この記事では、初心者向けの秘湯から超上級者向けの野湯まで、誰も行かないような秘湯や野湯にひとりで行くのが大好きな秘湯探検家・渡辺裕美さんのおすすめをまとめた。日本秘湯を守る会の名誉会長・佐藤好億さんによる秘湯のマナーもチェック!
※価格や営業時間などは取材当時の情報です。最新情報は各施設をご確認ください。
CONTENTS
秘湯とは
一言でいうと、自然に囲まれた温泉が秘湯。そんな秘湯の魅力や楽しみ方を日本秘湯を守る会の創設メンバーである佐藤好億さんに教えてもらった。
温泉の定義と秘湯の魅力とは?
そもそも温泉の定義は、下記のいずれかを満たしていればOK。
「地中から湧出した時の温度が25℃以上」
「溶存物質が規定量以上ある」
「指定された18種の成分のうち、ひとつでも規定値以上含まれている」
温泉法で定められている温泉の種類は、地中から湧出する温水、鉱水、および水蒸気、その他ガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)の4種類。
温泉自体の効能はもちろん、じつはそれを取り巻く環境も、温泉療養の重要なポイント。つまり、秘湯と呼ばれるような自然に囲まれた場所に行けば、森林浴効果なども期待できるし、美しい風景を眺めれば、日常生活のストレスからも解放。体だけでなく心も健やかにしてくれるのが秘湯の魅力なのだ。
アウトドア派ならずとも行きたくなる山の中の秘湯だが、その際に注意すべき点を日本秘湯を守る会会長の佐藤さんリストアップしてもらった。
秘湯を楽しむ5つのマナー
秘湯を楽しむ5つの流儀
【1】露天で一献は思わぬ事故に
野趣あふれる秘湯の露天風呂で、日本酒を一献、というのは絵柄的には美しいけれど、心臓にはかなりの負担がかかるから厳禁。入浴前に30分ほど休憩をとったり、水分をしっかりと補給したりしておくとのぼせにくい。
【2】水源地でのシャンプーなどはNG
川沿いにある野湯や、山小屋にくっついている温泉などは、水源地になっている場合も多く、そういう場所でのシャンプーや石鹸の使用などは、基本的にNG。まずはその温泉の人に使ってもいいか確認すること。
【3】入浴後に洗い流すのは言語道断!
よく、温泉に入った後にシャワーなどで洗い流す人を見かけるが、そんなことをしてしまっては、せっかくの温泉効果も台無し。温泉成分で体をコーティングするのが温泉の効能を最大限に享受するコツ。ただし、皮膚の弱い人は例外。
【4】山の上の温泉では湯冷めに注意
入浴直後は血管が拡張しているので、体温が発散しやすい状態になっている。温泉で温まった体と、外気温の差が大きい山の上の温泉などは、特に注意が必要。
対策としては、温泉から上がる前に足元や手に冷水をかけて、広がった血管を収縮してあげるといい。入浴後、すぐに野外へ出なければならないような温泉の場合は、髪を濡らさないようにするのも大事。
【5】温泉と火山の密接な関係
日本は有数の火山国家。なので、火山の地下のマグマを熱源とする火山性温泉も多い。当然のことながら、火山のそばにある温泉も多いが、火山活動をきちんと調べるインフラが整っていないのが現状。ただ、ネットなどである程度の情報は得ることができる。
▼参考記事
「ソロ秘湯ハイク」のススメ
人の往来もほぼない地にひっそりと湧く「秘湯」。そんな秘密の場所を目的地とするハイキングは、自分だけが目にする景色や珍しい植物とも出合え、道中も大いに楽しめる。もちろん、最後は新鮮な湯に浸って心身をリフレッシュ。更にソロ旅なら、自分を解放させる瞬間を見出しやすい。そこで、秘湯探検家の渡辺裕美さんに激推しスポットを教えてもらった。
「ソロ秘湯ハイク」にチャレンジ!
秘湯ハイクの楽しみ方
【1】天気やルートを事前に確認のこと
【2】道中、花や動物など自然を楽しむ
【3】 混浴が多いので湯浴み着の準備も!
