初心者が日帰り登山する際の心構え
登山初心者が登山をする際の心構えを解説します。日帰り登山では、スケジュールに合わせた山選びが重要です。
日帰り登山の心構え
往復2~4時間で登れる山を選ぶ
登山初心者の場合、往復2~4時間で登れる山を選ぶのがおすすめです。事前にコース情報を調べ、日没前に下山できるよう当日のスケジュールを組みましょう。なお、インターネットで見つかるコースタイムには、休憩時間は含まれていないので、1~2時間程度は余分に見積もっておくのがポイントです。
登山者が多い山は、道が整備されており歩きやすい傾向にあります。もし疲れた場合には、山にロープウェイやケーブルカーがあれば積極的に利用するのがおすすめです。
初心者の場合、体力面だけでなく、登山そのものを楽しめるかどうかも重要です。一般的に人気の山で、景色がよいなど、登りがいを感じる山を選んでもよいでしょう。
登山に適した服装や持ち物を準備する
初心者の場合、初めから本格的な登山装備をそろえる必要性は高くありません。しかし以下の服装・持ち物は、最低限そろえてから登山に臨むべきといえます。
- 速乾性のTシャツ
- 長袖Tシャツ
- 防寒着・レインウェア
- 帽子
- スニーカーまたはハイキングシューズ
- 救急セット
登山の服装の基本は重ね着です。速乾性のTシャツの上に、体温を保つための長袖Tシャツや防寒着を着て、必要に応じて着脱して体温を調節します。
靴は、起伏が少なく、道が整備されている山ならスニーカーでもOKです。ただし滑りやすい場所を歩く際は、ソールが硬いハイキングシューズがあると安心です。いざというときのために、救急セットも忘れずに持っていきましょう。
関東のおすすめ日帰り登山スポット【首都圏】
まずは首都圏にある山で、日帰りにおすすめの7スポットを紹介します。都内からアクセスしやすく、初心者でも登りやすいコースが整備されている山ばかりなので、詳しく見ていきましょう。
首都圏のおすすめ日帰り登山スポット
高尾山(東京)
登山初心者にはもってこいの定番スポットです。新宿駅から京王線で1本という好アクセスで、車がなくても気軽に行けます。標高も599mと高くなく、メインコースである1号路は、1時間程度の休憩を挟んでも4時間程度で下山できるでしょう。
疲れたらケーブルカーに乗ることも可能です。薬王院をはじめとする観光スポットのほか、トイレや売店も整備されており子連れでも楽しめます。舗装された道が多く、登りやすい点もポイントです。
初心者向けの1号路を含む6つの自然研究路をはじめ、レベルに応じてさまざまな登山コースが用意されています。慣れてきたらより難易度の高いコースに挑戦するのもよいでしょう。
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御岳山(東京)
東京都青梅市にある、古くから霊峰と崇め奉られた山です。四季を通じてさまざまな自然の表情を楽しめるのが魅力です。アクセスはJR御嶽駅から、入り口であるケーブルカー滝本駅までバスで移動できるので、車がなくても行きやすいでしょう。車で出かける場合は、滝本駅の有料駐車場を利用できます。
所要時間はケーブルカーを使えば往復約4時間で、日帰りで登山が可能です。ケーブルカー御岳山駅には土産物屋や食事処があります。複数の滝や武蔵御嶽神社、大小さまざまの岩と清流が入り乱れるロックガーデンなど、見どころは満載です。
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三頭山(東京)
東京都西多摩郡檜原村にある、奥多摩三山の1つです。標高は1,531mで、初心者から中級者までのコースが用意されています。JR武蔵五日市駅からバスで「都民の森」バス停まで行き、三頭山登山口から歩き始めます。バス便が少ない時期は車でのアクセスが無難です。スタート地点から延びる道にはウッドチップが敷かれており、歩きやすくなっています。
山頂に向かう途中には、落差35mの三頭大滝があります。目の前に橋がかかっているので、間近で見られるでしょう。晴れた日には、山頂から富士山が見られます。所要時間は約3時間半で、日帰り登山にはちょうどよいでしょう。
冬であっても、軽アイゼンや市販の滑り止めなどの重装備をしなくても登れる点も魅力です。
●参考HP:「東京都檜原村 都民の森 コース紹介」
日和田山(埼玉)
登山漫画『ヤマノススメ』に登場したことでも知られる、埼玉県日高市にある山です。標高は305mと低く、高低差も小さいため初心者にぴったりでしょう。西武線高麗駅または武蔵横手駅から徒歩でアクセスできる点も、おすすめのポイントです。
途中で急勾配の岩場である男坂、迂回路の女坂に分岐しています。体力に自信がある人は、男坂にチャレンジしてもよいでしょう。麓には巾着田があり、ヒガンバナが全国的に有名です。ほかにも神社をはじめとする見どころが周辺には満載なので、登山と併せて計画を立てるのもおすすめです。
●参考HP:「西武鉄道で行くハイキングコース24選 日和田山」
宝登山(埼玉)
荒川に面した埼玉県長瀞町にある山です。秩父鉄道長瀞駅からアクセスできます。西武線と接続しているので、都内からも行きやすいでしょう。麓には、防火や盗難除けにご利益があるとされる宝登山神社があります。
