みんなが感じる車中泊の不満とは?キャンピングカーでも直面するバンライフの弱点
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    2023.05.28

    みんなが感じる車中泊の不満とは?キャンピングカーでも直面するバンライフの弱点

    キャンピングカー車内

    車中泊の困りごとランキング

    アクセルを踏めば、なんの予約も計画もいらず日本中どこへでも行ける車中泊の旅は、旅好きには夢のような旅行スタイルです。車内での就寝に最適化された車中泊仕様車やキャンピングカーなら、より快適な旅ができるでしょう。

    一方で、せっかく入手したキャンピングカーを「ほんの2~3年で手放した」「結局使わず売却し、いまはもう乗っていない」という声も存在するのが事実。もしかしたら少なくない人が「車中泊はこりごり」「ホテルのほうが快適」と思っているかもしれません。

    「日本トレンドリサーチとグーネット中古車による調査」では、車中泊経験者の66.0%が「トイレ」を困りごとに挙げました。第2位「寝心地の悪さ」、第3位「お風呂」、第4位「夏の暑さ」、第5位「冬の寒さ」と続きます。

    どれも思わず「あるある」とうなずいてしまう納得の結果。第2位の寝心地を除くと、キャンピングカーでもまったく同じ悩みを抱えています。

    キャンピングカーライターとしてときには数週間の長旅をする私ですが、同じクルマでもたまに同乗する人からは予想外の不満が生まれることがあります。調査結果や同乗者の声から、車中泊シーンでストレスにつながりやすいポイントをピックアップしてみました。

    多くの人が困っているトイレ問題

    トイレイメージ

    車中泊でもっとも困ることに挙げられるトイレ問題。調査でも「これだけは我慢しようとしても無理だから」「夜中にトイレに行きたくなったとき、とても怖い」といった声が上がっていました。

    トイレを我慢しながら朝を待つのは本当につらいことで、眠りも浅くなりますから、心から同意できます。そのため私は、キャンピングカー(あるいは車中泊を予定するクルマ)には携帯用トイレが必須だと考えています。

    ラップ式トイレ「ラップポン」

    私のクルマでは排泄物を特殊防臭フィルムで密閉する電動ラップ式ポータブルトイレ「ラップポン」を使っていますが、それでも完璧なソリューションではありません。

    排便は避けていることや(設計上は排尿・排便どちらにも対応しますが心理的要因により)、長旅になるとラップ済み汚物のゴミ処理問題が出てきます。ラップポンのことではありませんが、調査でも10.5%の人が旅先での「ゴミ処理」を困りごとに挙げています。

    水を入れて再現した廃棄物イメージ

    水を入れて再現した廃棄物イメージ。

    同乗者が増えれば廃棄物は2倍、3倍に。たまたまトイレを備えない車中泊地に連泊したときは、「○○でトイレに行っておこう」などと常に計算し、かなり気疲れしました。

    習慣を変えるのが難しい風呂&シャワー問題

    キャンピングカーのバスルーム

    大型キャブコンやトレーラーを除くと、日本で流通するキャンピングカーには温水シャワーがないことが一般的です。

    水道設備の延長として、ノズルが伸びて水シャワーを使えることはありますが、洗面や洗髪に十分なほどのシンクがないことも多いでしょう。

    キャンピングカーの水道

    車中泊の旅では「温浴施設に立ち寄れたとき」が入浴時間になり、毎日決まった時間に入浴や洗髪することは困難です。苦肉の策でボディーシートや洗顔シート、ドライシャンプーなどでしのぐパターンも多々。

    すると困るのが、朝シャンプーや朝シャワー、夜のメイク落としなど、決まった時間の入浴を日課としている人。

    私のようにまったく気にならないズボラもいれば、人前に出るなら必ずシャンプーをして髪を整えたいという人もいます。

    習慣が崩れたときの「不快」「気持ち悪い」「なんとなく調子が出ない」といった生理的・感覚的な問題は「我慢」では解決しません。不快感をまとったまま観光をしても、心の底からは楽しめないはず。