秘湯探検家が推すのは標高2,100mの露天風呂「白馬鑓温泉(長野県)」
徒歩約4時間20分
難易度 ★★★★
●コースタイム:約4時間20分/猿倉荘(20分)-鑓温泉登山口(2時間)-小日向コル(40分)-サンジロ(30分)-杓子沢(30分)-鑓温泉下(20分)-鑓温泉小屋
●アクセス:JR大糸線白馬駅から猿倉登山口まではバスで27分。
楽しく歩けて至福に浸れる「ソロ秘湯ハイク」のススメ
「秘湯ハイク」の格好のシーズンは、登山道の雪が解ける夏。中でもお薦めしたいのが、白馬鑓ヶ岳の中腹に湧き、高山植物の宝庫「白馬鑓温泉」を目指すコースだ。
白馬連峰は、夏でも豊富な残雪があるエリア。雪どけと同時に、一斉に咲き誇る高山植物の可憐さは目を見張るものがある。地元のガイドさんもたくさんいるので、山登りに自信のない方や女性同士でも一緒に登ってもらうことができ、安心だ。
標高2,100mまで登り、露天風呂から爽快な青空と山の稜線ビューを楽しみたいなら、現地にお昼までに到着したい。逆算すると、朝5時半に登山口を出発するのが理想。
登山口から徒歩2時間までは登りが続き、ハァハァ言いながら休憩スポット小日向コルへ到着。平場でザックを下ろして、至福のお弁当タイムを♪
コルから更に歩み進めると、サンジロを過ぎたあたりから、視界が開け景色は一気に北アルプスらしくなる。このハイクでも最高の絶景ポイントのひとつだ。「日本じゃないみたい!」。目の前に広がる稜線と雪渓が残るストライプの山肌は、まるでスイス!
そして、クライマックスは鑓温泉下から小屋までの登りを飾るお花畑だ。オレンジ、黄色、白、紫……カラフルな高山植物が咲き誇り、「見て見て!わたしが一番綺麗でしょ」、なんて、花たちの声が聞こえてきそう。疲れを癒やしてくれる。
登山開始から4時間半。息使いが荒くなってきたころ、前方に石で組まれた露天風呂が見えてきた。「着いたー! 憧れの白馬鑓温泉」。山の斜面にへばりつくように設置された露天風呂からは、雲海や尾根まで見下ろせる。まさしく“天空の露天風呂”と呼ぶにふさわしいロケーションに心が躍る。炭酸水素塩泉のつるつるした肌触りも気持ち良く、思わずひと言。「あ~、幸せ」。
ぜひ、爽快なハイクと露天風呂で感動の汗を流してみてほしい。
▼参考記事
初心者でも安心!「楽しく歩けて至福に浸れる」ソロ秘湯5選
山を歩いてたどり着いた秘湯に浸かる。至福のひとときだ。なによりも自分のペースで過ごせるのがなんとも気持ちいい。ここでは、初心者でも楽しく歩ける秘湯情報を、秘湯探検家の渡辺裕美さんに教えてもらった。極上のハイキングと温泉体験を!
初心者でも安心のソロ秘湯
【1】北海道|中岳温泉
徒歩約2時間30分
難易度 ★★
●コースタイム:ロープウェイ姿見駅(1時間30分)-裾合平分岐(1時間)-中岳温泉
●アクセス:JR旭川駅から旭岳ロープウェイ山麓駅まで車で1時間10分。旭岳ロープウェイ姿見駅から徒歩約2時間30分。
チングルマの楽園の先にある秘湯
大雪山系の主峰旭岳の中腹・姿見駅から、中岳の中腹に湧く秘湯「中岳温泉」を目指すコース。途中、旭岳の噴気孔や、希少な動植物たちに出合うことができる。中でも心を奪われるのは、一面に咲く裾合平のチングルマだ。
7月下旬ごろまでは白い花を咲かせ、8月下旬ごろからは綿毛と紅葉した葉が真っ赤なじゅうたんのように輝く。目的地までは比較的平坦な登山道で、道標もあるため、登山初心者でも安心して楽しめる。登山道脇に作られた野天風呂は泉質も眺めも最高だ。
【2】新潟県|赤湯温泉 山口館
徒歩約2時間20分
難易度 ★★★
●コースタイム:小日橋(50分)-棒沢橋(30分)-鷹ノ巣峠(60分)-赤湯温泉「山口館」
●アクセス:JR越後湯沢駅から小日橋の駐車場まで約40分。小日橋の駐車場から赤湯温泉山口館まで徒歩約2時間20分。
最上流の秘湯を目指す軽登山
苗場山南麓にある小日橋のゲートから、五合目の「赤湯温泉山口館」へ向かう登山コース。始めは、清津川に沿って歩くので、川の眺望を愛でながらハイキング気分を味わうことができる。
棒沢からは一気に登山道らしくなるので、踏ん張りどころ。清津川の最上流部に湧く「山口館」周辺は、河原の至る所から湯が湧く温泉天国。宿の露天風呂「玉子の湯」は、黄金色に輝く湯が溢れ、開放感も抜群!大自然に抱かれながら湯浴みをすると、ずっとここに居たくなる。
【3】岩手県|草の湯温泉
徒歩約30分
難易度 ★
●コースタイム:草の湯コース登山口(30分)-草の湯
●アクセス:JR盛岡駅から草の湯コース登山口まで車で約1時間30分。登山口から草の湯まで徒歩約30分。
探検気分を味わえる湿原ハイキング
