千葉県長南町、歩きやすいハイキングコースがある天空の寺院「笠森観音」に行ってきた
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    2023.05.30

    千葉県長南町、歩きやすいハイキングコースがある天空の寺院「笠森観音」に行ってきた

    観音堂を見上げる

    笠森観音は房総半島の真ん中あたりに位置します。見事な建造物の観音堂をぐるっと周り、建物を見上げました。森と同化している雰囲気に圧倒されます。

    趣味=節約な私が得意とするお金をかけずに楽しむ旅

    4年ぶりに制限のない今年のGW。混雑を避けて外房の家に滞在、財布をほとんど開かずに過ごしました。お金を使わないレジャーの代表選手といえば「トレッキング」だと思うのです。現地に赴いて、ただ歩くだけ。とはいえ季節の移ろいを全身で感じ、歩きながら家族といろんな話もしつつ、ほどよく疲れて、「ああ、今日もいい1日だった」と、美味しくお酒を飲んで眠りに就く。「最高の趣味!」と私は胸を張っていっています。

    森の中をトレッキングする子ども

    お寺の裏に広がる豊かな森。家族しかいない場所を見つける、というのも楽しいモノです。

     みんなと同じ動きをしちゃダメよ

    東京の周りを含めた首都圏の人口は4,500万人弱だそう。日本の約3割の人たちと同じ動きをしていたら、渋滞に巻き込まれるのは当たり前です。だいたいみなさん早朝に東京を出て、ランチを食べてから帰宅するというパターンでしょうか。首都圏からやって来た大きなカタマリとバッティングしないよう、今年のGWは外房の家でランチを食べたりして、たっぷり時間をやり過ごしてから、13時半ごろ主要な観光地に出かけるようにしていました。

    ちなみに東京から出掛けるのも、早いか(前乗りか)、遅いか(昼すぎか)を心がけています。

    念願かなって行ってみた「笠森観音」

    笠森寺

    笠森寺、通称「笠森観音」は「坂東三十三観音霊場第31番札所」。巡礼の霊場となっており、創建は784年といわれています。

    今回は、かねてから気になっていた「笠森観音」へ。そこは深い森に囲まれた、岩の上に建つ「天台宗」の寺院です。以前テレビの旅番組で観たことがあり、「天空の寺院」とか「空中寺院」なんて呼ばれているそうで、「へぇ千葉にこんな不思議な場所が!」 と驚いたものでした。

    お地蔵様

    無料の駐車場のすぐ目の前が、笠森観音への入り口です。そこには無数のお地蔵様が。

    家がある勝浦からこの場所までは約30km。「オフピーク」したおかげで道はガラガラでしたが、クルマで45分くらいかかった笠森観音は房総半島の内陸にあります。肌寒く爽やかだった勝浦より、ややムシッとして気温も高め。同じ県内なのに全然空気が違います。

    鬱蒼とした参道

    鬱蒼とした参道(女坂)をトコトコ登っていきます。男坂は急傾斜の道です。

    参道に佇む「子授け楠」

    子授け楠

    穴があったら、くぐらずにいられない兄弟です…。

    参道の途中にあった立派なクスノキ。根っこの付近に人がくぐれるほどの穴が空いています。訪れて初めて知ったのですが、笠森観音は「子授のご利益」があると言われ、他方から参拝者が多くやってくるとか。以前、有名芸能人さんも参拝に訪れ、御利益にあずかったそうですよ。

    山門

    森を登り切ったところに、やっと「二天門」が見えてきました。すでにいい運動。

    笠森観音に入る親子

    急に賑やかになりました。

    境内広場

    境内広場には強力な開運パワーがあると評判の「黒招き猫」のグッズが売られている店や、カフェがありました。

    激混みというわけではないけど、人は多かったです。ライダーの姿もちらほら。首都圏からのカタマリがいらっしゃった午前中は、きっと大変な賑わいだったと思います。

    いよいよ「天空の寺院」へ

    四方懸造

    「重要文化財」を見上げる兄弟。

    大岩の上にそびえる笠森観音は、61本の柱で支えられた「四方懸造(しほうかけづくり)」と呼ばれる構造。京都の清水寺と同じ「懸造り(かけづくり)」だそうです。それは崖など高低差の大きい土地に、床下を固定してその上に建てる建築様式だそう。

    観音堂へは靴を脱いで上がる

    靴を脱いで観音堂に上がります。なんだか東南アジアのお寺のようだなと、かつての旅を懐かしみました。

    岩と柱でできた土台

    岩と柱と、不思議な光景。日本の古来の木組みによる、釘やねじを一切使わない工法を間近で見られます。すごい!

    急な75段の階段

    この写真は帰りのものですが、観音堂までは急な75段の階段を上がりました。高所が苦手なヒトはヒヤッとするかも。

    階段を上りきったところで「参拝料」をお支払いします。大人300円、子ども(小学生の長男)100円でした。

    転落注意の看板

    「転落注意」の看板。特別な転落防止の設備はないので、子どもからは絶対目を離さないように!

