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冬キャンプの魅力って?
冬キャンプには、夏キャンプにはない魅力がいくつもあります。冬キャンプの魅力を3つ紹介するので、どんな楽しみがあるのか見ていきましょう。
冬キャンプの魅力とは?
オフシーズンで人が少なく割引がある可能性
冬はキャンプのオフシーズンのため、夏に比べてキャンプをする人が少ない傾向にあります。そのため、キャンプ場の予約が取りやすく、場内も広々と使えます。
割引を実施しているキャンプ場もあり、お得なのも魅力の一つです。自分の時間に浸りたいソロキャンパーや、家族との時間に集中したいファミリーによいでしょう。
焚き火や雪遊びを楽しめる
キャンプといえば焚き火ですが、冬は焚き火の暖かさを満喫できるベストなシーズンです。
夏は焚き火が暑苦しくて避けていた人も、冬なら暖を取りに自然と近くに寄ってくるでしょう。夏は汗をかきながら食べていた温かい飲み物や食べ物も、より美味しく感じるはずです。
寒い中、焚き火を囲みながら普段はできない打ち明け話をするのも面白いでしょう。雪が降る地域なら、雪だるまやかまくら作りなどの雪遊びができるのも冬キャンプならではの楽しみです。
かまくらはクーラーボックス代わりにもできます。積もった雪を掘って間接照明を作るなど、アイデア次第で雰囲気をアップさせられるので、おしゃれなかまくら作りに挑戦してみましょう。
虫が少なく汗もかきにくい
夏キャンプでは、虫の存在によって「楽しさに水を差された…」と感じた経験がある人も多いのではないでしょうか。しかし、冬なら虫は冬眠の季節でもあるため、虫刺されや虫よけ対策の煩わしさから解放されます。
また、汗をかく不快感もないため、しっかりと保温ができればぐっすり眠れます。夏キャンプのように、入浴後に汗をかいて不快に感じることもありません。虫や汗による不快感が苦手な人こそ、冬キャンプに挑戦してみましょう。
冬キャンプの持ち物・服装
夏キャンプも冬キャンプも、持っていく基本の装備に大きな違いはありませんが、プラスしたいアイテムはあります。基本装備に加えて、冬キャンプだからこそ持っていきたい装備や服装を紹介します。
冬キャンプに持っていきたいアイテム・服装選びのコツ
冬用のテント・シュラフ・マット
冬対応のテント・シュラフ・マットを持っていない人は、夏用とは別にそろえた方がよいでしょう。冬キャンプにおいて、就寝中の寒さ対策は特に重要です。
通気性のよい夏用テントに比べ、冬用テントは生地が厚く作られており、冷たい風をブロックしてくれます。隙間風が入らないよう、スカートが付いているかも確認しましょう。
シュラフのスペックは、快適温度が重要です。快適温度とは快適に眠れる下限温度のことで、低いほど寒さに強いことを意味します。極限温度は、ギリギリ使用可能な下限温度のため、快眠を得るには快適温度を重視した方がよいのです。
マットのスペックはR値を確認します。R値は断熱性を表す指標のことで、高いほど断熱性が高くなります。冬にはR値4〜4.5以上が目安とされていますが、メーカーによって基準が異なるのが一般的でした。2019年発表の新規格『ASTM F3340-18』であれば、同一の基準で検査しているので、メーカーを超えて比較しやすくなっています。
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寒さ対策に欠かせない防寒グッズ
冬キャンプでは、以下の防寒グッズを持っていくと便利です。
- ストーブ(電気・薪・石油など)
- 電気ブランケット
- 湯たんぽ
- カイロ
ストーブの天板が平らになっているものは、コンロ代わりとしても使えるので便利です。薪ストーブなら、すす汚れやニオイの心配がありません。
電気ブランケットは下に敷くことで、底冷え対策が可能です。湯たんぽは、寝る前にシュラフに入れておくことで、シュラフに入った瞬間から温かい状態で眠れます。
カイロについては、燃料を使うハクキンカイロや充電式カイロなど、繰り返し使えるものが便利でしょう。いずれのアイテムも、後述する一酸化炭素中毒や低温やけどに注意が必要です。
服装は保温性重視!重ね着が基本