八幡平市安比高原にある草の湯コース登山口から八幡平山頂に向かうトレッキングコースの途中、登山道脇にある野湯「草の湯」で折り返す、片道30分のお手軽コース。所要時間は短いものの、ミズバショウが群がる湿地帯や、小川を2回ほど渡るなど、ちょっとしたアドベンチャーを満喫できる。
ぬかるみが幾つかあるので、足元は防水のトレッキングシューズや長靴がお薦め。緑に包まれた登山道から視界がパッと開け、登山道脇に乳白色の川と露天風呂が現われる瞬間は感動もの。
【4】長野県|本沢温泉
徒歩約3時間
難易度 ★★★
●コースタイム:みどり池入口(1時間50分)-みどり池(1時間10分)-本沢温泉
●アクセス:JR佐久平駅からみどり池入口まで車で約50分。みどり池入口から徒歩約3時間。
シラビソ林の水鏡に息をのむ
八ヶ岳の東側の山腹に位置する稲子湯前から登山道に入り、みどり池を経由し、標高2,150mの「本沢温泉」までのハイキングコース。登山口から登ること約2時間でたどり着くみどり池、ここで景色を愛でながらひと息つきたい。
緑色に輝くシラビソ樹林と背景にある天狗岳を水面に映し出す水鏡は、登った人だけが出合える感動の景色だ。みどり池からの道は平坦で、途中の湿原も楽しい。ゴツゴツとした河原、背景に佇む硫黄岳、秘湯感バツグンの野天風呂だ。
【5】大分県|法華院温泉山荘
徒歩約2時間50分
難易度 ★★
●コースタイム:長者原登山口(1時間30分)-雨ヶ池越(1時間)-坊ガツル(20分)ー法華院温泉山荘
●アクセス:JR豊後中村駅から長者原登山口まで車で約50分。長者原登山口から徒歩約2時間50分。
貴重な植物に出合える
長者原登山口から雨ヶ池経由で「法華院温泉山荘」まで行くコース。「法華院温泉山荘」へ行く多様なコースの中でも、「九州自然散策路」を通り抜ける、このコースが最も緩やか。特に人気のシーズンが、ミヤマキリシマ(国指定天然記念物)が咲く初夏、そして、湿原坊ガツルがススキで埋めつくされる秋だ。
木道に沿って湿原を歩くのは最高!?「法華院温泉山荘」の泉質は“傷の湯”ともいわれる硫酸塩泉。白い湯の華が舞う源泉かけ流しの湯は、いつまででも入っていられる心地よさだ。
▼参考記事
東京から車で数時間!関東近郊の秘湯7選
世界遺産に認定したくなるような秘湯を探し、その絶景を独り占めしたい!そんな体験が東京から車で数時間でも可能!?秘湯体験家の渡辺裕美さんに、関東近郊のおすすめの一人でも楽しめる秘湯を教えてもらった。
関東近郊の秘湯
【1】栃木県|両部の滝
住所:栃木県那須郡那須町
温泉について:野湯(設備なし)。
アクセス:登山道、けわしい山道あり。渡渉(川を渡る)、川歩きあり。薮漕ぎあり。
注意点:●登山道から外れるので、GPSアプリなどを使って自分の位置を確認すること。 ●途中、軽い薮漕ぎと渡渉あり。登山靴、長袖、長ズボン、手袋が必要。 ●クマ除けグッズは必ず装備すること。●冬期閉鎖期間あり。閉鎖期間要確認。
那須塩原の奥に潜む一軒宿と天然の湯滝をめぐる“気分は山伏”コース
那須・茶臼岳西側八合目付近にある2つの向かいあう滝で、地元の人にもほとんど知られていない。2つの滝のうち、「雌滝」は、山岳信仰のご神体ともなった源泉湧出地(御宝前)を水源とする、温泉の滝。出発は、「沼ッ原湿原」登山口から。登山道を約1km進み、「日の出平」への分岐手前で左に藪漕ぎをし、「パイプ」に沿って獣道を約2時間歩くとたどり着く。「雌滝」周辺には、湯気が漂い秘湯ムード満点♪ 神々しい景色に息をのむ。
【2】栃木県|三斗小屋温泉 煙草屋旅館
営業期間外/0287-73-4567(12~20時)
住所:栃木県那須塩原市板室910
営業:4月中旬~11月下旬
モデル料金:1泊2食つき1名 12,500円~、日帰り入浴/大人1,000円 ※営業期間は要電話確認
温泉について:宿泊施設、温泉を管理する山小屋などがある。内風呂あり。露天風呂あり。日帰り入浴可能。
注意点:登山道、けわしい山道あり。要クマ除けグッズ。冬期閉鎖期間あり。閉鎖期間要確認。
江戸時代は山岳信仰の行者でにぎわった秘湯
三斗小屋温泉は、康治元年(1142年)に発見された那須七湯のひとつで、江戸時代には、那須・茶臼岳の八合目に面した源泉の湧出地(御宝前)をご神体とする山岳信仰の行者でにぎわった。煙草屋旅館の魅力は、ひなび感と絶景の露天風呂!昼間は青空と山の稜線を、夜は満点の星を眺めながら湯浴みができ、心地よさに時間を忘れてしまう。
【3】栃木県|日光奥鬼怒温泉郷 八丁の湯
温泉について:宿泊施設、温泉を管理する山小屋などがある。内風呂あり。露天風呂あり。日帰り入浴可能。
注意点:●女夫渕無料駐車場の先は自家用車等での入場はできない。駐車場から歩くか、事前予約制の無料送迎バスを利用すること。 ※お昼の休憩か宿泊のみ無料送迎を利用できる。●国立公園内のため、花や草木を採取することはできない。
奥鬼怒名湯のすぐ近く、“探して見つけて穴場秘湯”コース!!
