「キャンプに興味はあるけど、本当に楽しめるのか不安…」という人におすすめなのが、気軽に挑戦できるグランピングです。グランピングの魅力を詳しく紹介し、キャンプ初心者が気になる疑問に答えます。
グランピングの意味は?
これまでアウトドアに親しんでこなかった人の場合、グランピングと聞いても具体的なイメージが湧かないかもしれません。まずは、グランピングとはいったい何なのかを解説します。
「グラマラス」な「キャンプ」のこと
グランピングは、英語の「Glamorous」と「Camping」を組み合わせてできた言葉です。あえて日本語に変換してみれば「華やかなキャンプ」といえます。
一説には、グランピングのルーツはモンゴルの遊牧民が暮らす移動式住居のパオだとされています。しかし、「グランピング」という概念の発祥は、イギリスをはじめとするヨーロッパの国々のようです。
ヨーロッパのセレブたちは、アウトドアでバカンスを過ごすために、豪華な調度品を設えたテントを用意させました。食事にはシェフを呼び、贅沢な時間を過ごしていたそうです。
こうしたキャンプ様式が一般にも広まり、2005年頃になると「グランピング」という言葉が使われ始めます。2015年頃に日本でもグランピング施設がオープンしたことをきっかけに、国内でも一気に認知度が高まりました。
キャンプとの違い
「アウトドアを楽しむ」という目的自体は、キャンプもグランピングも変わりません。最も大きな違いは、準備を自分でやるか、施設で基本的に必要な用具や食材などを用意してもらうかという点です。
キャンプではテントの設営から、火起こし・調理・後片付けまで、すべて自分たちで行うのが基本です。ある程度は専門的な知識が求められるため、初心者には難しい場面もあります。
一方でグランピングは、施設にキャンプ道具がそろっているのが一般的です。テントの設営や調理なども施設に任せられるケースもあるので、キャンプ未経験者でも困ることはないでしょう。
グランピングの魅力は?
日本に上陸したのはまだ最近のことにもかかわらず、グランピングはアウトドア派ではない人にも人気です。グランピングの魅力とは、いったい何なのでしょうか?
手軽にアウトドアを楽しめる
グランピングは、アウトドアのいいとこ取りができる手軽さが最大の魅力です。「キャンプに行ってみたい」と思い立ったとき、未経験者にはまずキャンプ道具をそろえるという壁が立ちはだかります。
通常のキャンプとなると、テントや調理器具など、必須アイテムを挙げればきりがありません。しかし、楽しめるかどうか分からない状態で、これらのアイテムを買いそろえるのはハードルが高く感じられて当然です。
その点、グランピングであれば、手ぶらでも存分にキャンプが楽しめます。キャンプ道具の事前準備やメンテナンスがいらないので、仕事やプライベートが忙しい人にもぴったりです。
非日常空間・自然を楽しめる
あえて不便さを楽しむような本格的なキャンプではないものの、グランピングでも十分にアウトドアのよさを味わえます。
グランピング施設の周囲は自然の宝庫です。1歩外に出てみれば、非日常空間がそこにあります。いつも見ているはずの夕日ですら、澄んだ空気の中で見ると新鮮に感じられるでしょう。
とはいえ、ずっと大自然の中で過ごしたいと思うとも限りません。そんなときは、ラグジュアリーな拠点に戻って、ひと休みもできます。
グランピングは、キャンプへの期待と不安を持っている人でも、無理なく自然を堪能できる方法といえます。
グランピングの楽しみ方
グランピングが初めての人向けのおすすめの過ごし方を紹介します。自分が何をしたいか具体的なイメージを持っておくと、グランピングの施設を選びやすくなるでしょう。
自然を満喫する
グランピングは、テントの設営や食事の支度などをしなくてよい分、自然を満喫する時間が十分に取れます。
山ならトレッキングやサイクリング、水辺であれば釣りやカヌーなどの人気アクティビティが楽しめます。童心にかえって、探検や磯遊びにふけるのもよいでしょう。