山頂までは宝登山ロープウェイが設置されており、乗車すれば約5分で山頂に到着できます。普通に登る場合でも約4時間で往復できるため、体力やその日の予定に合わせて柔軟に計画を立てられるでしょう。
長瀞はライン下りやラフティングでも有名なため、ほかのアクティビティも併せて楽しむのがおすすめです。
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金時山(神奈川)
神奈川景勝50選の1つである足柄峠を含む、金太郎伝説の舞台となった山です。足柄峠を通るコースと金太郎伝説を訪ねながら山頂を目指すコースに分かれており、どちらも往復4時間程度で踏破できます。
足柄峠・金時山コースでは、万葉集の歌碑や足柄城址など、歴史的なスポットが目白押しです。金太郎コースは、金太郎が産湯を使ったといわれる夕日の滝や、金太郎の遊び石など、金太郎伝説にまつわるスポットを堪能できます。
アクセスについては、両コースのスタート地点である地蔵堂までバスが運行しており、比較的行きやすいでしょう。
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鋸山(千葉)
千葉県富津市にある鋸山は、山頂が歯のようにギザギザであることから名付けられています。標高は329mと低山にあたるものの、山腹の岩肌は険しく、登山気分をしっかりと味わえるでしょう。
主なコースは関東ふれあいの道コース・車力道コース・石の階段道コースの3つですが、関東ふれあいの道コースは土砂崩れにより、一部通行止めとなっています。
石の階段道コースは、ロープウェイを使ってショートカットできます。日本寺の境内には『地獄覗き』と呼ばれる断崖絶壁があり、スリルを味わいたい人にはおすすめです。電車でアクセスできる手軽さも魅力です。
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関東のおすすめ日帰り登山スポット【北関東】
北関東にある、日帰りにおすすめの登山スポットを4つ紹介します。首都圏から離れている分、より自然を感じるのにおすすめです。
北関東のおすすめ日帰り登山スポット
筑波山(茨城)
日本百名山に名を連ねる登山スポットです。『西の富士、東の筑波』と称され、富士山と肩を並べていますが、標高は1,000mもなく、富士山とは異なり初心者でも登りやすいコースが用意されています。
さまざまな登山路が用意されており、最短約60分で周遊できる手軽さが魅力です。筑波山は男体山と女体山に分かれており、どちらを目指すかによってコースが決まります。とはいえ、どちらも道はつながっているので、行きと帰りで別のコースを通ることも可能です。
男体山・女体山それぞれにケーブルカー・ロープウェイが用意されているので、疲れたときも安心です。
参考記事▼
那須岳(栃木)
標高1,915mと低山とはいいがたいものの、ロープウェイで9合目まで到達できるので、初心者でも十分に登ることが可能です。その手軽さから、登山客だけでなく観光客も多く訪れています。日本百名山に数えられ、紅葉シーズンは山全体が赤く染まる様子を見に、多くの登山客・観光客が足を運びます。
那須岳の主峰である茶臼岳の標高1,500m以上にはトイレがないため、登山前に済ませておきましょう。また茶臼岳は風が強く、ロープウェイが運休になるケースもあります。天候の変化には十分に気を配り、状況に応じて早めの下山を検討することが重要です。
参考記事▼
日光白根山(群馬・栃木)
標高2,578mと関東以北では最も標高が高いですが、標高2,000m付近までロープウェイで登れるため、初心者でも登りやすい山といえます。優れた景観と豊富な高山植物を擁するため、日光国立公園の特別保護区に設定されています。
コースはいくつかに分かれていますが、いずれも所要時間は約5時間程度で、首都圏から向かうなら朝早くの出発がおすすめです。東武日光駅からのアクセスが便利なので、温泉旅行と併せて行くのもよいでしょう。
なお登山の際には、登山届を提出する必要があります。登山届はオンラインでの提出も可能です。
参考記事▼
谷川岳(群馬)
新幹線を使えば、東京から2時間強で行けるアクセスのよさが魅力です。日本百名山の1つで、標高は2,000m弱ですが、地勢と気象は3,000m級の山に匹敵するとされています。
コースは主に2つに分かれており、このうち初心者におすすめなのは一ノ倉沢トレッキングコースです。所要時間は約2時間半、高低差は約307mと比較的負担の少ないコースですが、谷川岳の見どころである一ノ倉沢をしっかり堪能できます。
もう少しチャレンジしてみたい人は、一ノ倉沢からさらに伸びるサブコースに足を延ばすのもおすすめです。
●参考地図:みなかみ町観光協会「谷川岳山頂登山コース」
まとめ
関東には日帰りで行ける登山スポットが数多くあります。日帰りなら荷物も少なく済み、電車を使えば帰りに疲れてしまってもそれほど心配する必要がありません。登山の難易度やアクセスから、チャレンジしやすい山を見つけましょう。
ただし日帰り登山といっても、最低限の服装や荷物はそろえておく必要があります。初心者向きだからといって甘く見るのではなく、しっかり準備をした上で登山に臨みましょう。