栃木県・日光市「女夫渕無料駐車場」から歩いて約1時間半でたどり着く、関東最後の秘湯宿。湯の華舞う良質なかけ流しを日帰りでも楽しめる。宿に行く途中にある『カッタテノ滝』を通りすぎる時に現れる「遊歩道案内看板」。じつはその川を挟んだ対岸に、ひっそりと野湯が湧いている。岩の間から湯船へと注がれる熱々の源泉に湧き水を足せば、自分好みの温度の湯に。対岸からは見えないし、人も訪れないので、誰の目も気にせず至極の野湯時間を楽しめる。
野湯は『女夫渕無料駐車場』から徒歩約40分。ヒントは「カッタテノ滝の裏」。
▼参考記事
【4】神奈川県|湯河原温泉 神谷キャンプ場
テントサイト:芝、木立の中など3ゾーン
温泉について:●泉質 ナトリウムーカルシウム・塩化物・硫酸塩泉 ●色・におい・味 無色透明、無味無臭
アクセス:(車)西湘バイバス石橋ICから約18Km 約30分/(電車と車)湯河原駅から車で約10分 ※館内設備:管理棟(温泉、キッチン、冷蔵庫、内湯、トイレ完備)
東京から車でたった1時間半!原生林が広がる自然の中で極上の温泉を楽しむ
東京から車でたった1時間半、小鳥のさえずり、原生林が広がる自然たっぷりのサイトで「極上の温泉」が味わえるキャンプ場。万葉集にも出てくる名湯『湯河原温泉』の街から、さらに車でグネグネと丘を上り15分ほど、高台にある奥湯河原エリアにある『湯河原温泉 神谷キャンプ場』。東京から近いが、都会の喧騒とは無縁の場所にある。
なぜ「極上の湯」が味わえるかというと……。じつはオーナーの神谷さんは、湯河原温泉に温泉を供給する『湯河原温泉地所株式会社』の社長。その社長が私物の温泉付別荘と敷地を開放し、キャンプ場にしているから。そして、その敷地内にある温泉がこれ。レトロなライオンの湯口から新鮮な湯が注がれ、一人入ったらいっぱいの小ぶりな湯船は絶えず溢れかえっている!「う~ん、湯がよすぎてトロケてしまいそう……」。浸かってみると鮮度がいい時につく細かい泡が肌に付着し、思わずニンマリ! 経験上、大きな湯船に何十人もの人が入る温泉より、小ぶりだけど湯が溢れている温泉に一人で浸かるほうが鮮度が断然よく、数倍幸せに感じることが多い。
パッと思いついて都内から日帰りでも行けるキャンプ場は数あれど、この穴場感と泉質のよさ……。独り占めを狙って「平日仕事をサボってでも行きたい」と思うのは、わたしだけではないような気がする。
▼参考記事
【5】栃木県|甘湯新湯
温泉について:●泉質 不明 ●色・におい・味 オレンジ色、微金気臭
アクセス:JR東北新幹線 那須塩原駅から県道56号線を経由し、林道ゲートまで車で約50分。林道ゲートから温泉まで徒歩20分。
注意点:●夏はブヨ、アブなどがいる。長袖、長ズボン、虫よけスプレー携帯をおすすめする。●ゴミなどは必ず持ち帰ろう。
自分好みの湯加減で楽しめる秘湯
那須塩原市にある湿地帯『日光国立公園 大沼園地』近くの林道ゲートから、徒歩20分でたどり着くお手軽秘湯(ヒントは県道56号線♪)。林道ゲートから鬱蒼と茂った木々のトンネルをくぐり、奥へと進む。
「おーっ!なんて美味しい空気」。 やや荒れた林道をしばらく下ると、1本の沢にぶつかるが、この沢周辺の空気が都会とはまったく異なり、めちゃくちゃ澄んでいることに驚く。塩原の温泉街には何度も行ったことがあるが、こんなキレイな避暑地がまだあったとは……。
歩き始めて15分ぐらい。進行左側に出てくる「路肩注意」の標識を注意して見ていてほしい。ここから沢に向かって土手を下る。
沢に下りたら、飛び石をうまく使って対岸へと渡る。……すると、あった~!大きな岩に隠れるようにして、ひっそりと湯気を上げてたたずむ秘湯『甘湯新湯』。すぐ脇にある岩の間から、15℃の沢水と69℃の温泉が一緒に流れ落ちて湯溜まりになっている。石を積んで堰き止めたりして温泉の投入量を調節し、自分の好きな湯加減にすることができる。まさに「天然の蛇口」つき露天風呂♪
「完成~!」わたしは、ぬるめが好きなので、37℃の湯船に調整。
何が最高って…お湯の鮮度もさることながら、この渓谷美を独り占めできるってところ!ソロ秘湯ならではの楽しみ、ぜひ時間を気にせず、目と肌を保養しよう。
【6】群馬県|白根三段滝温泉
