2010年に夫婦でスイスからニュージーランドを目指す自転車旅を始め、そこから世界中をめぐり、途中旅先で2人の子どもの出産を経て4人となったパッシュファミリー。
ジャパンエコトラック公式アンバサダーに就任し、現在は日本を旅しながら先々でトークセッションを行っています。
2023年9月25日には、モンベル品川店にてトークイベントを実施。13年続けてきた自転車旅の魅力を伝えました。今も日本国内を旅するパッシュファミリーに話を伺いました。
パッシュファミリーの自転車を拝見!
スイス人家族のグザヴィエさん、セリーヌさん、娘のナイラちゃん、フィビーちゃんの4人は、世界中を巡ってきた自転車と共に会場へ到着。
過酷な旅の歴史を感じさせる車体ですが、セリーヌさんによると15年使い続けているものは自転車のバーぐらいのもので、あとは入れ替えているのだといいます。
自転車に付けている鯉のぼりも2012年5月の来日時に四国でもらったものから始まり、モンゴルの旅などを共にして、現在はまた新しいものに変わっているそうです。
「目的地」ではなく「道程」での見分を大切にする旅
「今回の来日で5度目、これまでに35の都道府県を訪れました。一般的には、例えば大阪に行くとなると観光することが旅の目的ですよね。私たちの場合は、大阪に行くまでが観光で、大阪では休むのです(笑)。各地で博物館や美術館に行くことはないですね」(セリーヌさん)
では、旅の行程で何を見ているのでしょうか?
「自転車での旅を選んだ理由は、遅い移動手段で、いろんな土地をゆっくりと見ることができるから。例えば、イランを自転車で旅している時に、飲み水が必要になりました。そこで井戸を見つけたある村に泊まって、水を調達しました。これが、車とかバスでの移動だったら、その村には泊まっていないはずです。最初は遠巻きに村を眺め、ある家族から家に招かれて、コミュニケーションを取ることができたのはとてもいい経験になりました」(セリーヌさん)
今回の来日では、鳥取県から北上し、各地を巡るなかで火山などの自然の美しさに魅せられたそうです。
「桜と火山を見たのが楽しかったです」(フィビーちゃん)
「お寺と、私も火山ですね。(北海道の)旭岳や(山形県の)月山が良かったです」(ナイラちゃん)
旅のなかでも、やみくもに進むのではなく、素敵な場所や出会いを見つけると数日滞在することも多いそうです。
「自転車で世界中を旅しているというと、365日自転車を漕いでいると思われがちなのですが、実は4~5日漕いだら2~3日はしっかりと休みます。また、登山などほかのアクティビティを楽しんだり、家族の時間を持ったり、リラックスすることを心がけています」
パッシュファミリーの旅はこれからも続く
パッシュファミリーは人力による移動手段で旅をするジャパンエコトラック公式アンバサダーとして推奨ルートをベースに全国を自転車で旅しています。
このあと2023年11月まで長野県・三重県・奈良県と講演をしながら自転車で移動し、最後の大阪府での講演後は日本を出発。その後の予定はまだ決めていないそうです。
まだまだ続く日本の旅。その様子をもっと知りたい人は、ぜひ彼らが講演を行うミニイベントに参加してみてはいかがでしょうか。
ミニイベント日程
長野県
10/14(土) 14:00 中野市防災広場 信越自然郷エリア
SEA TO SUMMIT千曲川・高社山大会 環境シンポジウム
三重県
10/30(月) 18:00 奥伊勢フォレストピア 伊勢 熊野エリア
奈良県
11/3(金・祝) 15:30 モンベルアウトドアヴィレッジ奈良
※事前参加申込が必要
大阪府
11/6(月) 18:30 モンベル本社
※事前参加申込が必要
ミニイベント詳細
https://www.japanecotrack.net/special/8
パッシュファミリー公式ホームページ
https://www.ylia.ch/
取材・文/北本祐子