いよいよ夏本番。海や山へ自然を満喫しに行く人も多くなる季節ですが、アウトドア派の中で「日焼け止め」を塗る習慣がある人はまだ少数。真夏の強い日差しの中、紫外線を浴び続けると、のちのち、肌や髪に大きなダメージが現れることになります。5年後、10年後に後悔しないためにも、「日焼け止め」を塗る習慣をぜひ身につけるほしいです。
そして、大自然の中に身を置くアウトドア派なら環境にも配慮した製品を選びたいですよね。
ということで、毎月100以上の新作コスメを試している美容エディターが、アウトドア派におすすめの肌と環境のためにセレクトしたい日焼け止めをご紹介します。
突如肌に現れるシミやシワ…、その原因は紫外線!
照りつく日差しの中、キャンプ場で汗を流しながらバーベキューの準備をしたり、川辺で水遊びを満喫したりするのが、夏のアウトドアの醍醐味ですよね。そんなアウトドア派のみなさま、どうか、炎天下では「日焼け止め」を塗る習慣をつけてください。日焼けによるヒリヒリや皮むけを予防するためでもありますが、未来の肌のために日焼け止めは不可欠なのです!
ところで、肌の老化には大きく分けて「自然老化」と「光老化」のふたつがあります。「自然老化」は、年齢とともに起こる加齢変化で、誰にでも起こるも。一方「光老化」は、日光(紫外線)を浴びることで引き起こされる、シミやシワ、たるみといった肌の変化のこと。
どうして日焼け止めを塗らなくてはならないかといいますと、肌の老化の原因のおよそ8割が紫外線によるものだといわれているからです(つまり、年齢による老化はわずか2割ということ)。
その証拠に歳をとっても、あまり紫外線を浴びていないお尻や太ももの内側の皮膚はシミや深いシワがなく、白く柔らかいですよね。
もうひとつ、紫外線が老化の原因となる証拠写真を掲載しておきます。
28年間トラックの運転手をしていたアメリカ人の男性の画像ですが、アメリカで左ハンドルを運転していた彼は、長期にわたり左側の窓から差し込む紫外線を浴び続けた結果、左側だけに深いシワ、シミ、たるみなどの老化が現れたのだとか。ちなみに肌老化だけでなく、紫外線は皮膚がんの要因にも…。紫外線を浴びることの恐ろしさは伝わったでしょうか?
アウトドアで使用する日焼け止めの選び方ポイント
1:パッケージのSPFとPA値をチェック
日焼け止めを選ぶ際に、まずチェックしてほしいのがパッケージに表示されている「SPF」と「PA」値。
「SPF」は「Sun Protection Factor」の略。表皮に影響を及ぼす紫外線B波(UVB)を防御する指標です。紫外線B波は、肌に赤みやヒリヒリなどの炎症を起こし、メラニンを増加させ、シミやシワの原因になります。数字が大きいほど紫外線B波を防ぐ効果が高く、SPFが50を超える場合は「50+」と表示されます(つまり最高値はSPF50+)。アウトドアシーンでは最低でもSPF30以上の製品のセレクトをするのが正解です。
続いて「PA」ですが、こちはら「Protection Factor for UVA」の略で、真皮まで届く紫外線A波(UVA)を防御する指標です。紫外線A波は、肌をだんだんと黒くし、シワやたるみの原因となる怖い光。こちらも「+」の数が多いほど防止効果が高く、最高値は「PA++++」。アウトドアシーンではなるべくPA値の高いものを選びたいところ。
2:肌や環境に負荷が少ないものを
石垣島や宮古島、オーストラリアのグレート・バリア・リーフなどで問題になっている珊瑚の白化現象。その原因は、地球温暖化による海水温度の上昇だけでなく、日焼け止めに入っている成分にもあるといわれています。その問題の成分が「紫外線吸収剤」。
紫外線を吸収して、化学的に熱や赤外線のエネルギーに変化させて放散することで、紫外線が肌に届かないようにしています。その中で「オキシベンゾン(別名ベンゾフェノン-3)」と「オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、メトキシケイヒ酸オクチルなど)」のふたつの紫外線吸収剤を使用した日焼け止めは、ハワイやパラオ、カリブなどでは販売禁止に。