温泉について:●泉質 酸性 ●色・におい・味 透明、酸味
アクセス:JR吾妻線草津長野原駅から国道292号線経由で、レストハウスまで車で約40分。レストハウスから温泉まで徒歩約20分。
注意点:●標高が高いので夏でも気温は低い。ウインドブレーカー、雨合羽など防寒着を持参しよう。●ゴミなどは必ず持ち帰ろう。
滝つぼのはしご湯が最高!標高約2000mの秘湯
白根三段滝温泉は、長らく噴火警戒レベルの関係で立ち入ることができなかった『草津白根山』の麓にある。この温泉に行った方の紹介ブログでは、沢登りふうでアクセス困難になっているが、今回わたしが紹介するヒントを頼りに行けばきっと楽に到達できるはず。スタートは、「某レストハウス」から(大ヒント♪)。レストハウスの駐車場に車をとめて、まずは遊歩道を歩く。この時点で標高は約2,000m、夏でも肌寒いので服装にはくれぐれもご注意を……。
徒歩約20分、突き当たった沢の一部からほんわり湯気が上がっているのが見える。沢の水を手で掬って舐めてみると……なんと「酸っぱい!」。ここは、魚も棲めないぐらい強い酸性の温泉が湧いている特殊な沢。上流から下流までは何か所か巨大な滝があり、沢登り好きの遡行コースとしても人気。
しばらく沢に沿って歩いていくと……あった!これぞ『白根三段滝温泉』。この滝壺の脇には幾つもの源泉が湧き出ており、沢と混ざって34℃のぬる湯になっている。体温より少し低めの温度、これが夏場には特に気持ちいい。
車を下りて徒歩20分でこのワイルド野湯には驚く。 このアクセスのお手軽さと、対照的な自然そのまんまな景観、手つかず感が、秘湯愛好家でなくとも満足できること間違いなしだ。
全国のおすすめ秘湯
ソロ秘湯歴17年の秘湯体験家・渡辺裕美さんに、全国のおすすめの一人でも楽しめる秘湯を教えてもらった。紅葉の穴場、絶景の名湯、臭いが独特な病みつきになる秘湯など、厳選して紹介。
全国のおすすめ秘湯
【1】北海道|芽登温泉 芽登温泉ホテル
温泉について:●泉質 単純硫黄温泉 ●におい 硫黄臭
アクセス:(十勝帯広空港から車)国道241号線、道道88号線経由で1時間40分。
注意点:写真は、平成27年の露天風呂回収工事前の露天風呂で、現在はフェンスやベンチなどが新設されている。
アクセス簡単!四季折々の原生林の姿に感動する
芽登温泉ホテルは、北海道足寄郡足寄町に位置する原生林に囲まれた一軒宿。ひとくちに「一軒宿」といっても、北海道のそれはレベルが違う。お宿までは、最寄りの足寄市街地から車で40分もかかるし、途中、トドマツ、エゾ松など木のトンネルが頭上に広がる未舗装道路(ダート)を3kmほど走ったところにある。つまり、山の奥の奥!「3密とは、ほぼ無縁」いや、それどころか「人と野生の動物、どっちが先に出会う」というレベルの秘境なのだ。
お目当てはなんといっても、川沿いの混浴露天風呂!目の前は清流、きらきらと輝く赤や黄色の紅葉に包まれて「ああ、これぞ、自然のごほうびだわ」。さらにこの芽登温泉は、お湯も極上。60℃の源泉を1滴も水を加えず温度を下げる、というこだわりよう。アルカリ性で薄っすらと漂う硫黄の香りとつるつる感…もう、うっとりするくらい好きなお湯。そうそう、露天風呂だけじゃなく、内湯も入浴必須だ。「内湯の窓から見る紅葉がキレイ」ということもあるが、それとは別にもうひとつ理由がある。
それはズバリ、「豪快なお湯の波」。床一面が波打つほど、豪快にお湯がかけ流される様子は北海道でも珍しい光景。この贅沢さ…やっぱり山奥にはいい湯が湧いている。
旅行に行けないストレスや、心身の疲れを癒すのにぴったりな、この芽登の紅葉温泉。「今年の紅葉のうちには行けそうもない」というアナタ、大丈夫。じつは厳冬期の芽登温泉は、周辺の気温が-20℃以下にもなり、温泉蒸気がびっしりと木の枝に張りついて「樹氷」の眺めを楽しむことができる。 四季折々、美しく変化をとげる原生林に囲まれた、まさに北海道ならではの景色を満喫できる温泉宿だ。
▼参考記事
【2】岩手県|藤七温泉 彩雲荘
住所:岩手県八幡平市松尾寄木北の又
営業:4月下旬から10月下旬 ※営業期間は要電話確認。
モデル料金:1泊2食つき大人2名12,364円~ 大人1名13,750円~、日帰り入浴/大人650円
