【初心者向け】高尾山のコースごとの登山時間
高尾山には複数の登山コースがあります。ハイキング感覚から本格的な登山まで、自分のレベルにあわせて選べるのが魅力です。まずは登山初心者向けの3コースを紹介します。
登山初心者向け3コース
1号路は登り約100分・下り約80分
1号路は初心者におすすめのコースです。ケーブルカーやリフトを使えば、登りにかかる時間を約60分短縮できます。足腰に自信のある人は麓から歩いてみるのもよいでしょう。途中には新宿方面が見渡せる展望台・金毘羅台もあります。
高尾山駅(ケーブルカー)から山頂までは約40分です。登り始めるとすぐに『さる園』や御神木としてあがめられている『たこ杉』があります。『たこ杉』はその名の通り、根がたこの足のように曲がりくねった杉の巨木です。高さは約24.5m、樹齢450年以上といわれています。
3号路や4号路に分岐する浄心門を過ぎると道は男坂と女坂に分かれます。男坂は108段の階段、女坂は坂道になっているので、体力と相談してどちらから登るか選びましょう。男坂と女坂は『ごまどころ権現茶屋』の前で合流します。
杉並木を抜けて薬王院まで来れば、20分ほどで高尾山山頂です。
参考:高尾登山電鉄「登山コース全図」
3号路は登り約60分・下り約50分
1号路の途中にある浄心門の手前から左に入り、杉やモミの木といった常緑樹林の中を行くコースです。1号路よりも空いていることが多いので、緑豊かな自然を楽しみながら登りたい人に適しています。高尾山駅からの所要時間は約60分です。
道は比較的なだらかですが、1号路とは異なり舗装はされていません。道幅も狭く、階段が続く箇所や木橋もあるので、靴は登山靴など滑りにくいものにしましょう。また、等高線に沿っているため道がジグザグで、後半は急な登りになります。歩いてみると実際の距離より長く感じられるかもしれません。
休憩できるベンチのある『かしき谷園地』を過ぎると、薬王院から続く道に合流できます。左の道を進めば山頂です。
4号路は登り約50分・下り約40分
4号路はブナやカエデといった落葉広葉樹の森を抜けるコースです。3号路同様、浄心門から分岐しています。写真スポットとして人気があり、利用者も多めです。
浄心門手前を右に入り、いったん下りになる道を進むと、4号路の通称『吊り橋コース』の由来である吊り橋『みやま橋』が見えてきます。道は比較的緩やかですが、幅が狭く階段も多いのでしっかりした靴がおすすめです。特に下りは滑りやすいので注意しましょう。
日影沢キャンプ場からスタートする『いろはの森コース』との分岐点を過ぎると、道の傾斜はややきつくなります。最終的には1号路と5号路に合流する、山頂直下のポイントに出られます。登りの所要時間は約50分です。
【経験者向け】高尾山のコースごとの登山時間
高尾山には山歩きや登山の経験がある人向けのコースもあります。山頂へ至る道はやや難易度が高めですが、手つかずの自然や小川・滝などを楽しめるのが魅力です。
経験者向け3コース
6号路は登り約100分・下り約80分
6号路は沢沿いに登っていくことから『水のコース』という別名があります。沢は多摩川の源流の一つとされる案内川の支流です。清らかな水の流れに癒されながら山歩きを楽しめるでしょう。また途中にある滝の名から『琵琶滝コース』とも呼ばれます。
6号路はケーブルカーの『清滝駅』脇からスタートします。山頂までの所要時間は約100分です。
沢沿いに進むと、現在も滝行の場とされている『琵琶滝』があります。道幅が狭く、沢を渡る飛び石付近は崖になっているなど難易度はやや高めですが、見どころの多いコースです。
稲荷山コースは登り約100分・下り約80分
高尾山の登山コースの中でも、最も本格的なコースです。他のコースと合流したり交差したりすることなく、山頂を目指せます。所要時間は約100分です。
ケーブルカー『清滝駅』のすぐ横から入山できます。道幅は広めですが、尾根道のため木の根が張り出していたり、デコボコしたりしているところもあります。特に雨の日や雨上がりはぬかるみやすいので注意が必要です。下りの際にも滑らないよう気をつけましょう。
コースの途中には展望台があり、東京都心方面の眺望が楽しめます。休憩スペースはありますが、コースの途中にトイレはないので出発前に済ませておきましょう。
高尾山・陣馬山コースは約5時間20分
複数の山を尾根伝いに踏破することを『縦走』といいます。高尾山と景信山、陣馬山を結ぶ縦走コースは、経験が浅い人でも挑戦しやすいと人気です。
高尾山にはケーブルカーやリフトがあり、疲労が激しい場合は下山に利用できるというメリットがあります。そのため陣馬山からスタートし、景信山を経て高尾山をゴールに設定する人も少なくありません。また陣馬山からは、自分の経験や体力にあわせて選べる四つの登山コースが用意されています。
縦走初心者向けとはいえ、登山に必要な装備をそろえ、全ての荷物を背負って歩かなくてはならないため、楽とはいえないでしょう。全行程は15km以上で、高低差もあります。しかしその分、踏破したときの達成感や、縦走の途中で見られる高みからの景色には格別なものがあるはずです。
高尾山を登るときの服装・持ちもの
高尾山はコースによって道の状態や難易度が異なります。自分が登るコースにあわせた服装や持ちものをそろえることが、高尾山を楽しむポイントです。
準備のポイント
服装はコースによって変えよう
1号路の場合、特別な服装や装備は必要ありません。ケーブルカーの高尾山駅から山頂手前の薬王院までの道は舗装されているため、動きやすい普段着とスニーカーというスタイルで十分です。ただし薬王院から先は階段や未舗装の道になるので、ヒールやサンダルは避けましょう。
