山椒の実の入れ方や、ぬか床の日々のお手入れ方法も紹介
ぬか漬けが日々の食卓に並び始めて3か月。ぬか床の様子はとても興味深く、見て、触れて、嗅いで、 味わい、その日のぬか漬けの出来栄えを楽しむ喜びが増えました。
気温が高くなるにつれて微生物も活発になり、ぬか床内の菌の増殖や腐敗などが起こりやすくなってきます。その対策として、初夏のこの時期にやっておきたいのが、ぬか床に山椒の実を加える手仕事です。今回は、山椒の実の加え方、そしてぬか床生活で日々おこなってきた、お手入れ方法もあわせて紹介します。
イチから始めるぬか床づくりはこちらからご覧ください。
ぬか床に山椒の実を加えるワケ
山椒の実には抗菌、防腐作用があります。そのため、増殖しすぎた菌によってぬか漬けが酸っぱくなりすぎるのを防いだり、腐敗菌の増殖を抑制することができます。また、山椒の実を加えることで、ピリッとした辛味や爽やかな香りがぬか床をより深い味わいに育ててくれます。
【山椒の実の下処理の方法】
(1)太い枝を取り除きます。
(2)沸騰した湯に塩を入れ溶かしたら、山椒を入れてさっと湯通しします。
(3)湯を切り、水にさらします。
(4)冷水に5〜10分つけます。
(5)水けをよく切り、保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
山椒の実を加えるタイミング
2〜3か月に1度、小さじ1〜2程度(ぬか1㎏に対して)の量を加えます。足しぬかのタイミングなどで入れると良いでしょう。
山椒の実に含まれている抗菌作用は、良い菌の増殖も抑制させます。山椒の実を入れすぎると、良い菌も減ってしまうので気をつけましょう。
足しぬかの方法
足しぬかは、ぬかと塩と赤唐辛子を合わせたもの。ぬか床の水分が多くなりすぎたり、ぬかが減ってきたら足しぬかをします。ただ、水分が多くても、現状、食べておいしいぬか漬けであれば、足しぬかをする必要はないと思います。様子を見ながら焦らず見守ることを基本にしましょう。
【足しぬかの割合】1㎏のぬか床に対して
- 生ぬか(炒りぬか) 1カップ
- 塩 70g(ぬかの重量の7%)
- 赤唐辛子 2〜3本(種を取り除き小口切り)
※足しぬかを作り置きした時は必ず冷蔵庫で保存します。
足しぬかをしたら、2〜3日は野菜は入れず熟成するまでかき混ぜもお休みします。表面に白い産膜酵母が張ったら準備OKのサインです。
ぬか漬けがすっぱい
ぬか漬けは乳酸菌の塊なので、酸っぱいのは当たり前なのですが、酸っぱくなりすぎた時の対処法がいくつかあります。
- 漬ける時間を短くする
- かき混ぜる回数を増やす
- 冷蔵庫で保存して発酵を抑える
- 足しぬかをする
- 山椒の実を加える
など。まずは、自分がピン!ときたものから試してみてください。
ちなみに私がまず試した方法は、塩と米ぬかを足し、よくかき混ぜて2〜3日様子をみました。
それでも酸っぱいと感じたので、さらに米ぬかだけを足して冷蔵庫で保存したところ、翌日には改善しました。
ぬか床からシンナー臭がする
シンナー臭は、ぬか床が混ぜてほしいと発しているサインです。見て見ぬふりをしてやり過ごした時は必ずこの臭いを発しています。
しょっぱい、またはしゅわしゅわする
当たり前ですが、ぬか床の塩分濃度が高いと、しょっぱくなります。足しぬかをして、一旦捨て野菜をして様子をみましょう。
逆にぬか床の塩分濃度が低いと酵母が過剰発酵し、大量の炭酸ガスが発生してしまいます。食べて害はありませんが、”しゅわしゅわ”とした味のぬか漬けになります。対策としては、塩を足して3日から1週間ほど様子をみてみましょう。
冷蔵庫で保存しています
ぬか漬けは日々、味わいが変わります。現在、わが家のぬか床は発酵の進みが早いので、ほぼ冷蔵庫で保存しています。食材によって変わりますが、だいたい2〜3日ほどで食べ頃になります。ただ、ずっと冷蔵庫に入れたままでは、発酵の進みが悪く、ぬか漬け本来の美味しさが半減してしまっている気がするので、涼しい日などは室温に置いたり、ぬか漬けの味をみながら(酸っぱい時は冷蔵庫、漬かりが浅い時は室温など)調整しています。
山椒の実を加えたぬか床が、これからどんな味に育っていくのか今から楽しみです。少しずつ夏野菜が店頭に並び始めましたね。また、夏ごろおすすめの食材の漬け方などを、ご紹介ができたらと思っております。