温泉について:宿泊施設、温泉を管理する山小屋などがある。内風呂あり。露天風呂あり。日帰り入浴可能。
注意点:冬期閉鎖期間あり。閉鎖期間要確認。
気分はジャグジー!天然のジャグジー風呂を楽しむ
八幡平の山頂付近標高1,400mの位置にある秘湯の宿。魅力は、足元からぷくぷくと湧く「天然のジャグジー風呂」。底の泥と一緒に高温の温泉が湧いてきて、気泡が肌をくすぐる感じがたまらない。泥を手足に塗って時間をおけば、「天然の泥パック」に。保温効果で血流が良くなり、肌のトーンが一段明るくなったような気分になる。
▼参考記事
【3】岩手県|国見温泉 石塚旅館
住所:岩手県岩手郡雫石町橋場国見温泉
営業:5月中旬~11月初旬(その他は冬期休業)
モデル料金:1泊2食つき(2名~)大人1名14,780円~、日帰り入浴/大人700円
温泉について:●泉質 含硫黄ーナトリウムー炭酸水素塩泉 ●色・におい・味 蛍光グリーン、アブラ臭+硫化水素臭、苦み
アクセス:JR東北新幹線 盛岡駅から。国道46号、県道266号を経て車で約50分。
ビビットな蛍光グリーンの美しい湯!「アブラ臭」が病みつきに
岩手県秋田駒ケ岳の麓にある『国見温泉 石塚旅館』は「アブラ臭」がする秘湯の宿。この温泉は、わたしが駆け出しの秘湯愛好家だった頃、東北の温泉師匠に連れていってもらい、その自然の神秘に価値観が一転した思い出の場所。
何がそんなに衝撃的だったかというと……まず湯の色。「これ本当に温泉?バスなんとかっていう入浴剤入れたんじゃない?」って、目を疑いたくなるほど、ビビットな蛍光グリーン。こんな美しい色の湯、日本中探してもなかなか見つからない。次に臭い!初めて訪れた時のわたしの湯巡りメモには「ツーンと鼻をつくような墨汁の臭い」と記録していたが、こちらも「アブラ臭」の一種。独特なこの香りを「国見臭」と表現する人もいる。
「国見臭」は、一部の秘湯ファンから高級パフュームと同じような感覚で「最高のアロマ」として、もてはやされている。わたしも帰りの新幹線で自分の服についた臭いをくんくん嗅いで、ニンマリしてしまったほど(笑)。
【4】宮城県|クレーターの湯
温泉について:●泉質 不明 ●色・におい・味 泥湯のようなグレー、アブラ臭
アクセス:JR東北新幹線 古川駅から車で約1時間10分。国道108号、県道249号を経て徒歩約30分。
注意点:●登山道はないので、GPSアプリなどを使って目的地、現在地を確認しながら進むこと。●途中、軽い藪漕ぎと渡渉がある。登山靴、長袖、長ズボン、手袋が必要。●県道249号『岩入一迫線』は、毎年11月下旬~4月下旬冬期間の通行止めとなるので注意してほしい。
躊躇する湯の色とは裏腹に、温かい泥に身体が包まれて最高に気持ちいい
『クレーターの湯』はバラエティー豊かで個性的な泉質が結集している宮城県の『鳴子温泉郷』から車で約30分走った先、県道249号『岩入一迫線』付近の河原に湧く野湯。こちらにも鳴子温泉に負けないぐらい個性的な湯が湧いている!アクセスだが、道路からは決してその姿を見つけることはできず、獣道を下りて川沿いを遡上する。
小さな沢を20分ぐらい歩くと、辺り一面いたるところから白い噴気を上げて温泉が湧いている場所がある。「お~、ワイルド!」。でも、ここはわたしの目指すゴールではない。目的地はこの噴気を越えた先にある。
しばらく進むと、コールタールのような鼻をツンとつくアブラ臭が漂い、目の前に突然、巨大な沼が現れる。湯面にはプクプクと気泡が。じつはこれ、れっきとした「温泉」で、底から泥と一緒に熱々の湯が湧いている。しかし、まったく気持ちよさそうには見えないが…見た目は、どちらかと言えば不気味で「底なし沼」のよう。
このビジュアルだから、初めて見た時は「入浴」なんて発想にならなかったものの、「せっかく宮城まで来たんだから……」と自分に言い聞かせて浸かってみた。底に高温の源泉が湧いている可能性があるので、火傷をしないようクロックスを履いて、一歩一歩底を確認しながら、沼の端から中央へと徐々に近づいていく。しかし、足が泥にはまって一歩踏み出すのも一苦労、本当に底なし沼かと思って焦る。ようやく中央付近まで辿り着いてゆっくりと肩まで浸かる……。「うわっ、気持ちいい!」。グロい見た目とは裏腹に、温かい泥に身体が包まれて最高に気持ちいい。まるで、泥湯で有名な大分県の『別府保養ランド』に浸かっているような心地よさ。ちなみに沼湯の中央、この写真の場所はかなり深くて、159cmのわたしはかろうじて足先が届くくらい。用意してた枝につかまり何とか平衡を保っている状態(笑)。無理のないよう慎重に足下を確かめながら入浴してほしい。
