連載【漕いで、釣って、食べて】カヤックフィッシング奮闘記Vol.32
これまでカヤックで様々な魚種を狙ってきたが、今回はヒラメ釣りに挑戦してみることにした。ヒラメの釣り方にはいろいろあって、ルアーでも釣れるが、圧倒的に餌の方が有利だという。遊漁船では生きたイワシをそのまま仕掛けにつけて、それを捕食するヒラメを狙う「泳がせ釣り」が一般的だが、カヤックではイワシの群れを見つけるのも一苦労なので、イワシの代わりにキスを餌にすることにした。
キスなら砂地にいるし、ヒラメもまた砂地を好むから、同じ場所で釣りができる。ただし、キスもヒラメも海底にへばりついているため、魚探には映らない。リスキーではあるが、チャレンジしてみる価値はある。というわけで、4月12日、逗子から出航。目指すは葉山沖、水深10メートル前後の海底が砂のポイント。
まずは餌となってくれるキスをアオイソメで狙う。これは『以前』にやった釣り方と同じ。海底に仕掛けを落とし、ずるずる引いてくるだけ。初心者でも楽に釣れる。はずが、しばらくやってもまったく反応がない。少しポイントを移動してみるが、結果は同じ。時間ばかりが過ぎていく。まさか、キスが釣れないとは。そこから? という状態に。
朝7時半頃からはじめて、気がつけばお昼を過ぎている。その間、何も釣れず。ありえない展開に。このままではまずい、しかしまず餌が釣れてくれないことには、ヒラメは狙えない。と、ここでようやく竿先にクンクンという当たりが! やっと来たか、と喜んだが、あがってきたのはキスではなく、メゴチ。