レクタングラー型(長方形)タープと、つり下げ式インナーテントを組み合わせたスタイルが増殖中だ。
そのひとつ、「ニーモ」の「ダークティンバー4P」(5万8000円)を試してみた。
設営がカンタン!
ニーモのタープは、ゴム状のベルトを幕体の稜線部に組み込んでいて、張り綱の間隔を2m(ポールの長さ)にあわせてペグダウンすれば、スピーディーに美しく設営できるという「スプリングリンクテクノロジー」を搭載。初心者がひとりでも設営できる親切設計だ。
「ダークティンバー4P」も同様のシステムで、まずタープを建ててから、インナーを装着する。
張り綱の間隔を2mにしてペグダウンすれば、あとは微調整の必要なし。一発で決まるのが心地いい。
ポールを通すのは、グロメットではなく、幕体に取り付けられている金具。ゴム状のベルト部分にグロメットが装着されているわけではないので、ゴムへの負担はなさそう。
一般的なタープは、慣れていれば、自在金具を調整しつつ、1本ずつポールを建てて設営することもできるが、最初はもたつくもの。できれば2人以上で設営したい。
ところが、ニーモのタープは、ポールを1本立てると、稜線部のゴムが適度なテンションをかけつつ伸びていくので、片側のポールが外れたり、倒れたりすることがない。ひとりでも落ち着いて設営できる。
タープにインナーテントを装着する。インナーテントのバックルを、タープに装備されているバックルにはめ込むだけで8割方完成する。
あとはポールを伸ばし、インナーテントのボトム部分6カ所をペグダウンすれば完成。ミリタリー風味の渋いカラーなので、釣りにもよさそうだ。
4人就寝用とうたわれているが、フロアサイズは254×254cmで、寝袋を敷いた際、足下に50cmほど余裕が生まれる。また、198cmという男性が無理なく直立できる高さなのも、広く感じる理由。
通気性よし!
前後どちらの面にも、大きく開くドアパネルとメッシュになる窓を装備しており風がよく通る。
ドアパネルとメッシュパネルのジッパータブは、それぞれ2つあるので、春先などは下側だけあけてベンチレーションのように使うことも可能だ。
メッシュにしたときの外側ドアパネルは、トグルで巻くのではなく、上部のポケットに収納する方式。
インナーテントの素材は、40デニールナイロン/68デニールPUポリエステル。フロアは150デニール PUポリエステルリップトップ。重量は6.7kgで、キャンプ用テントとしては軽い部類。
インナーテントを吊るすテープには、途中にループがある。ここに小型ライトを吊してもよさそう。
三角形のテンショナーががっちり食い込み、時間がたってもたるみにくい。タープにテントを吊すのでゆるむのではないかと心配だったが、テンションをキープできていたのは優秀だ。
耐水圧は1500mm(フロアは3000mm)で、雨でも問題なし。
欲をいえば、インナーの面積がもう少し小さくてもいいかもしれない。キャノピー(ひさし)部分をリビングがわりにできるやや小ぶりのサイズになれば、もうひとつタープを建てなくていいので、より使いやすくなりそう。
もっとも、インナーテントのセッティングは非常に簡単なので、昼間はリビング、夜にインナーを吊すという使い方も、なくはない。
子連れファミリーにもおすすめ!
「ダークティンバー4P」は、タープの手軽さとロッジ型テントの快適性を備えたテントだ。小さな子がいるファミリーではお父さんがひとりでテントを建てることも多いので、この手軽さは大きな魅力。また、ポールをインナーテントにくっつけるように斜めにするので、小さな子がポールに躓くことも回避できそう。
キャンプは初めてでも、BBQなどでタープに触れたことのある人は多いので、気負いなく設営できるのも利点。通好みの革新的テントではあるが、ビギナーにこそ試してもらいたいテントだ。
●お問い合わせ先
イワタニ・プリムス 03-3555-5605
http://www.iwatani-primus.co.jp
◎構成=大森弘恵