▼参考記事
【5】新潟県|梶山元湯
※体験ツアーの予約はサイトでメール予約
温泉について:野湯。※設備なし。
注意点:●梶山元湯洞窟温泉は私有地。洞窟温泉体験ツアーでのみ利用可能。●料金はメールにて要問い合わせ。●登山道、けわしい山道あり。●渡渉(川を渡る)、川歩きあり。●要クマ除けグッズ。●冬期閉鎖期間あり。閉鎖期間要確認。●複数人で行くか、ガイドが必要。
開湯1823年、歴史とロマンを感じさせる宿と“天然洞窟”をめぐる通なコース
アクセス困難で行きづらかった天然の洞窟温泉『梶山元湯』。その憧れの野湯が、地元の人によって整備され、2020年6月より「秘湯ツアー」になった。参加すれば、ソロでも案内してもらえる。所要時間は徒歩で約1時間。途中、急なスロープはあるものの、ザイルが張られているので安心して進むことができる。到着したら、お湯をためるのに約30分お待ちを。ぬるめで炭酸ガスの清涼感があり、つるつるの肌触りは秘湯愛好家の間でも絶賛されている。
【6】新潟県|雨飾温泉 雨飾山荘
営業:5月上旬~11月上旬
モデル料金:1泊2食つき1名10,500円、日帰り入浴/大人500円 ※営業期間は要電話確認
温泉について:宿泊施設、温泉を管理する山小屋などがある。内風呂あり。露天風呂あり。日帰り入浴可能。
注意点:冬期閉鎖期間あり。閉鎖期間要確認。
携帯の電話も通じない、自家発電のリアル秘湯
雨飾山の北面、標高880m地点にある「雨飾温泉(別名:梶山新湯)」の一軒宿。開湯は1823年で、近くの野湯『洞窟温泉 梶山元湯』とともに長い歴史を持つ。携帯の電波も通じない、電気は自家発電のリアル秘湯。21時の消灯後、混浴露天風呂「都忘れの湯」にランプを灯しながら浸かるのはなんとも幻想的だ。
▼参考記事
【7】富山県|阿曽原温泉小屋
テントサイト:あり(キャンプ場の予約は受けつけていない)。
温泉について:●泉質 単純温泉 ●色・におい・味 微硫黄臭
アクセス: 黒部峡谷鉄道 欅平駅から水平歩道経由で阿曽原温泉まで歩いて約5時間30分。
注意点:
●ルートの「水平歩道」は観光用を目的としていない。自分が歩行できるか、道の状態や通行止めなどルート情報の下調べは必要不可欠。落石、滑落など事故に対しても自己責任。熟練の登山者か山岳ガイドの同伴が必要だ。
●登山道の状況、宿泊空き情報については『阿曽原温泉小屋』をチェックしよう。
●テント泊、入浴のみの場合でも、阿曽原温泉小屋の受付で料金を支払うこと。
●秋の行楽シーズンは混雑するので、事前に宿に空き状況を確認すること。
●国立公園内なので、花や草木を採取することはできないので注意しよう。またゴミは必ず持ち帰ること。
通称「日本一危険な温泉」!超上級者向けの黒部の秘湯
阿曽原温泉小屋は、通称「日本一危険な温泉」と呼ばれ、ベテランの山屋さん、体育会系秘湯ファンからは憧れと人気を誇る黒部の秘湯。何が危険かというと、とにかく山小屋までのアプローチ!断崖絶壁をコの字にくりぬいた、幅わずか1m、高低差350mの峡谷の崖沿いの「水平歩道」を13km(片道約5時間半)歩かないと行けない。そもそもココだけは「ソロ秘湯」ではなく、『登山のプロ』の同行なしでは無理な世界。高所恐怖症の方、登山慣れしてない方には申し訳ないが、話の種として楽しんでほしい。
「水平歩道」は、『欅平駅』から『阿曾原温泉』、そしてその先の『仙人谷ダム』までをつないでいる。もともとは黒部川上流の発電所、ダム建設のため関西電力によって建設されたものだが、現在も巡視路として使われている。観光用ではないので「手すり」なんぞない!唯一、岩壁側に手すり代わりの鉄線が貼られているので、それをしっかり持ちながら歩く。後ろを振り向いたりするときに、岩壁にザックが引っかかって転落しないように注意しよう。
