オートバイで行くキャンプは、荷物のコンパクト化に苦心する。そこで、だれもが考えるのが、テントではなくタープひとつで眠る「タープ泊」。虫が多いけれど、夏なら芯まで寒く感じるような冷え込みはない。そこで、6月下旬の北海道をタープ泊ですごしてみることにした。
場所は美瑛、富良野のそばにある白金温泉。本州は梅雨前線の影響で雨続きだが、さすがに6月の北海道はからりと晴れわたり、気温は約20℃。夜はひんやりとしていて10℃程度まで下がるが、風も弱く、薄手のダウンベスト1枚あれば余裕ですごせる気候だ。
「DDタープ」のスゴイ点とは?
今回の旅に持っていったのは、「DDハンモックス/DDタープXL」。
4.5×3mのシンプルなレクタングラー型(長方形)タープなのだが、周囲に16個、そして尾根部分に3つのループを備えており、それぞれ布で補強がなされている。つまり、ここにロープを通したり、ポールや枝をあてることで、さまざまな形を作れる仕様となっている。
ポールや木をを用いて設営可能で、ループにロープを通して木に渡したりすれば、いろいろな形を作れる。写真のように全閉すれば、急な冷え込みにも対応できる。
ただし、キャンプ場にポールにちょうどいい木が落ちている保証はないし、立木にロープをかけることを禁止するキャンプ場もある。事前にリサーチをして、コンパクトに収納できるタープポールやトレッキングポールを用意する必要がある。
バイクでキャンプをするときは、ハンドルやキャリアを利用するのもテだ。
この開放感、たまらない!
今回はトレッキングポールを持参して設営し、「オールウェザーブランケット」を敷いてみた。
ヘルメットとザックを余裕で並べられるほどの広さは感動だ。
案の定、小さな虫が多いけれど、風上で焚き火をして、追い出しに成功。
片側をあけた状態で一夜を過ごしたが、朝、目の前に森の景色が飛び込んでくる。その開放感がたまらない。
中に蚊帳(かや)を吊り下げてみた。
もう一泊は、試しに「ニンジャネスト」(蚊帳)を入れてみた。トレッキングポールの長さは115cm程度なので、「ネスト」にちょうどいい。
「DDタープXL」は「ニンジャタープ」よりもビッグサイズのタープなので、サイドもしっかりカバーする。この組み合わせは、雨の日や冬に重宝しそう。
偶然だが、ループの位置がほぼそろっている。ペグを共用できるはありがたい。
ネストのフロア面積は広いけれど、濡れモノは極力入れたくはない。タープの裾を折りこめば、濡れたヘルメットやグローブなど、ギアを置くスペースを作ることができる。
結論:クリエイティブな旅をしたい人に。
ただひたすら軽量化だけを目指すなら、ツエルトを選ぶのがベストだろう。
「DDタープ」は「XL」で1020g、小さめの「3×3m」で790g。ツエルトの倍ほどの重量だし、ウナ(総重量2.2kg)と比べてもトレッキングポールを加えると大幅軽量とはいえない。けれど、「DDタープ」には折り紙で遊ぶようなおもしろさがある。
「これができないなら、どうすればいい?」とその場で知恵を絞る“現場合わせ”を楽しめる人なら、一度はタープ泊にチャレンジしてみては。バイクで走るおもしろさに、キャンプ場では考える楽しさが加わり、無敵の休日になるのだから。
DDハンモックス/DDタープXL
【問い合わせ先】DDハンモックスジャパン
◎構成=大森弘恵