンプ時間になった。「カンパ~イ!」 「焚き火はいいね」 「飲むぞ~」。
DAY 2
10:30 西浦シーサイドロードから蒲郡を目指す
2日目はキャンプ場を出発し、西浦シーサイドロードという海辺の道を通って蒲郡を目指した。
11:30 竹島のパワースポット 八百富神社にお参り
照葉広葉樹に囲まれた竹島までは、全長387mの橋を歩いて渡り、パワースポットとして知られる八百富神社を参拝した。島の周囲には海辺の遊歩道もある。
八百富神社
住所:愛知県蒲郡市竹島町3-15 電話:0533(68)3700 営業時間:9:00~17:00(社務所)
12:30 蒲郡駅でゴール!あとは自由に
ゴールの蒲郡駅に到着。2日間の観光&キャンプツーリングを満喫した3人。ここで解散し、それぞれのペース、ルートで岡崎へ帰った。ソロもいいが仲間と一緒も楽しかった。
観光キャンプツーリングDATA
◦行き先 愛知県岡崎~蒲郡
◦旅程 1泊2日
◦走行距離 1日目38㎞(岡崎城~キャンプ場)、2日目17㎞(キャンプ場~蒲郡駅)、合計55㎞
◦キャンプ地 にしうらシーサイドキャンプ場
◦予算 キャンプ場は1区画5,500円、入場料、食費含めひとり約12,000円
※構成/山本修二 撮影/花岡 凌 協力/Wakka、Pepcycles
(BE-PAL 2023年4月号より)