「その先に山小屋があるから行っても大丈夫」では決してない。あくまでも「行ける自信のある方」、「行くことに自分で責任が持てる方」のみが許される場所。温泉ではないが「富士登山」だって同じことじゃないでしょうか…。
紅葉の話に戻るが、『阿曽原温泉』にたどり着くまでの道中は、赤や黄色やオレンジに染まったココでしか味わえない絶景が目に入る。見ごろは9下旬~10月半ば。ちょうど、わたしが訪れたのも10月頭だった。神経質になりながらの長くて単調な道中も、時々足を止めて辺りを見回すと、本当にありがたい目の保養になった。
待ちに待った至福の温泉!峡谷にせり出すように設置された湯船からは、山の稜線と紅葉の絶景が一望できる。景色だけではない!下の写真の煙が出ているトンネル「高熱隧道」に源泉のプールがあり、そこから湧きたてのお湯が豊富にかけ流されていて、鮮度もバツグンだ。
▼参考記事
【8】長野県|七味温泉 紅葉館
七味温泉 紅葉館 第2露天風呂(おばあちゃんのお風呂)
2湯目の温泉は七味温泉 紅葉館が管理する向かいの無人小屋の湯。冬季限定の貸切風呂で今は亡き紅葉館のおばあちゃんが管理していた温泉ということで、その名前が付いた。渓谷に面し、秋は色とりどりの紅葉、冬は雪景色が眺められる。
源泉で温泉卵を作れる場所を発見。約40分でぷるんぷるんの温泉卵のでき上がり。
何個でも食べられる
以前は300円を料金箱に入れて入るシステムだった。いかにも秘湯らしい。
どこを見ても白銀の世界が広がる。
タヌキも出るよ♪
▼参考記事
【9】鹿児島県|湯の池地獄・通し川の湯
住所:鹿児島県霧島市牧園町
温泉について:野湯 ※設備なし。
注意点:登山道、けわしい山道あり。薮漕ぎあり。ボッケと呼ばれる高温の地獄地帯が多数あるため、行く際は登山靴を履こう。
九州屈指の温泉地、霧島で味わう“生まれたての湯めぐり”コース!!
霧島の山奥に、西日本では最大級と思われる広大な地獄が存在している。名前は「湯の池地獄」。地下から火山ガスや高温の温泉が泥と一緒に噴き出している。地獄の下流は「通し川」と呼ばれ、底から湧く高温の源泉と沢水が混ざって、入浴可能なぬるめの湯の川になっている。湯気を上げながらブルーの湯の川が流れる様子は神秘的で感動ものだ。アクセスは、『霧島温泉 旅の湯』から車で10分のところにある林道ゲートから徒歩で約40分。
地獄を訪れる際は装備は必須、足もとをよく確認し、火傷に要注意。
【10】鹿児島県|新湯温泉 民営国民宿舎霧島新燃荘
温泉について:宿泊施設、温泉を管理する山小屋などがある。内風呂あり。露天風呂あり。日帰り入浴可能。
濃厚なミルキーブルーの湯だから、混浴だけど女性も気兼ねなく入浴を楽しもう
霧島市牧園町、標高920mの山間にある一軒宿。ひなびた木造の浴舎、漂う硫黄の香り…いかにも湯治場らしい雰囲気。「硫黄泉」の規定値の約10倍という多量の硫黄成分を含む濃厚さのため、風呂場には「30分以上の入浴はしないで、再入浴は1時間あけて」などの張り紙もある。濃厚なミルキーブルーの湯で、混浴だが女性も気兼ねなく入浴を楽しめる。
秘湯を目指すときの注意点
●ここに掲載されている秘湯には、いわゆる「温泉宿」以外に、まったく道も施設もない「野湯」が含まれる。野湯を目指す際は、自然が相手なので予想外のリスクを伴う(道迷い、豪雨、落石、土砂崩れ、落雷、倒木、有毒ガス、高温熱湯、クマなどの危険生物との遭遇など)。事故や被害にあってもそれは自己責任。また、登山道をそれ、国立公園や国有林、私有地へ入る際には規則があり、事前申請や入林届が必要になる場合がある。事前に下調べをし、ルール、マナーをしっかり遵守しよう。ひとりで不安な方は地元のガイドさんを随行、または複数人で訪れるようにしよう。また、宿に関しては冬期閉鎖など「営業期間」がそれぞれ異なる。天候によりずれる場合もあるので、必ず事前に確認しよう。
●野湯を目指す際には、事故対策の装備が必要だ。道迷い対策として、スマホとGPSアプリは必携、登山靴、渡渉(川を渡る)用のシューズ、ボッケ(泥火山から高温の熱湯が噴出している場所)対策の靴、手袋、落石対策のヘルメット、クマ除け(鈴、スプレーなど)、防虫スプレー、最低限の飲料水、野営の装備も必要な場合がある。
▼参考記事