    先の調査でも「人と接する以上、風呂に入って清潔に保つのは最低限守るべきマナー」「さっぱりして一日を終えたい」という声がありました。

    快適に一日をスタートできる、あるいは終えられる習慣は人によって異なり、「後で温泉に行くからOK」では解決しない違和感がありそうです。

    人によって許容範囲の違う閉塞感や圧迫感

    キャンピングカー車内

    内装写真は立派に見えても、日本のキャンピングカーはあくまでクルマ。海外ドラマに出てくるトレーラーハウスのような居住性はなかなか実現しません。

    大人ひとり50cmで計算されているベッドは、同乗者に触れずに寝ることは困難です。ダイネットモードも同じで、人にぶつからずに車内を移動したり、荷物を取り出したりするのは難しいモデルがほとんどでしょう。普通車を含め、そもそも立ち上がれない、這って移動するしかないということも多いはず。

    キャンピングカー車内

    「狭さ」に関する許容範囲は人それぞれ。また、他人に侵入されて不快に感じる距離、いわゆるパーソナルスペースも人によって異なります。

    くたくたに観光を終えて拠点に帰着したあと、足を伸ばしたり、ストレッチをしたり、大きな湯船に浸かったり……そんな過ごし方はキャンピングカーではたしかに難しいところです。

    私の経験でも、1泊や2泊なら非日常の体験として楽しめることも、連泊になると「もうちょっと広かったらなぁ」「天井が低い」「閉塞感がある」という声が同乗者から聞こえ始めました。

    後日、聞いたところでも「何日かに一度は宿泊施設に泊まって疲れを取りたい」という感想が。車内で過ごすだけでなく、キャンプ場など車外にアウトドアリビングを設けられたら、また違ったかもしれません。

    万能の乗り物ではないキャンピングカー

    RVパークイメージ

    調査ではハイエースやアルファードが人気であるなど普通車ユーザーが多かったと思われますが、キャンピングカーがあるからといって、特効薬のように快適な車中泊が実現するわけではありません。

    車中泊をあまりしない同乗者や、これからキャンピングカーを購入する人に「快適だった!」と言ってもらえるため、どんな工夫が必要か自戒を込めて振り返りました。

    まずは気兼ねなく使えるトイレを備えた車中泊地をしっかり選定すること。やはりオートキャンプ場やRVパークは便利です。

    朝晩の決まった時間に入浴したい人なら、入浴施設への動線もしっかり確保しておくこと。理想的なのは湯YOUパークでしょう。通常、入浴料金が別途かかりますが、施設によってフリーパスのように何度も入浴できたり、ご厚意で朝に大浴場の洗面所を使わせていただけることもありました。

    イス・テーブル展開OKのRVパークやオートキャンプ場など、車外で過ごせる時間があれば閉塞感もだいぶ軽減するかもしれません。

    それでも眠れなかった、窮屈だった、と感じるならばおそらく車中泊は向いておらず、ホテル泊のほうが幸せな旅ができるタイプかもしれません。

    ちなみに車中泊をする理由でもっとも多いのは「宿泊費の節約」(33.2%)で、続いて「宿がなくやむを得ず」(27.0%)という結果だそう。そこから一歩進んで「楽しみのための車中泊」になると、向いているタイプや適性がありそうです。

    「日本トレンドリサーチとグーネット中古車による調査」実施主体はこちら

    私が書きました!
    フリーライター
    SAYA
    グルメ、トラベル、車中泊、クルーズなどの記事を執筆しているフリーライターです。バンコンタイプのキャンピングカーで全国を巡っています。太陽も昆虫も苦手なインドア派ですが、車中泊×観光の組み合わせに無限の可能性を体感中。車を拠点にした遊びの話題をお届けします。

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