滋賀県大津市に生まれ、自然と人の関わりを里山という概念を通して撮影し続けてきた写真家の今森光彦氏。彼の新刊写真集2冊が、この夏に刊行される。
2つのタイトルは、これまでの代表的な作品を網羅した里山の決定版写真集『里山-生命の小宇宙-』と、延べ8年に及ぶスカラベ(フンコロガシ)の徹底取材を詰め込んだ写真集『スカラベ』だ。
里山の自然を撮影する写真家・今森光彦氏とは?
今森光彦氏は独学で写真を学び、1980年代からフリーランスとして活躍。第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞、地域文化功労者文部科学大臣表彰をはじめ、数々の賞を受賞している。
1992年に、写真雑誌『マザー・ネイチャーズ』夏号で「里山物語」を発表して以後、滋賀・仰木地区の琵琶湖を望む田園風景の中にアトリエを構え、自然と人の関わりを里山という概念を通して撮影し続けている。
近年は、環境農家、ガーデナー、里山環境プロデューサーとしても活動中だ。
この夏に読みたい渾身の2冊
今回発売される写真集の内容を紹介しよう。
美しい自然を再発見できる写真集『里山-生命の小宇宙-』
「里山-生命の小宇宙-」は、今森氏が約半世紀見つめ続けてきた里山の代表的な作品を網羅した決定版の写真集。彼の言葉とともに、ゆるやかに四季を追う。未来に贈りたい美しい自然を再発見できる1冊だ。
B4変形 / 228頁 / 並製/オールカラー
ISBN: 978-4-909532-98-5 C0072
定価:3,300円(税込)
2023年7月21日(金)頃発売予定
ファーブルが研究に没頭した昆虫の写真集『スカラベ』
古代エジプトでは太陽神として崇められ、日本では「フンコロガシ」と呼ばれるスカラベ。今年生誕200年を迎えるジャン・アンリ・ファーブルが情熱を傾けて研究に没頭したことでも有名な昆虫だ。
この生物を、今森氏は延べ8年にわたり徹底的に取材。驚くべき生態を詳細に解説し、彼のライフワークを詰め込んだ渾身の一冊となっている。
B4変型 / 168頁 / 上製 / オールカラー
ISBN: 978-4-911003-00-8
定価:3,960円(税込)
2023年7月28日(金)頃発売予定
2023年の夏は今森氏の作品と出会う絶好の機会
さらに、この夏は今森氏の作品に出会える展覧会が、滋賀県と東京都で開催される。
里山における水の循環を、生命の循環とともに写しとった作品が展示される企画展「今森光彦 里山 水の匂いのするところ」(滋賀県立美術館)と、地球上の小さな生命・昆虫の不思議な世界を旅する写真展「ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念 今森光彦の地球昆虫紀行」だ。
これらの展覧会に合わせて、グッズがプレゼントされたり、版画の特別販売が行われたりするキャンペーンを実施するなど、今森氏の世界を存分に楽しめるコンテンツが盛りだくさんとなっている。
写真集を眺めたり、美術館で過ごしたりしながら、里山や昆虫たちに思いをめぐらす夏休みの時間をとってみてはどうだろうか。
「今森光彦 里山 水の匂いのするところ」
会期:~9月18日(月・祝)
休館日:毎週月曜日(ただし祝日の場合には開館し、翌日火曜日休館)
開場時間:9:30~17:00(入場は16:30 まで)
会場:滋賀県立美術館 展示室3
観覧料:一般 1,200円/高校生・大学生800円/小学生・中学生600円
※20名以上の団体割引あり、展示室1・2で同時開催している常設展も観覧可
URL:https://www.shigamuseum.jp/exhibitions/5463/
「ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念 今森光彦の地球昆虫紀行」
会期:2023年7月28日(金)〜8月24日(木)
開場時間:10:00~19:00(最終日は14:00まで、入館は終了10分前まで)
※会期中無休
会場:フジフイルム スクエア内、富士フイルムフォトサロン 東京 全スペース
〒 107-0052 東京都港区赤坂9丁目7番3号(東京ミッドタウン・ウエスト)
TEL 03-6271-3350
観覧料:無料
URL: https://fujifilmsquare.jp/
▶展覧会の詳細はこちら
琵琶湖をとりまくすべての自然と人との関わりがテーマの写真家・今森光彦氏、滋賀&東京で展覧会開催