水槽は川の世界ののぞきメガネ。自分で捕った生き物を飼育してみると、川で遊んでいるだけでは気づけない生態を目にすることができます。ただし、相手は命ある生き物。なるべく長く快適に生きられるように、もともとの住処をできるだけ忠実に再現しましょう。
用意するもの
基本となるのは、水槽、濾過器、エアレーションの3点と、水と砂、水草など。
水槽などの機器類はホームセンターで一式が5000〜6000円で入手できます。
水草、砂も売られていますが、水草は入手できれば魚と一緒に持ち帰ってもいいでしょう。
入門者におすすめなのは、長辺が40㎝程度の大きさの水槽と、エアレーションも兼ねる壁掛け式濾過器のセット。この濾過器は汚れたときの掃除が容易です。
魚と水草の持ち帰り方
魚はふたのできるバケツに入れて、エアレーションをしながら自宅まで持ち帰ります。
このとき、現地でとった水草を一緒に持ち帰ってもよいですが、水草は擦れると痛んでバケツのなかの水質を悪化させることも。
理想は魚と水草のバケツを別々にして、水草は少なめの水に浸して持ち帰りましょう。
また、夏場はバケツの水が高温になって魚が死ぬことがあるので、バケツごとクーラーボックスに入れる、凍らせたペットボトルを用意するといった工夫が必要です。
水槽を立ち上げる
水槽を用意したら、よく洗った砂礫を底に敷き詰めて、カルキ(水道に入っている塩素)を抜いた水を静かに注ぎます。
カルキを抜くにはバケツに汲んでから2、3日日向に置いておく、浄水器を通した水を使う、という方法があります。もちろん、魚をとった場所の水を持ち帰って水槽に入れて使う場合はそのまま使ってOKです。水を入れたら、水草や流木などをレイアウトして、しばらく濾過器を循環させて濁りをとり、水をなじませます。
水が落ち着いたら、魚を導入! しかし、慌てるのは禁物。魚を持ち帰ったバケツと水槽の水の温度が違いすぎると、魚がショックを起こすことがあります。必ず水槽とバケツの水の温度をどちらも室温にしてから魚を泳がせましょう。
魚が水槽に馴染むまでは、飛び跳ねて水槽を出ることが多いので、なんらかの蓋をしておきます。数日して魚が水槽になれると、川の中と同じ本来の生活を見せてくれるようになります。