日本の端っこ、礼文島!
日本のはるか北端に浮かぶ、縦長の島をご存知でしょうか。
稚内(わっかない)市の西方60キロメートルに位置するこの礼文島(れぶんとう)は、日本百名山のひとつ「利尻山」を有する利尻島とともに、島好きの憧れの離島として知られています。
青い海と緑の草原に囲まれた礼文島は、かつて筆者が住んでいたニュージランドを彷彿とさせる場所。美しいトレッキングコースも魅力の一つです。
今回は、そんな礼文島トレッキングの楽しさをとくとご紹介します!
礼文島への行き方
礼文島へは、船で行くことができます。
稚内と利尻島から礼文行きの船が出ています。夏のハイシーズンは一日三便ほど運航していますが、時期によって運航時間が変わるので、あらかじめ時間を確認しておきましょう。
礼文島トレッキングの装備
礼文島は爽やかな森と草原が広がり、歩きやすいコースが多いです。
登山靴、ザック、速乾性のある服といった通常の登山装備があれば問題ありません。紫外線対策も忘れないようにしましょう。
ただし、レインウェアは必須です。これから紹介する「岬めぐりコース」は、常に海から風が吹き付ける場所です。天気が変わりやすく、強風にもなりやすいため、必ず持っていくようにしましょう。
いざ礼文島トレッキング!
おすすめの「岬めぐりコース」
礼文島には、素晴らしいトレッキングコースがたくさんあります。その中でも、日本の果てまで来たことを実感できる、筆者おすすめのコースをご紹介します。
島の端っこを紡いで歩いていく「岬めぐりコース」です。日本の北端にある礼文島、そのさらに最北端に位置するスコトン岬を目指します。
全長約12.4kmある道を、「澄海(すかい)岬」「ゴロタ岬」「スコトン岬」と、3つの岬を巡りながら、ダイナミックな海食崖と海の風を肌で感じることができます。
前泊は久種湖キャンプ場で
今回、スコトン岬をゴール地点にするために、スタート地点は「浜中」という小さなバス停に設定しました。この「浜中」へ早朝に行くには、近くにある久種湖(くしゅこ)キャンプ場に前泊するのがおすすめです。
ただのキャンプ場と侮るなかれ、ここは日本最北端のキャンプ場であり、隣接する久種湖の淡い水色が美しい抜群の立地です。
平坦でテントを張りやすく、トレッキングのためにしっかり身体を休ませることができます。
なお、コンビニエンスストアは近くにないので、食料やお酒はあらかじめ準備しておくのがおすすめです。
お風呂や温泉は、キャンプ場から徒歩圏内にはありません。シャワーはキャンプ場で借りることができます。
美しいブルーの海!澄海岬へ
浜中からは、だだっ広い開放的な道路をひたすら真っ直ぐ歩きます。徐々に左手に見えてくる丘が、朝日に照らされてアンニュイな雰囲気を醸し出しています。
ここに羊が群がっていれば、まるでニュージーランドだな…などと考えているうちに、澄海(すかい)岬に到着です。
展望台への階段を登り切ると、そこには美しいブルーに透き通った海が広がっています。
近くの漁村から漁船が静かに海に出ていく姿がまた素敵で、天気の良い日はいつまでも眺めていられそうです。
穏やかなビーチを抜けてゴロタ岬へ
澄海岬を出ると、次はゴロタ岬へ向かいます。ここからは、突然道が険しくなります。
同時に、コースから見える眺望がガラッと変わります。丘の稜線がずっと先まで伸びている様が見え、冒険心が掻き立てられます。
高山植物に囲まれた急登と急降下を経て、静かな漁村へ降りていきます。
ここからゴロタ岬までは、平坦で穏やかなビーチ沿いをひたすら歩き続けます。時折り後ろを振り返ってみると、自分が歩いて来た道の全貌が見えます。
最後の急登を登り切ると、ゴロタ岬はすぐそこです。
ゴロタ岬までくると、ゴール地点のスコトン岬まで見渡すことができます。
静かな草原と海の波打つ音が合わさって、確かに自分は地の果てにいるのだと実感します。この日は少し曇りだったからかほとんど誰もおらず、それがまた素晴らしい空気感を演出してくれました。
海に浮かぶ稜線を越えてスコトン岬へ
ゴロタ岬からは目の前にスコトン岬が見えますが、ここからは意外と歩きます。
山道を抜けると車道があり、ひたすら歩いていくと、赤い屋根の大きな建物が見えてきます。「島の人」という、素敵なお土産屋さんです。
筆者は、ここで昆布ソフトクリームを食べることを一心に歩いていましたが、なんと今年はやっていないとのこと…。
残念でしたが、たまたまそこに居合わせた別の観光客の方が、お土産に買った蒸しうにの缶詰をお裾分けしてくれました。やっぱり、島にいる人はみんな優しい…。
休憩したら、最後は地の果てスコトン岬の展望台へ!
スコトン岬で「地の果て感」を満喫
本当に素晴らしい景色です。西日に照らされる稜線がまた美しいんです。
この日は少し曇天でしたが、トドが住む「トド島」が海に浮かんでいる姿がくっきりと見えました。
ここまで歩いてきた達成感と、ゴール地点にふさわしい景観に、感動せざるをえません。
ここからフェリーターミナルまではバスが出ているので、そのバスに乗って今回の旅を終えました。
日本の端っこで海と山を堪能!
以上、礼文島トレッキングコースの魅力を紹介しました。
一味違ったトレッキングを体感したいという方は、ぜひ北海道礼文島にある「岬めぐりコース」に挑戦してみてくださいね!きっとかけがえのない思い出になるはずです。