カラフル&ポップで見ているだけで楽しくなるチャムスギア。そこにはデザインのみならず、チャムスならではのこだわりが満載! 各部署の舞台裏をちょこっとのぞいてみました!
「キャンプして、みんなで酒を酌み交わしてるときほど、アイデアが浮かびます」
商品本部 企画・デザイン部 石角直樹さん
「商品企画の段階で、毎回30〜40アイテムをドーンと提案しますが、30あったら20は却下。残った10アイテムは、1アイテムにつきさらに20案ぐらい考えますが、ほぼ全部ボツ」
と、明るく笑う石角さん。
「だってボツになったほうが張り合いあるでしょ!」
現在デザインチームは、キャンプギアを見続けて34年の石角さんを筆頭に、30代のソロキャンパー男子と、キャンプ未経験の20代女子の3人。
「それぞれ年代もキャンプ歴も違うのが逆にいいんですよ。僕がまったく考えてなかったようなこといってくれるし」
石角さんの代表作はコヤテント。名前どおり小屋型で、直線的なデザインが特徴的だ。
「昔はドームテントもあったけど、きっちり端っこまで使える居住性の高いのがチャムスのテントなんじゃないかと。デッドスペースがなく、子供が走り回れ、赤ちゃんを抱いて屈まず入れるファミリーで心地よく過ごせるテントがテーマです」
新作を作るときは、サンプル段階で実際キャンプに行ってテストしてみる。
「焚き火して酒呑んで、みんなであーでもないこーでもないといってるほうがアイデアが出たりします。たまに、昔こんな便利なモノあったよな、って思い出して作ろうとしたりするんですけど、今の時代に合ってませんよって、若いふたりにプイッといわれて終わっちゃう(笑)。それがまた、予想外で面白い」
小屋みたいな面白いテントがほしい、という社長の思いを具現化し、9年前コヤテントが誕生。これはそのコンセプトを踏襲したブービーキャビンテント4。居住性の高さがウリ。
もともと真四角で板厚が薄かった焚き火台を、石角さんが小さい角をつけた八角形に改良して剛性を高め、2年がかりで日の目を見たブービーフェイスフォールディングファイヤーピット。
「料理好き社長の肝煎、社員食堂から誕生したスパイスの数々をお試しあれ!」
チャムスキッチンスタジオ 石黒 愛さん
一見、カフェバーのような雰囲気だが、実は2019年に開設された、キッチンスタジオという名の社員食堂。オフィスから徒歩1分にあるビルの一角に100㎡のフロアを構え、昼休みに日替わりメニューが振る舞われている。そこでスーシェフとして働いている石黒さん。
「もともと料理が趣味の土屋社長の肝煎プロジェクトとして開設されました。社員の健康や気分転換を図るのはもちろん、昼食後に大量に出ていたお弁当のゴミを減らすためにも、大いに役立っているんです」
毎日、日替わりメニューが味わえるのはもちろん、あらかじめリクエストしておけば、個人の体調や好みに合わせた特別メニューも提供してもらえる。
「それにここは名前のとおり、食品の開発スタジオでもあります。オリジナルスパイスの研究の際は、素材をひとつずつ刻んで混ぜて味見して、の繰り返しでしたね。社員のみんなに試食してもらった際、スパイスの風味をしっかり楽しめるうちに使い切れるよう、一般的なスパイスの瓶よりひと回り小さくしたのも、料理通でアウトドア好きな社員のアイデアなんです」
ほかにも、チャムスキャンプではキッチンカーでBBQを振る舞ったり、クッキングワークショップを開くことも。
「今後は、焼くだけで作れるチャムスパン、なんて商品にも挑戦してみたいですね」
上段はチャムスオリジナルのカレースパイスセット。(各¥1,058)。下段左から塊肉もみ込み用のスパイスミックス、ドライラブ(¥1,188)、ちょっぴり甘口のバーベキューソース(¥1,080)、スパイスホット、スパイスマイルド(各¥972)。
チャムスキャンプのクッキングワークショップで伝授したホットドッグ。ホットサンドクッカーを使えば、こんがりジューシー。
「お客様から意見をいただいたときはビックリするような対応を、がモットーです」
品質管理部 山河 喬さん
楽しく、感動のある商品を作りたい、という思いから、2021年に新設されたのが品質管理部。ユーザーからの意見に対応しながら、現行品や新製品のテストを繰り返し、日々改良してより良いモノを創り出している。
「新作のクーラーボックスをテストするときは、中に20㎏の重りを入れて千回ハンドルを揺らしたり、氷を入れて店の屋上に置き、保冷効果を検証したりしました。手で実際揺らしたほうが感覚が伝わるので、同じ部署の3人でジャンケンしてやってました。あとは、バリの有無など細かいところまで検品します」
と担当の山河さん。新作の品質管理はもとより、修理の依頼にも対応しているので、常にお客様相談室とタッグを組んでいる。ユーザーからの問い合わせは1日に5〜10件。キャンプシーズンにもなると、1週間に100件にものぼる。そのひとつひとつに対応し、その意見をもとに製品を改良することも。
「お客様の声は宝の山ですから。ご意見をいただいたときは、商品を取り寄せて検証し、場合によってはデザイナーへ仕様変更を依頼したり、工場へ生産方法の改善を依頼することもあります。お客様がビックリするほど丁寧な対応を心がけています」
キャンパークーラーはテストと改良を繰り返し、1年かけて完成。ドリンクホルダーの落下を防ぐ微調整に時間がかかった。
BEFORE
AFTER
クーラーボックスの開閉レバーはリベットで留められていたが、故障したとき交換できないという意見から、ネジ式に変更。
強く座ったことでベンチのフレームが折れた、というユーザーの声から、足元のパイプを二重にして補強することで、頑丈にした。
※構成/大石裕美 撮影/小倉雄一郎
(BE-PAL 2023年10月号より)