遊び道具を満載して出かけるなら、クルマは欠かせない。アウトドアギアのひとつであり、1台使いなら日常で乗る機会も多いクルマ選びの参考になるのが、「BE-PAL SUV試乗会 2023」だ。注目の新車が展示され、試乗もできるこのイベントには、本誌で募集したアウトドア好きが多数参加。その模様をお届けしよう。
気になるSUVが大集合!「BE-PAL SUV試乗会 2023」
今年もPICAさがみ湖に注目のSUVが集結した。会場の中心には、ネイチャークラフト作家・長野修平さんの焚き火エリアが出現。それを囲むように、5ブランド計10台のSUVやワゴンが並んだ。各ブランドのブースでは、クルマのみならず、キャンプ道具やアウトドアで使える家電製品などがセットされ、フィールドで使いこなすイメージが演出された。
積載性能をじっくりチェックしたり、メーカー担当者にメカニカルな話を聞いたり。また、会場内では、長野さんのほかにも本誌でお馴染みの料理家・華表由夏さん、早坂いづみさんが親子で楽しめるワークショップを実施。試乗の順番待ちの時間もあっという間だった。
試乗車は計6台。EVもあれば、PHEVやディーゼルエンジン車もある。コースは高低差があり、狭いワインディングロードが続くさがみ湖リゾート プレジャーフォレスト内の道路と一般道。フィールドへ行く道をイメージできるコースでしっかりと走りをチェックできた。
個性あふれる最新SUVを比較できる機会となった今回の試乗会。参加者からは「長く試乗できてよかった」「ワークショップで子供たちも楽しめた」などの声も。来年の開催をお約束して、次は秋のビーパルフォレストキャンプで会いましょう!
エンジンで発電し、モーターで走る
心地よい異次元の加速感
エクストレイル G e-4ORCE
日産自動車 0120-315-232
発電効率と静粛性を高めた最新VC-TURBOでパワフルに発電。フロント150kW、リア100kWのハイパワーモーター2基を搭載。路面状況に応じて瞬時に4輪の駆動配分をコントロールするe-4ORCEの安定した走行性能に参加者の驚きの声が上がった。
展示車は、発電専用のガソリン・エンジンを搭載し、モーターで走るe-POWER仕様のエクストレイルとセレナ。家電製品を接続し、1500Wまでの電気機器が使えることを紹介。
実際に運転席に座り、洗練されたインパネ周りのデザインやユーティリティーをチェック。上下に分割して開くリアゲートも好評だ。
【参加者の声】永井祐一さんファミリー
「室内は広々、走りは驚くほどパワフル。2代前のエクストレイルに乗っていましたが、別次元のSUVですね」(祐一さん)
洗練されたデザインと軽快な走りに注目
ZR-V e:HEV Z
本田技研工業 0120-112010
今年4月に新登場したZR-V。走りの良さに定評のあるシビックのパワートレインをベースに開発されたハイブリッド車。モーターを使った滑らかな加速感と、エンジンを使った快適な高速クルージングを両立する。上品な色調のインテリアも好評だった。
多くの参加者がチェックしていたZR-V。スタイリッシュなデザインに加え、扱いやすいサイズ感、広い荷室が好評だった。
SUVテイストに仕上げられたフリード・クロスターの特別仕様車ブラックスタイルの展示もあり。オートバイやテントも加わり、プチキャンプフェスのように賑やかなブースだった。
ホンダブースは旅感満載。キャンプツーリング用に人気の高いCT125ハンターカブ、CL250の展示もあり。
【参加者の声】沖 博和さん 直美さん
「静粛性が高くて、運転しやすい。価格もそこまで高くない。妻とデュオキャンに行くのにピッタリのSUVです」(博和さん)
俊敏な走りと広いラゲッジルーム
これぞ欧州基準のエレクトリックSUV
ID.4 Pro
フォルクスワーゲン 0120-993-199