食材は基本的に施設側で準備してくれますが、希望すれば、まき割り体験やピザ作りなどもできる場合があります。夜になったら満天の星の下で軽くお酒を飲んだり、仲間と語り合ったりするのも特別な思い出になるでしょう。
アウトドアならではのグルメを堪能
アウトドアグルメの代表といえば、バーベキューやたき火料理です。豪快なローストチキンや、ボリュームたっぷりの串料理など、家では作りにくい料理にも挑戦できます。
スタッフがサポートに付いてくれるところなら、アウトドア調理が初めてでも安心です。写真映えする料理のサービス付きの施設ならいっそう盛り上がり、楽しく美味しい思い出をたくさん残せるでしょう。
グランピングでは、食材や調理器具の準備を任せられるため、料理のハイライトだけを楽しめるのがポイントです。後片付けの必要もないので、食後すぐにのんびりした時間を過ごせます。
ゆったりした時間を楽しむ
毎日仕事を頑張っている人ほど、せわしない日常から解き放たれたいと思うこともあるのではないでしょうか。グランピングに来たからといって、無理に自然のアクティビティに挑戦することはありません。
喧騒から遠ざかれるのも、グランピングの醍醐味です。ハンモックに揺られながら昼寝をしたり、たき火の揺らぎを眺めながらぼーっとしたりと、見渡す限り緑に囲まれた空間でリラックスできます。
施設によってはペットも連れていけます。気心の知れた相棒と、あえて何もしない贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
グランピングに関するQ&A
グランピングに関する、よくある疑問についてまとめました。スムーズに計画を立てられるよう、前もって不安を解消しておきましょう。
グランピングにかかる費用は?
ラグジュアリーな時間を過ごせるだけあって、全てセルフで行うキャンプに比べると、グランピングにかかる費用はやや高めです。
食事付きのプランであれば、1人につき約2万円以上と考えておいた方がよいでしょう。施設や時期によっては、通常価格の倍以上の価格設定になる場合もあります。
ただし、キャンプ道具を一式そろえることと比べると、一概にグランピングが高く付くともいえません。年に1回くらいならグランピングの方が向いているとも考えられます。
グランピングで泊まる場所はテント?
グランピングで宿泊する施設には、主に次のようなタイプがあります。
- テント
- コテージ
- トレーラー
一般的なのがテントタイプです。テントの形は、ナチュラルさが魅力のベル型テントや、テントの中から星空が見えるドーム型などがあります。
コテージは室内に浴室やトイレがあり、家と同じように過ごせるのがメリットです。アウトドア感は少ないものの、キャンプ初心者でも安心してアウトドアが楽しめるでしょう。
トレーラータイプは、キャンピングカーのように車中泊が体験できます。運転はできませんが、十分に非日常感を味わえるはずです。
グランピングに適した服装ってある?
グランピングは、キャンプに比べれば快適ですが、アウトドアレジャーである以上、しっかりと対策をする必要があります。
虫被害から肌を守るため、過度な露出はせず、日が落ちた後は長袖・長ズボンを着用しておくのが賢明です。急な温度変化に対応できるよう、夏でも羽織れるものを用意しておきましょう。
また、ナイロンやポリエステルなどの燃えやすい素材は、火の粉で小さな穴が空いてしまう恐れもあります。たき火調理をするなら、コットン系の火に強い素材がおすすめです。
まとめ
グランピングは、アウトドア未経験でも気軽に挑戦できる、ラグジュアリーなキャンプとして人気を集めています。キャンプ道具の準備もアウトドアの知識も不要なため、季節を問わず自然を楽しめます。
ベッドや照明といった家具から、シャワーやトイレなどの水回りも充実しているので、不便を感じることはほとんどないでしょう。一般的に、施設にはアウトドアに精通したスタッフが常駐しているため、勝手が分からず戸惑ったらスタッフに頼れます。
もしも「キャンプを楽しめるか分からない」と思っているなら、まずはグランピングから初めてみるのも一つの方法です。