冬キャンプでの服装の基本は、ベースレイヤー・ミドルレイヤー・アウターの3層の重ね着です。ベースレイヤーは肌着に当たるため、肌触りのよさを重視しつつ、保温性もチェックしましょう。代表的なのは発熱性インナーです。
ミドルレイヤーは、洋服内部に温かい空気をキープする役割があるので、フリースがよいでしょう。アウターは雨風を防ぐ必要があるため、防水・防風性や透湿性があるものを選ぶことが大切です。ゴアテックスは防水透湿素材としても人気で、保温性を重視するならダウンジャケットも適しています。
ズボンや靴下も厚手のものを選ぶのが基本です。ズボンもダウン素材のものがあれば温かさを確保できます。加えて手袋やブーツなどの小物も防寒対策に役立ちます。
冬キャンプにあると便利な寒さ対策アイテム3つ
防寒対策のポイントを踏まえ、おすすめのアイテムを3つ紹介します。特にそろえておきたいシュラフ・アウター・暖房器具をピックアップしました。
ナンガ「LEVEL8 -23 AURORA LIGHT」
快適温度は-13度と、ほとんどのキャンプシーンで快適な睡眠をサポートするシュラフです。12月から2月までの厳冬期に適しており、770FPのダウンが高山地帯でもしっかりと体を温めてくれるでしょう。
ナンガの快適温度は、ヨーロッパの標準規格『ヨーロピアン・ノーム』に準拠しています。ヨーロピアン・ノームでの快適温度は、一般的な成人女性がストレスなく眠れる温度と定義されています。
素材は軽量で防水透湿機能を持つ『AURORA LIGHT』を採用し、ぬれに強いことも特徴で、ナンガの中でもハイエンドモデルのシュラフです。
ナンガ LEVEL8 -23 AURORA TEX Light
ザ・ノース・フェイス「ヌプシジャケット」
ザ・ノース・フェイスを代表する人気モデル『ヌプシ』のジャケットです。『CLEANDOWN』は丁寧な工程で精製された国内産の高品質ダウンで、2時間を超える洗浄・脱水、徹底した除塵・乾燥でダウンの持つ能力を最大限に引き出しています。
フードはビルトイン仕様で、使わないときは首元に収納して襟を作れます。パーカーにも干渉しないため、着こなしの幅が広がるでしょう。タウンユースのファッションアイテムとしてもおすすめです。
ザ・ノース・フェイス ヌプシジャケット(メンズ)
ホンマ製作所「時計1型薪ストーブ AF-60」
ホンマ製作所のベストセラーモデルの薪ストーブです。暖房と調理の2WAYで使え、天板に鍋やヤカンを置いて使えます。約26~30cmの羽釜がセット可能で、薪で本格的な羽釜ご飯を楽しめます。
重量が重くなりがちな薪ストーブですが、重量約5.9kgと比較的軽量で持ち運びも容易です。本体サイズは約40×60×34.5cmと車にも収納しやすく、冬キャンプに持っていくのにも適しています。
ホンマ製作所 時計1型薪ストーブ AF-60
冬キャンプの場所(サイト)の選び方
冬キャンプのサイトを選ぶポイントは、夏とは異なります。冬キャンプならでは場所選びのポイントを2つ解説します。
場所選びのポイント
海沿いのサイトを選ぶ
千葉や茨城など、海に近いところは冬でも最低気温が比較的高めで過ごしやすいでしょう。海は熱しにくく冷めにくいため、冬でも気温が低下しにくくなっています。ただし、海沿い特有の強風には十分注意してください。
一方で、山にあるキャンプ場は夜に冷えやすく、豪雪地帯では雪対策も必要です。ただし、コテージに泊まるのであれば、そこまで気にする必要はないかもしれません。通常のテント泊を考えており、寒さを避けたければ、海沿いや南の方にあるサイトを選びましょう。
電源など設備が充実しているサイトを選ぶ
初心者の場合、電源設備付きのキャンプサイトがおすすめです。電気ブランケットや電気ストーブを使うときに重宝します。電源設備がないサイトで電化製品を使いたいなら、ポータブル電源を用意しなくてはなりません。
ポータブル電源は気軽に購入できる価格ではないため、こだわりがなければ電源設備付きのサイトの方が手軽に冬キャンプを楽しめます。
電源設備がなく、寒さが苦手なら、コテージに泊まるのもよいでしょう。コテージならある程度暖かさが保証されているので、アクティビティに専念できます。また、お湯が出るかどうかも確認することが重要です。加えて、近くに温泉があると冬キャンプを満喫できるでしょう。
