観光の地、そしてハイキングやサイクリンクなどのアウトドア・アクティビティーを楽しめる場所としても親しまれる箱根。麓から見る山々、奥地で出会える秘境感など多彩な顔が魅力ですが、サイクリストにとってはヒルクライムの名所として人気の聖地です。
特に神奈川県側から芦ノ湖に至るコースのひとつである旧東海道は、険しい急勾配を走り抜けたときの達成感は言葉に尽くせぬものがあります。今回は、旧東海道から芦ノ湖までのコースを走りながら紹介します。
箱根湯本駅から約11km!ヒルクライムコースの全容
今回紹介するのは、箱根湯本駅近くの三枚橋をスタートし、旧東海道である県道732号線を登る片道約11kmのコース。このコース、ヒルクライマーなら登らずにはいられない垂涎ものの道です。三枚橋を走り出すといきなり急勾配が始まり、途中の須雲川インター周辺まではところどころ平坦地。それ以降は急坂が連続します。
そしてヘアピンカーブが続く七曲りに入れば、平均勾配10%、部分的には20%にはなろうかという激坂を必死の形相で登ることになります。七曲りを終えれば、ひと休み……なんてこともなく急勾配が続きます。しかし道中には甘酒茶屋があって体を休められます。
そんな甘酒茶屋を過ぎてわずかな急坂を登れば、ようやく勾配は緩まり732号線の終点は間もなく。1号線と合流したら、芦ノ湖まで駆け下りてゴール。決して楽ではないコースですが、登りきった先にある芦ノ湖や箱根の山々の景色を見れば心が洗われます。またかつて東西交通の重要な幹線道路だったことから、江戸へ必死で向かっていた人々への想いを馳せらる、そんな場所でもあるのです。
休憩・トイレスポットを事前にチェック!
本コースは序盤にコンビニやトイレがあります。それ以降、コンビニは芦ノ湖付近までありませんが、トイレは随所にあり、休憩スポットは茶屋付近、七曲りを少し下ったところなどにあり、傾斜が緩む場所でも体を休めることができます。水分と補給食はスタート地点付近のコンビニで入手しておくと良いでしょう。
いざ出発!
まずは、三枚橋をスタート。
いきなりの急坂で面食らいます。
序盤で無理をすると後半に使う脚がなくなってしまうので、無理せずギアを軽くして登ると良いです。
ところどころに平坦地があるので、そこで呼吸を整え、七曲りに備えます。
ここは急です……。
続いては樹林帯の中を行きます。坂を登るのは大変ですが、自然の中を走る爽快さは疲れを忘れさせてくれるます。
オレンジの案内板が見えるといよいよ七曲りへ。
七曲り入り口。気合いを入れましょう、。
さすが旧東海道屈指の激坂。気が抜けません。
七曲りというだけにコーナーが7つあるのかと思うかもしれませんが、実は7つ以上あります。数えると体力だけでなく精神力も削られていくので、景色を見ながら無心で登るのがおすすめです。
標高が上がり景色が変わるとテンションもアップ!
ようやく七曲りが終わりました。しかし、急坂は終わりません。
茶屋付近には休憩スポットがあります。
さあ、いよいよ終盤に突入です。
坂が終わり、お玉ヶ池に来れば勾配は緩まり、ようやく脚を休められます。
お玉ヶ池を抜け、坂を少し登れば732号線のゴールである1号線との合流地点に到着。
ここから1号線を芦ノ湖方面に下ります。
芦ノ湖は目の前です。
芦ノ湖に到着!一面に広がる湖面と青空、山々は箱根ならではの景色で、激坂を登りきった最高のご褒美です。この日は湖畔であんぱんと、魔法瓶に入れたお湯でスティックのミルクティーを飲んで体を癒やしました。
ゆっくり休憩して来た道を戻ります。往路は急な上りでしたが、復路は速度が出やすい下りになるので十分な減速を意識して走りましょう。
旧東海道を登って箱根の歴史を感じよう
神奈川県側から芦ノ湖に至る箱根旧東海道コースは、七曲りをはじめとした激坂が待ち受けるヒルクライマーにおすすめのコースです。観光地で車通りが多い道がある箱根において、静かで走りやすいのもこのコースの特長。
箱根旧東海道を登って、ぜひヒルクライムの醍醐味と箱根の魅力を心ゆくまで楽しんでください。