夏のスイスは高山植物が咲き誇る、花のベストシーズン。とはいえ「これは何の花だろう?」と気になっても、名前を調べるのはなかなか難しいところです。
約800種類の高山植物が育てられ、スイスの各地域の花を見られる植物園がユングフラウ地方の「シーニゲプラッテ高山植物園」。
ここで知識を得てから各地の山を歩くと、より楽しいハイキングになること間違いなし!野生では滅多に出会えない、エーデルワイスも見ることができました。
標高約2,000mに位置するシーニゲプラッテ高山植物園
標高約2,000mに位置するシーニゲプラッテ高山植物園は1929年に開園した歴史ある植物園です。アクセスはヴィルダースヴィル駅からレトロなシーニゲプラッテ鉄道に乗って約50分。トゥーン湖やブリエンツ湖の絶景を横目にゆっくりと進んでいきます。
シーニゲプラッテ高山植物園は最寄り駅で降りてすぐの場所に入り口があり、入場無料なのでそのまま入ることができます。営業日は例年5月下旬〜10月中旬で、2023年は10月22日までの営業とのこと。ただし、2023〜2028年は7月1日からの営業だそうです。
5人の庭師が丁寧に育てる、約800種類の高山植物を鑑賞
植物園には庭師が5人在籍し、17年間ここで花々を育てているヤスミンさんもその1人。育てている高山植物は以前600種類だったものの、年々花の数が増え、2023年現在は800種類ほどとなっているそうです!
生態系を守りつつスイス各地の土壌を再現しているため、シーニゲプラッテ周辺で咲く高山植物以外も見られるのがポイントです。
例えば写真はマッターホルンで有名なツェルマットを抱く、スイス南西部ヴァレー州マッター谷の植物群落を再現。なかなか土壌を再現することは難しいそうですが、ヤスミンさんたちが手をかけ開花させています。
幻の花「エーデルワイス」を発見!
シーニゲプラッテ高山植物園は営業期間中に代わる代わる、さまざまな植物が開花します。
特に注目したいのはスイス・アルプス三大名花と呼ばれる「エーデルワイス」「アルペンローゼ」「エンツィアン」です。
白く可憐なエーデルワイスはぜひともスイスに行ったら見たいお花ですが、野生では滅多にお目にかかれない貴重種。シーニゲプラッテ高山植物園なら、入り口付近ですぐに見られました!
「アルペンローゼ」はツツジ科の赤い花。ツツジの大きさをイメージしていたものの、実際に見ると高山植物らしく小さな花がとっても可愛らしかったです!私が訪れた7月中旬はほぼ見頃が過ぎていましたが、まだ少し花が残っていました。
筆者が前日、別の場所でハイキングをしていた時に気になっていたのがこの白いお花。ヨーロッパでよく見られる「Laserpitium latifolium」というお花でした。帰国後、花の名前を調べようかと思っていたのですが、シーニゲプラッテ高山植物園で知ることができました!
高山植物園からハイキングコースへ!
シーニゲプラッテ高山植物園からはそのままハイキングコースに入ることが可能。「スイス・フラワー&パノラマ・トレイル」として、雄大な山と花々を楽しみながら約30分のハイキングを楽しめます。
「スイス・フラワー&パノラマ・トレイル」には日本人になじみ深い「カウベル」が飾られています。これは天皇陛下が皇太子時代、日本とスイスが国交樹立150周年を迎えた2014年にこの地へ訪問したことを記念して贈られたカウベルと同じもの!
ちなみにシーニゲプラッテ高山植物園は兵庫県の六甲高山植物園と姉妹提携を結んでいて、遠く離れたスイスでもさまざまなポイントで日本を感じることができました。
スイス各地に咲く高山植物を一度に見ることができる、「シーニゲプラッテ高山植物園」。軽いハイキングをしながら花の知識を得られるので、スイス旅行の際はぜひスケジュールに入れてみてください。
シーニゲプラッテ高山植物園
HP:https://alpengarten.ch/en
シーニゲプラッテ
HP:https://www.jungfrau.ch/en-gb/schynige-platte/
【取材協力】
スイス政府観光局
HP:www.myswiss.jp
ユングフラウ鉄道グループ
HP:www.jungfrau.ch
インターラーケン観光局
HP:www.interlaken.ch