冬キャンプに向いているキャンプ場3つ
冬キャンプに向いているキャンプ場を3つ紹介します。宿泊施設をはじめとした防寒対策がしやすく、初心者でも楽しめるところばかりです。
冬キャンプにおすすめのキャンプ場
茨城|大子広域公園オートキャンプ場 グリンヴィラ
通年営業しているキャンプ場です。テニスコートや、多目的運動場・アスレチックなどがあり、アクティビティには困らないでしょう。通年入れる温水プールや温泉も完備しており、子どもから大人まで楽しめる要素が満載です。
サイトはフリーサイトだけでなく、プライベート性の高い個別サイトやキャンピングカーサイトも用意されています。キャビンもあるので、冬キャンプ初心者にもおすすめです。レンタル用品も充実しており、手ぶらキャンプも可能です。
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広島|大鬼谷オートキャンプ場
自然豊かなオートキャンプ場です。総数109区画あるサイトの中には、AC電源や水道・流し台を完備しているところもあり、テント泊もしやすくなっています。
ログハウスや約6~10人で宿泊できる貸別荘や、5人まで可能なツリーハウスもあり、初心者から上級者まで楽しめるキャンプ場です。冬にはかまくらが作れるほど雪が積もり、子どもたちも喜ぶはずです。スノーシューやそり遊びも有料で楽しめます。
山梨|PICA富士吉田
宿泊施設が充実しているキャンプ場です。山梨にありますが、コテージに泊まれば寒さ問題は解決できるでしょう。さまざまな宿泊プランが用意されており、ソロ・デュオキャンパーや子ども連れ向けのプランが豊富です。
食事付きを選べば、豪華なキャンプ飯を手軽に楽しめるでしょう。レンタル用品も多く、事前に予約すれば食材も現地で準備してもらえるので、少ない荷物で行けるのも便利です。キャンプ初心者から上級キャンパーまで楽しめます。
冬キャンプでの注意点
冬キャンプでは、主に暖房器具を使用する際に注意する必要があります。安全に楽しむために、しっかりと把握しておきましょう。
防寒グッズによる低温やけどに注意
低温やけどとは、44~50度程度の低温の熱が長時間皮膚に触れることで起こるやけどのことです。44度では約3~4時間、50度では約2~3分肌に触れ続けるだけで、やけどを起こしてしまうといわれています。
高温によるやけどと異なり、見た目の変化や痛みが少ないといわれています。それゆえ、気づかないうちに深くやけどを引き起こす可能性があるのが怖いところです。
湯たんぽや電気毛布を使用する際は、直接皮膚に触れ続けさせないことが重要です。湯たんぽは、保温が終わったら布団から出し、抱えたり触れたりしたまま寝るのは避けましょう。
ストーブを使うときは一酸化炭素中毒に注意
燃料を用いるストーブを使うときは、一酸化炭素中毒に注意が必要です。一酸化炭素中毒とは、酸素不足により発生する症状のことです。頭痛・頭がボーっとする症状からはじまり、進行すると意識を失う危険性もあります。
一酸化炭素は無味無臭なので、気づかないうちに進行する可能性があります。対策として、ストーブや火気をテント内に持ち込まないことが第一です。
また、テント内は換気をしっかりと行い、必要に応じて一酸化炭素探知機を使って管理しましょう。燃料の不完全燃焼も一酸化炭素が発生する原因の一つのため、使用前に機器の点検を行うことも重要です。
増加するキャンプ需要~初心者が守るべき注意点~|独立行政法人製品評価技術基盤機構
東京消防庁<安心・安全><トピックス><住宅で起きる一酸化炭素中毒事故に注意!>
まとめ
冬キャンプは夏とは違った楽しみ方ができます。オフシーズンのため人も少なく、ゆっくりと自然に向き合いたい人にはぴったりです。また、夏には暑苦しいと感じた焚き火も、体を温めてくれるありがたいアイテムになります。
冬キャンプは寒さとの戦いなので、防寒対策をしっかりすることが成功のコツです。ただし、暖房器具を使うときは、低温やけどや一酸化炭素中毒に注意が必要です。注意点をしっかりと守り、冬キャンプを存分に楽しみましょう。