パッケージ裏面の成分表示をチェックして、それらの成分が配合されていない日焼け止めのチョイスを。
「紫外線吸収剤」が配合されていない日焼け止めは「紫外線吸収剤不使用」「紫外線吸収剤フリー」「ノンケミケル」と表示されていることが多いので、ぜひセレクトの基準に。
美容エディターが厳選! アウトドアにおすすめの3タイプの日焼け止め
少々前置きが長くなりましたが、上記の条件を兼ね備えた日焼け止めをご紹介したいと思います。
左/スプレータイプ
スプレータイプの日焼け止めは、手を汚さずに手軽に素早く塗布できるところが魅力。日焼け止めが汗などで落ちてしまった場合のつけ直しにもおすすめ。
肌との親和性が高いみどりまゆシルク成分(加水分解セリシン)が、潤いを保ちながら紫外線A波・B波をしっかりカットして肌をガード。しかも汗や水に強いウォータープルーフタイプなのでアウトドアシーンにもってこい。とても細かなボディだけでなく、髪や顔にも使用可能。ただしガス入りなので、高温になる車の中や炎天下に置きっぱなしにするのは避けましょう。
Itoguchi みどりまゆ BODY&HAIR モイストUVスプレーSPF50+/PA++++ 60g 2,420円(税込)
中/ミルクタイプ
日焼け止めのなかでもっとも一般的なミルクタイプは、肌に密着しやすいので日焼け止めの効果をしっかり発揮できる。
こちらは製薬会社の皮膚科学研究に基づき誕生した、肌のバリア機能を守る敏感肌用日焼け止め。敏感肌でも安心して使えます。生後6か月以上の赤ちゃんにもOK。さらっとしたテクスチャーでスッと肌にのび広がり、白くならないところもうれしい。アウトドアシーンにはもちろん、日常使いでも重宝しそう。さらに汗や水に強いウォータープルーフと高機能。
第一三共ヘルスケア ミノンUVマイルドミルク〔医薬部外品〕SPF50+/PA++++ 80ml ¥1,760(編集部調べ・税込)
右/トーンアップタイプ
ベースメイクをする人や、肌をきれいに見せたい人に取り入れてほしいのが、トーンアップ(肌を明るく見せる)効果があり、化粧下地にもなるタイプの日焼け止め。
敏感肌用コスメのパイオニア・エトヴォスの日焼け止めは、紫外線のほかにブルーライト、花粉や大気汚染などのポリューション物質などの外的ダメージから肌をプロテクト。みずみずしいクリームタイプで、毛穴などをカバーできる美肌補正効果により、肌をきれいに見せることも。然由来の保湿成分や5種のセラミドを配合し、肌をしっかりケア。
エトヴォス ミネラルUVアクアセラム SPF35/PA+++ 30g 3,740円(税込)
飲むタイプと併せるとさらに効果アップ
ここ数年、注目を浴びている「飲む日焼け止め」。紫外線によるダメージを体の内側からケアするサプリメント。紫外線による活性酸素のダメージを抑制する働きがあります。活性酸素はDNAを破損し、肌だけでなく体を老化させる原因になるので、食い止めるためにも飲む日焼け止めを活用したいところです。紫外線を浴びる3時間前に飲むのが効果的。ただ、飲むタイプだけでは、紫外線対策は不十分なので、必ず塗る日焼け止めとの併用をしましょう。
紫外線刺激から肌を保護することを助けるアスタキサンチンと、ブルーライトの光刺激から目を守るルテイン・ゼアキサンチンを配合。アスタキサンチンは、エビやカニ、サーモンに含まれるカルテノイド色素の一種で活性酸素を消去する抗酸化作用がある。紫外線刺激から肌を保護するだけでなく、肌の潤いを守る機能も報告されている。
常盤薬品工業 ビューパワープラス アスタキサンチン・ルテイン〔機能性表示食品〕30粒 2,376円(税込)
大学在学中にフリーランスの美容エディターとしてデビュー。女性誌やWEBメディアで美容企画を手掛ける。プライベートでは漫画とアニメ好きなインドア派である一方、野草に興味をもち、和ハーブライフアドバイザー、薬草料理マイスターの資格を取得。