6台の試乗車中、唯一のEVがこちら。「地球環境のことを意識しながら、楽しくアウトドアに繰り出せるSUVです。モーターだけで走るので、ぜひ、窓を開けて森の中を走り、その静粛性を体感してください。鳥やセミの声が聞こえますよ」(広報・山崎信雄さん)
昨年11月に日本市場に投入されたフルEVのID.4を試乗車、展示車ともに用意。大容量バッテリーの搭載により、一回の充電で最高618㎞も走行できるという。
ガソリンタンクがない分、フロアが低くデザインされ、室内空間も荷室も広々している。荷室容量は543ℓ(VDA法)。
【参加者の声】ヒゲおやじさん
「世界基準のEVの性能を確かめたくてやってきました。とにかく静かで重厚な走りは圧巻です。見切りも良くて運転しやすいですね」
エンジンからボディーまで
すべてが新設計
CX-60 XD L Package
マツダ TEL:0120-386-919
場内の急な坂道でもグイグイと力強く登る走行性能を体感。これならキャンプ道具を満載しても安心だ。さらに高い剛性感と、ディーゼルとは思えない静粛性を備えた高級感漂うドライブを体感できた。堂々たる車格からは想像できないほど小回りもよく利く。
広々とした室内空間には、子供も大人もびっくり。ラゲッジは570ℓ(VDA法)と広々。
直列6気筒ディーゼルエンジンを包み込む長いノーズが印象的。エレガントなボディーラインが目を引く。
【参加者の声】花輪智明さん 朋巳さん
「ハンドリングが軽快で、馬力がものすごくて驚きました。シフトやインパネなど、技術の進化もすごいですね」(智明さん)
舗装路から悪路まで、路面状況に応じて
走行モードを切り替えられる
アウトランダー P
三菱自動車工業 TEL:0120-324-860
PHEVの先駆者として高い人気を誇るアウトランダーの試乗車は、最上級グレードのP(3列シート7人乗り)。前後に搭載した2台のモーターが、4輪の駆動配分を最適に制御し、舗装路からキャンプ場周辺の悪路まで、思いのままのドライビングを楽しめる。
ブースには力強いデザインと、たくましい走行性能がアウトドアシーンにぴったりのデリカD:5とデリカミニ、2台の人気モデルが登場した。
唯一の軽試乗車=デリカミニは、ご夫婦で参加した奥様が積極的に試乗していた。扱いやすいサイズと、かわいいデザインが魅力。
【参加者の声】ジュンさん
「PHEVなら旅先で充電が切れる不安もありません。加速感も良かったし、補助金を使えば価格もそこまで高くないのがいいですね」
食べて、体験できるワークショップも大好評でした
華表由夏のアウトドア料理試食ブース
料理家の華表由夏さんのブースでは、豆乳をベースにしたスープに、素麺と好きなトッピングを載せて食べる韓国料理コングクスと、手作りスコーンの試食ができた。
ベーススープは、暑くても食べやすいようにサラサラの豆乳で。キムチ、キュウリ、トマト、ネギなど好きな具材を載せたらでき上がり。
華表さんが自ら焼いた素朴なスコーンは、長野修平さんが淹れたコーヒーとの相性も良い。
長野修平の焚き火体験エリア
煮出しコーヒー=コカフェと、焚き火で炙った豚バラ肉とベーコン、野菜と香草を挟んで食べる小さなパンケーキの試食も大人気。
焚き火で作ったパンケーキと、煮出したコーヒーは共にスウェーデン式。暑い日だったが、美味しい料理を食べた参加者たちは、即、笑顔になった。
早坂いづみのみつろうラップづくりワークショップ
東京・上野毛で量り売りのエコ洗剤などを販売するブリリアントマーケットの店主で、編集部早坂の妻、いづみさん。
ワックスペーパーに布とみつろうを載せ、アイロンで溶かして染み込ませるだけ。洗って繰り返し使えるエコなラップが簡単に作れちゃう。
大人も子供も夢中になってエコラップを作った。布に好きな絵を描くのもあり。世界に1枚の素敵なラップができた!
※構成/山本修二 撮影/小倉雄一郎、三浦孝明
(BE-PAL 2023年9月号より)