1号路以外のコースは、道のほとんどが舗装されていない上、林の中を歩いていくのでケガや虫刺されの恐れがあります。長袖・長ズボンにトレッキングシューズやトレイルランニングシューズがおすすめです。
急に天候が変化した場合に調節できるよう、重ね着するとよいでしょう。吸湿性・吸汗性のある素材のものなら、汗をかいてもべたつかず体も冷えにくいので便利です。
高尾山に持っていくべき持ちもの
高尾山には休憩所や自動販売機もありますが、歩きながら食べられるチョコレートや飴、水分補給のための水筒は必須です。特に1号路以外のコースを歩く場合は、途中で購入するのが難しいため必ず持っていきましょう。
レインウェアや帽子も必需品です。レインウェアは雨具としてだけでなく、風の強い日や急に気温が下がったときなどに防寒用としても使えます。帽子は日差しの強い時期はもちろん、秋冬の天気のよい日にも重宝します。
汗を拭くタオルやゴミを持ち帰るためのビニール袋、ウェットティッシュもあると便利です。かばんは持ち運びしやすく、両手が自由に使えるリュックが適しています。
高尾山のおすすめスポット・名物
高尾山は観光地としても有名です。山歩きとあわせて、おすすめスポットや高尾山でしか味わえないグルメなどを堪能しましょう。
高尾山に行くなら外せない観光スポット・グルメ
高尾山薬王院
高尾山山頂の手前にある薬王院には1200年以上の歴史があり、真言宗智山派三大本山の一つとして知られています。戦国時代には武将たちの守護神としてあがめられた『飯縄大権現(いづなだいごんげん)』が本尊です。
高尾山は古くから天狗信仰も盛んでした。天狗が飯縄大権現の眷属とされているためです。薬王院の境内にも、天狗のイメージそのままの鼻高天狗や、羽とくちばしのある烏天狗などの姿があちこちに見られます。
また、縁結びにご利益のある『愛染堂』や『倶利伽羅龍』、輪をくぐりながら祈願する『願叶輪潜(ねがいかなうわくぐり)』などの開運スポットも人気です。
高尾山ビアマウント
ケーブルカー『高尾山駅』すぐの場所にある展望レストラン&ビアガーデンが、高尾山ビアマウントです。標高約488mから眺める都心部の絶景で人気があります。
地元・八王子の野菜を使ったサラダや名物の八王子ラーメン、八王子ナポリタンをはじめとするさまざまな料理やフルーツ、デザートのほか、ビールや日本酒などのメニューが豊富です。年齢別の一定料金で、2時間たっぷり楽しめます。天然素材のグリルを使用したバーベキューのオプションもあります。
営業期間は限られていますが(2023年は6月15日〜10月15日 )、高尾山を訪れたらチェックしたいスポットの一つです。
高尾山名物「天狗焼」
天狗焼は烏天狗の顔をモチーフにした、高尾山名物のスイーツです。もっちりした皮に北海道産の黒豆あんがぎっしり詰まっています。1個200円というリーズナブルな価格も魅力です。
食べ歩きやお土産に大人気ですが、購入できるのはケーブルカー『高尾山駅』からすぐの『高尾山スミカ』だけです。一度に購入できるのは12個までと個数制限もされています。ハイシーズンには行列ができる場合も多く、2023年には混雑緩和のために券売機も導入されました。
高尾山のアクセス・営業時間情報
「高尾山に行ってみたい!」という人のために、主なアクセス方法やケーブルカー・売店・周辺施設の営業時間を紹介します。高尾山自体は24時間入山できますが、より便利に楽しみたい人は要チェックです。
高尾山に行く前に要チェック!
高尾山へのアクセス方法
高尾山は都内から日帰りも可能です。新宿から高尾山へのアクセスは、JR中央線と京王線の2路線があります。JR中央線なら高尾駅までの所要時間は特別快速で約44分、快速なら約58分です。ただし、高尾駅で京王線に乗り換えなければなりません。京王線なら、新宿から高尾山口駅まで直通で、所要時間は最速約47分です。
車の場合、高尾山へは圏央道高尾山インターチェンジを降りて新宿方面へ約5分です。しかし、高尾山を車で登ることはできません。京王線高尾山口駅周辺の駐車場や、インターチェンジから約1kmの場所にある高尾山薬王院祈祷殿駐車場などに停めて、徒歩で登るかケーブルカーを利用しましょう。
ケーブルカーや売店・周辺施設の営業時間
清滝駅と高尾山駅を結ぶケーブルカーは、15分間隔で運行しています。所要時間は約6分です。始発時刻は1年を通じて午前8時ですが、終発時刻は季節や曜日によって異なるので注意しましょう。
山麓駅・山上駅間のリフトは午前9時始発、所要時間は約12分です。終発時刻はケーブルカー同様、季節や状況によって変わります。
高尾山のグルメを味わったりお土産を購入したりできる売店は、高尾山駅と清滝駅にあります。
- 高尾山駅:『高尾山スミカ』営業時間10:00~16:30(冬期は16:00)
- 清滝駅:『売店やまゆり』営業時間9:00 ~ 16:00
どちらも基本的に年中無休ですが、天候によって臨時休業の可能性があるので注意しましょう。
まとめ
高尾山は初心者から経験者まで、幅広い層が楽しめる登山スポットです。体力にあわせて選べる複数のコースは、約1~2時間で山頂に到達できるだけでなく、それぞれに見どころがあります。展望台からの都心部の眺めや四季折々の植物、豊かな自然など、訪れる度に発見があるでしょう。
また、高尾山は観光地としても魅力的です。パワースポットや高尾山でしか味わえないグルメなど、山歩きとあわせて楽しめます。