イギリスで「トレーナー」は服のことじゃない!? アウトドア英語クイズ【ボーイスカウト・キャンプ編】
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    2023.10.16

    イギリスで「トレーナー」は服のことじゃない!? アウトドア英語クイズ【ボーイスカウト・キャンプ編】

    荷造りからすでに活動は始まっているため、子ども自身で準備する必要がある、ボーイスカウト・キャンプの荷物。

    イギリスで子ども向けアウトドア、キャンプといえば日本でも知られたボーイスカウト!

    ボランティアとして現地で引率してくれるリーダーたちには頭が下がりませんが、毎回荷造りを手伝う親もけっこう大変です。

    しかも荷物リストがイギリス英語だと、日本人にはなじみ深いアメリカ英語の意味とはまったく違ってさらに難解。今回はそんなイギリス特有の呼び名が満載な、ボーイスカウト・キャンプでの持ち物をクイズ形式でご紹介します。

    (1)運動靴に関する問題

    山歩きや川下りなど、大自然に触れるアクティビティのほか、キャンプ場内の施設で行う射撃やアーチェリー、ボルダリングといったアウトドア活動も楽しめる、イギリス発祥のボーイスカウト。安全に取り組めるよう、適した靴を選ぶことはとても大切です。

    雨天が多いイギリスでは、山道もぬかるみがち。履き替え用の運動靴は、最低2足は予備として必要です。

    では、さっそく問題に入りましょう!

    第1問:運動靴をイギリス英語ではなんという?

    a)wellies (ウェリーズ)
    b)sneakers(スニーカーズ)
    c)hike boots (ハイク・ブーツ)
    d)trainers(トレーナーズ)

    第1問の正解は…?





    正解は「d)trainers(トレーナーズ)」です。

    ここはつい、「b)sneakers(スニーカーズ)」を選んでしまいがちですが、これはアメリカ英語。イギリスでは「トレーナーズ」といいます。

    アメリカ人による「スニーカーズ」という呼び方は、ソフトな靴底が「sneak(コソコソ歩く)」するのにピッタリだという理由からだとされる一方、イギリスでは「train(トレーニング)」用の靴ということで、「トレーナーズ」の呼び名が広まったといわれています。

    お隣アイルランドでは、“走るのに適した”という意味で「runners」ともいうそうですよ。

    ボーイスカウトでは、夜7時頃に集合して夜中まで延々と山道を歩く「ナイトハイク(Night Hike)」もありますが、そういった本格的に歩く活動時には「c)hike boots (ハイク・ブーツ)」が求められます。

    なお、「a)wellies (ウェリーズ)」は正式名称「wellington boots(ウェリントン・ブーツ)」といい、長靴を指します。これは、イギリスの初代ウェリントン公爵が愛用していたブーツに因んで名付けられたものです。

    (2)トレーナーに関する問題

    世界各地が猛暑に喘ぐなか、今年は昨年から一転、冷夏だったイギリス。テントを張って野営するキャンプ中は、朝晩など特に冷え込みが厳しく、季節を問わず防寒対策が必要でした。

    調理や団らんにと、ボーイスカウト・キャンプ中は外で毎晩火をおこします。(画像:Unsplash)

    ここで問題です。

    第2問:気楽で重ね着もできる洋服、トレーナーをイギリス英語ではなんという?

    a)sweater(セーター)
    b)trainer(トレーナー)
    c)jumper(ジャンパー)
    d)pullover(プルオーバー)

    第2問の正解は…?





    正解は「c)jumper(ジャンパー)」です。

    6〜8歳児向けの「ビーバー・スカウト(Beaver Scouts)」では、クリスマス時期にクリスマス関連のトレーナーを着て参加する日もあります。

    第1問で判明した「b)trainer(トレーナー)」は除外するとして(靴は2足で1組なので、「trainers」と複数形にすることをお忘れなく!)、実は残りの「a)sweater(セーター)」と「d)pullover(プルオーバー)」も「ジャンパー」の一種であるのが頭を抱えるところ。

    そもそも日本でいう洋服の「トレーナー」は和製英語で、本来は英語で「sweatshirt(スエットシャツ)」といいます。

    ややこしいのは、イギリスでもスエットシャツという言葉は使われており、「ジャンパー」はどちらかというとセーターやフリース(fleece jumper)のように、より暖かい素材で頭からかぶり前開きしないトップス、つまり「プルオーバー」を指します。

    それでも上の写真のように、また、ボーイスカウトの制服でもあるトレーナー素材のトップスも、やはり「ジャンパー」と呼ぶのでとてもまぎらわしいです。

    これはもともと、15世紀に船乗りの寒さ対策として、ウールやカシミア素材を使い手作業で作られていたものが、現代では量産・カジュアル化され、綿やポリエステル製のものに取って代わったためです。

    (3)雨具に関する問題

    1年のうち、およそ半分近くはどこかしらで雨が降っているとされるイギリス。キャンプに行く際も雨具は必須アイテムです。

    第3問:雨ガッパの通称は、イギリスでなんという?

    a)mac(マック)
    b)brolly (ブローリー)
    c)raincoat(レインコート)
    d)waterproof(ウォータープルーフ)

    第3問の正解は…?





    正解は「a)mac(マック)」です。

    コンパクトに畳めるのが便利な「pack away」タイプの雨ガッパ。

    アップル社のパソコン、「マック」シリーズかと思いきや、雨ガッパ、レインコートを指すイギリスの「マック」とは、イギリスを代表するコートの名門ブランド「マッキントッシュ」由来の言葉でした!

    産業革命時の19世紀前半に、スコットランドの科学者であるマッキントッシュ氏が、雨ガッパの素材としても有用な防水生地を発明したことから付けられた「マック」。ボーイスカウトではより動きやすいよう、コートほど長くない防水加工のジャケットということで、「防水」を意味する「d)waterproof(ウォータープルーフ)」という単語が使われます。防水性のズボンと併せたセットの場合は、複数形で「waterproofs」となります。

    ちなみに、「b)brolly (ブローリー)」とは、これまた俗称で傘のことです。

    イギリスの人たちは、普段から傘は滅多にさしませんが、アクティブに活動するボーイスカウトのキャンプでは、ことさら不要な物です。

    ボーイスカウトの標語のように万全の対策を

    「そなえよ つねに(Be Prepared)」

    来る秋冬に向け、活動に応じた快適な靴、十分な防寒防水対策をするなど、ボーイスカウトの標語のように、万全の体勢を整えてキャンプに臨んでくださいね!

    キャンプ場内での焚き木拾いもボーイスカウト・キャンプ活動のひとつで、皆で協力して集めます。(画像:Unsplash)

    私が書きました!
    イギリス・ロンドン在住ライター
    パーリーメイ
    2017年より英ロンドン郊外在住。バンコクで高校、東京で大学を卒業したのちタイ地場ホテル、在京タイ政府機関にて勤務、子育て中に家族で渡英する。ヨーロッパ中心の観光情報、イギリスのトレンド、生活、時事情報を旅行ガイドブックへ寄稿するほか、グルメ、イベントレポなども併せてブログで定期発信。英語学習サイトにて、イギリス生活奮闘記をまとめたコラムも連載中。息抜きはヨガと庭作業。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」(https://www.kaigaikakibito.com/)会員。

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