    観音堂からの眺め

    「天空の寺院」と呼ばれるだけあって、さすがに眺めがよい。豊かな自然が眼前に広がっていました。

    観音堂の周りは廊下でぐるりと回遊することができます。360度の大自然と宗教が融合した、美しい景色がありました。あの「松尾芭蕉」さんも観音堂の上で句を詠んだそうですよ!

    裸足で歩く

    裸足でぺたぺた歩くのも気持ちよかった。

    ちなみに御朱印などは観音堂のなかで受け付けているそう。堂内は撮影禁止なので注意です。

    観音堂から見下ろす

    観音堂はペットNG。下で待っている夫と豊に手を振りました。

    子授のご利益らしい光景

    「お礼参り」でしょうか。生まれたばかりの赤ちゃんを大切そうに抱いた若い夫婦が、観音堂の急な階段を慎重に上がっている姿を見かけました。

    「子育て地蔵尊」が安置されていた「六角堂」

    こちらは「子育て地蔵尊」が安置されている「六角堂」。

    願いが叶ったのでしょう。お礼の言葉が書かれた「スタイ」が掛けられていました。

    鐘楼堂

    六角堂の奥には「鐘楼堂」があり、誰でも鐘をつくことができます。

    駐車場から参道を観音堂に向かって歩いていたとき、どこからともなく美しい鐘の音色が響いていました。この「鐘楼堂」から聞こえてきたのですね。

    笠森寺自然林トレッキング

    先ほど観音堂から見下ろした青々とした森を歩きましょう。

    ハイキングコースを歩く

    観音堂の裏手にルートがあります。

    この森は、「禁伐林」として保護されてきたそうです。手つかずの森にはイタチ、アナグマ、リス、フクロウなど多くの生き物が生息しているとか。鳥たちの絶え間ないおしゃべりに、「ここはどこ?」「千葉よ!」と突っ込みたくなるくらい気持ちよかったー。

    自然遊歩道を歩く

    笠森観音に行ったなら、この気持ちいい道を歩かないなんてもったいない(笑)。

    「イノシシ注意」の貼り紙もあり、息子たちはもしイノシシに出くわしたら?という話で盛り上がっていました。クマなんかと同じで急に走り出したり、背中を見せたりしないのが正解らしいですよ。

    屋根のある休憩所

    ちょこっと休憩できる屋根付きのベンチが、ルート上に何か所かありました。

    展望台

    「展望台」発見。

    展望台からの眺望

    東京のお隣、千葉県は、海あり山あり贅沢な自然がありますね。

    急な下り階段

    展望台の先は急な下り階段。

    お寺を訪れてみたら、まさか周辺がこんな本格的なトレッキングルートになっているとは。笠森観音が深い森に囲まれた場所にある、という証拠ですね。そして相変わらず私たち以外、誰もいません。ええ、一応GWでしたけど。

    弁天谷池

    「弁天谷池」が見えてきました。駐車場までもう少しです。

    池の向こう岸に見えた「あずまや」

    向こう岸に「あずまや」が見えます。水中には大きな鯉が体をくねらせていました。

    あと少しだけ歩くと、キャンピングカーを停めてある無料の駐車場に着きます。観音堂を見学して、鐘も鳴らして(笑)。山道をゆっくり歩いても1時間半ほどで周遊できる、いいルートでした。

    ふと、ひとりで水面を眺めていた白髪のご婦人に話しかけられました。われわれが歩いてきた道はどうなっているの?と。かくかくしかじか、鬱蒼とした山道でしたが気持ちよかったですよ。観音堂までも30分くらいです、と私が答えました。

    「行きたいけど、ひとりじゃ怖そうだなー」と、ご婦人は残念がっていました。そうですね、木々が生い茂って暗い箇所もあるし、イノシシも出るようなので、単独行動はちょっと心細いかも知れませんね…。

    ご婦人の行動的な雰囲気とか、みごとな白い髪とか、なんだか1年半前に他界した実母と重なり、いまからでも引き返してご一緒したくなったのでした。

    笠森観音

    • 所在地:千葉県長生郡長南町笠森302
    • 電話:0475-46-0536
    • 開堂時間: 8時~16時半(4月~9月)、 8時~16時(10月~3月)
      ※荒天時は閉堂
    • ホームページ:https://kasamori-ji.or.jp
    私が書きました!
    旅のエッセイスト
    国井律子
    1975年東京生まれ。大学卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌でエッセイスト・デビュー。現在は、オートバイのほか、旅、クルマ、自転車、サーフィン、スノーボード、アウトドアなど多趣味をいかしたエッセイを執筆中。ハーレーダビッドソン/スポーツスター1200xl、HONDA XR230、キャンピングカー所有。自転車はデローザ、寺田商会/minidisk、電動アシスト付きママチャリ。旅が好きなのと同時に、おうちも大好き。家での一番の趣味は収納。いかにラクするか考えること、「時短」という言葉も大好き。嫌いな言葉は「二度手間」。インテリア、ネットショッピング、お取り寄せグルメ・酒、手抜きおつまみ作りに熱心。「痩せたい」というのが口癖。飼い犬はボストンテリア。ふたりの男児の母でもある。https://ameblo.jp/kuniritsu/

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