榛名山とはどんな山?
榛名山を初めて知る人に向けて、榛名山がどのような山なのかを解説します。登山難易度やアクセス情報も確認しましょう。
榛名山とは
群馬県にある上毛三山の1つ
榛名山は群馬県高崎市にある、上毛三山の1つに数えられる山です。上毛三山とは榛名山・赤城山・妙義山の三つの山の総称で、県の紋章にも用いられているほど地元の人々に親しまれています。
榛名山は7世紀まで噴火が起こっていた火山で、古くから山岳信仰の対象でした。榛名山は掃部ヶ岳・杏ヶ岳・相馬山・水沢山などから構成されており、最高峰は掃部ヶ岳です。
麓にはカルデラ湖である榛名湖があり、登山だけでなくウォーターアクティビティなども楽しめます。また周辺には温泉地もあり、多くの人が訪れる群馬でも有数の観光スポットです。
榛名山の登山難易度
榛名山の登山難易度は、初級~中級程度といえます。登山道が整備されている箇所もあり、初心者でも比較的登りやすいでしょう。
往復2時間程度で踏破できるコースから、榛名山の周辺10km程度の道のりを縦走するタフなコースまで用意されています。ロープウェイを使って移動できる箇所もあるので、自分の体力や登山経験に合わせてコースを選べるでしょう。
ただし一部に足場の悪い場所もあるので、最低限の服装や装備は用意しておく必要があります。
榛名山のアクセス情報
榛名山には、電車や車でのアクセスが可能です。車で訪れる場合は、関越自動車道高崎ICから約60分の道のりです。榛名湖畔に無料の駐車場があります。
電車で行く場合は、JR高崎駅からバスに乗り、終点『榛名湖』で下車しましょう。バスの乗車時間は約90分です。出発地点にもよりますが、移動時間には少なからぬ時間がかかると考えられます。
日帰りでの登山や、下山後のアクティビティを検討している人は、早朝の出発も検討しましょう。
榛名山の魅力
榛名山は地元の人からも親しまれ、観光客からも人気のスポットです。そんな榛名山の魅力を3つピックアップして紹介します。
榛名山の魅力
初心者でも登りやすい
榛名山は標高1,449mと低山とはいい難いものの、初心者でも登りやすい山といえます。スタート地点が標高1,000m程度であり、実質の高低差は数百m程度のためです。
さらに榛名山には、山頂まで続くロープウェイがあります。ロープウェイを使えば、山を登らなくても山頂まで到達できるため、子ども連れや体力に自信がない人でも十分楽しめるでしょう。往路は徒歩で登り、疲れたら復路でロープウェイを使うという手もあります。
さらに往復2時間程度で踏破できるコースがいくつか存在するので、標高のわりに登山入門に向いている山なのです。
榛名湖に映る逆さ榛名富士は名物
晴れた日には榛名湖に榛名山が映る、『逆さ榛名富士』を見られる場合もあります。風がなく、湖面が鏡のように反射していたら、逆さ榛名富士を見るチャンスです。
榛名山は左右対称に近い形をしており、『榛名富士』の異名を付けられるのも納得できる景観のよさを誇ります。逆さ榛名富士が出現したら、湖面と榛名富士が入るようにシャッターを切りましょう。
また10月や11月の紅葉シーズンには、紅葉と逆さ榛名富士が見事な景観を作り出します。自分だけのベストフォトスポットを探してみましょう。
周辺スポットが充実している
榛名山には、登山以外にも楽しめるスポットが満載です。まず榛名山を登っていると、榛名神社があります。榛名神社は約1,400年もの歴史を誇り、関東でも有数のパワースポットとしても有名です。
また榛名湖周辺では、毎年8月上旬には花火大会が、12月にはイルミネーションが開催されます。花火大会では約3,000発の花火が打ち上げられ、見ごたえは抜群です。
イルミネーションには50万球以上の電球が使われます。実際にイルミネーションの中に入ったり、ロープウェイに乗って上空から眺めたりと、幻想的な雰囲気を味わえるでしょう。
ほかには、榛名湖で手漕ぎボートやスワンボート、モーターボートのツアーなどが楽しめます。
榛名山の3つの登山コース
榛名山を登るに人に向けて、おすすめの登山コースを3つ紹介します。自分の体力やレベルに合わせて、無理のないコースを選びましょう。
おすすめの登山コース
榛名富士コース
榛名山のコースの中で、最もスタンダードなコースです。榛名山登山口からスタートし、まっすぐ山頂を目指すルートで、山頂までの所要時間は約45分です。歩行距離は約2.5km、往復約1時間半で踏破できるため、初心者でも無理なく登れるでしょう。
榛名富士コースには、麓と山頂を結ぶロープウェイが運行しています。ロープウェイを使えば、約3分で山頂まで到着できます。時間に制限がある場合や、ほかのアクティビティも経験したい場合は、ロープウェイを利用すれば大幅に時間を節約できるでしょう。
山道にも特に危険な箇所はなく、子連れで登山する人もいます。道中には榛名神社があるので、参拝するのもおすすめです。
掃部ヶ岳コース
掃部ヶ岳を目指すルートです。車で行く人は高崎市営駐車場から、公共交通機関で行く人は吾妻荘前バス停からのスタートが便利です。道中にはトイレや小屋がないため、登山前に済ませておきましょう。
途中の硯岩からは、榛名富士と榛名湖に映る逆さ榛名富士の絶景が堪能でき、絶好のフォトスポットです。登山道は階段状に整備されていますが、階段は長く続くので少々タフといえます。
所要時間の目安は往復約2時間です。体力に自信のある人は挑戦してみましょう。
烏帽子岳コース
榛名富士の隣にある、名前の通り烏帽子のような形が特徴的な山を登るコースです。コースの序盤には鳥居が並んでおり、日本らしさを感じながら登れます。ただし鳥居は低いので、頭をぶつけないように注意しましょう。
コース前半は緩やかな傾斜が続きますが、分岐点を越えたあたりから坂がきつくなります。山頂は展望に乏しいですが、少し進むと榛名富士と榛名湖を望めます。
所要時間は約1時間半ですが、足腰をしっかりと使うコースです。短時間で本格的な登山をしたい人は、挑戦してみましょう。
榛名山を登山するときの服装・持ち物
榛名山を登山するときに適した服装や持ち物を解説します。初心者向けのコースでも、アウトドアに適した服装を用意する必要があります。それぞれ見ていきましょう。
服装や持ち物
服装は速乾性の高いシャツに防寒着を重ねる
榛名山の登山に適した服装は、以下の通りです。
- 速乾性のTシャツ
- 長袖シャツ
- トレッキングパンツ
- レインウェア
- 登山靴またはハイキングシューズ
- 帽子
比較的手軽に登れる山のため、そこまで本格的な装備は必要ないでしょう。登山の服装の基本である重ね着をし、必要に応じて着脱して体温調節ができるようにします。
山は天気が変わりやすいので、夏でも急な雨によって冷える可能性があります。そのため、夏であってもウィンドブレーカー程度の防寒着を持っていくと安心です。
持ち物は登山の基本装備でOK
榛名山を登る際の持ち物は、一般的に登山で必要とされるもので十分といえます。具体的には以下の通りです。
- リュック
- 水(飲み物)・行動食
- 雨具
- 地図
- 救急セット
- タオル(手ぬぐい・バンダナ)
- モバイルバッテリー
特に水・飲み物は必須アイテムといえます。短時間だからといって油断せず、出発前にコンビニや売店で買っておきましょう。タオルは汗を拭いたり、ちょっとした傷の手当てに使えます。首に巻きながら歩くのもおすすめです。
地図はスマートフォンの地図アプリと、紙の両方を持っていくとよいでしょう。万が一スマートフォンの充電が切れた場合のために、『山と高原地図』などの紙の地図があると安心です。
榛名山のおすすめ周辺スポット
榛名山には、先に紹介したもの以外にもおすすめのスポットが満載です。榛名山と一緒に訪れたいおすすめのスポットを2つ紹介します。どちらも目いっぱい楽しむなら、日帰りでは足りないかもしれません。
おすすめ周辺スポット
榛名湖オートキャンプ場
榛名湖から榛名山を挟んだ反対側にあるキャンプ場です。子どもやファミリーに優しいキャンプ場をコンセプトに、ファミリー層にとってうれしい設備を充実させています。
おむつ替えシートやウォシュレットトイレ、キッズコーナーの設置など、子どもが退屈・不便を感じないための設備がそろっています。
キャンプサイトにはテントサイトだけでなく、バンガローも用意されているので、テントを持っていなくても宿泊が可能です。センターハウス内にはコインシャワーも設置されているので、登山でかいた汗も流せます。
子ども向けのネイチャークラフトも用意されているため、榛名山を訪れる際はぜひチェックしておきたいスポットです。
伊香保温泉
榛名山の麓には、伊香保温泉があります。電車や車だけでなく、都心からの高速バスも運行しています。伊香保温泉で一泊してから、榛名山を登るといったスケジュールもおすすめです。
伊香保温泉がある渋川市だけでも、単純温泉から塩化物泉、硫酸塩泉までさまざまな泉質を楽しめます。日本三大うどんである水沢うどんをはじめとするグルメや、遊園地や美術館といったレジャー施設も充実しています。子どもも一緒に楽しめるスポットです。
まとめ
榛名山は群馬県を代表する山の1つであり、上毛三山の一角を占める名山です。標高は1,000mを超えますが、登る高さは実質的に低山級であり、初心者でも挑戦しやすくなっています。
榛名湖をはじめ、周辺スポットが充実している点も、おすすめポイントの1つです。調べてみると、日帰りでは足りないくらいの見どころが見つかるでしょう。
どのスポットも子どもでも楽しめ、ファミリー層にもおすすめです。この週末は榛名山に登り、家族の思い出を作ってみませんか。