キャンプ用の鍋にはどんな種類がある?
キャンプ用の鍋には、いくつか種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説するので、まずはどのような種類があるかを把握しましょう。
キャンプ用鍋の種類
ダッチオーブンはキャンプ用鍋の代表格
ダッチオーブンとは、鋳鉄やステンレスでできた鍋のことです。厚手で蓄熱性が高いのが特徴で、焚き火や直火で熱しても壊れない耐久性を誇ります。
焼く・煮る・蒸すなど1台で何役もこなす万能さで、キャンプ料理を作りたいならまず検討したいアイテムです。
ただし、メンテナンスの手間がかかりやすいのが難点です。モデルによっては油で表面のコーティングをするシーズニングが必要で、怠るとサビの原因になってしまいます。道具の手入れの手間が増えてしまうので、本格的なキャンパーでないと面倒に感じるかもしれません。
重量が重いのもまたデメリットで、大きいものでは10kgを超える製品もあり、実際に手に取ってみると意外と重量があるのが分かるでしょう。
クッカーは軽量で種類が多い
クッカーとは、キャンプ用に設計された小型・軽量の調理器具のことです。コッヘルと呼ばれることもありますが、同じ種類を指します。主に炊飯や汁物・簡単な料理を作るのに向いています。
単体でも販売されていますが、鍋やフライパンなど複数の種類とセットで販売されていることも多いのが特徴です。クッカーは持ち手が収納でき、セット品ならスタッキングが可能で持ち運びしやすいのがメリットです。
キャンプ初心者なら、鍋一式がそろうセット品を買うのもよいでしょう。
メスティンは携行性に優れている
メスティンは飯ごうに似た調理器具で、主にご飯を炊くのに使われます。弁当箱のような形をしており、持ち手は収納できるものがほとんどなので、持ち運びがしやすいのが特徴です。
キャンプ初日に昼食を作る余裕がないときは、ランチボックスとして昼食を持っていくという使い方もできます。深さのあるものなら汁物も作れますし、肉や魚を焼くことも可能です。
1~2人が食べられるサイズが多く、ソロやデュオキャンプに向いています。ファミリーで使うなら、1人1個用意するといった工夫もできるでしょう。
家庭用の鍋は直火OKなものがおすすめ
家庭用の鍋を持っていくという選択肢もあります。家庭用の鍋のメリットは、購入費用がかからずコスパがよいことです。ただしキャンプ用には作られていないため、重くて持ち運びがしにくかったり、直火NGだったりする可能性があります。
キャンプシーンでは使いにくいことがあるので、持ち運びのしやすさや、直火対応か否かは事前にチェックしておきましょう。
なお、土鍋は運搬中に割れる可能性があります。新聞紙やタオルなどで包んで持っていくのがよいでしょう。
キャンプ用の鍋の選び方
キャンプ用の鍋を選ぶときのポイントを解説します。使用人数や作りたい料理、求める性能によって選ぶべきものが変わります。
選び方
使用人数に合ったサイズを選ぶ
まず、使う人数に合わせたサイズを選ぶことが重要です。持ち運びのしやすさにも関わるため、必要十分または少し余裕を持たせたサイズを選びましょう。
ソロキャンプなら0.5L、大人数なら5Lが目安です。ただし、容量ギリギリのものを選ぶとこぼれる可能性があるため、余裕を持たせておくのがおすすめです。
大人数の場合、大きい鍋1個では持ち運びや調理の効率が悪くなる場合もあるので、小さいサイズの鍋をいくつか持っていくのもよいでしょう。鍋が複数あれば、違う料理を同時進行で作れるため作業効率がよくなります。
求める性能に合った素材を選ぶ
キャンプ用鍋の代表的な素材は、以下の通りです。
- ステンレス
- アルミ
- 鉄
- チタン
- ホーロー
ステンレスはサビに強く、耐久性が高い素材です。保温性にも優れており、料理が冷めにくいですが、少々重量があります。
アルミは軽量で持ち運びがしやすいのがメリットです。熱伝導率がよく素早く加熱できる一方、耐久性はあまり高くないため、使い込むとへこんだり変形したりすることがあります。
鉄は強度が高く、焚き火や火力の強い調理方法に適しています。保温性も高いですが、重くてサビ対策の手間がかかるのが難点です。チタンは軽量で耐久性の高い素材ですが、価格が高い傾向にあります。
ホーローはデザイン性に長けており、サビや焦げにも強いのが特徴です。しかし、落とすと割れることがあるので、デリケートな扱いが求められます。
持ち運びしやすいかも要チェック
重さ・大きさ・スタッキングの可否など持ち運びやすさもチェックしましょう。例えばダッチオーブンは重いため、ソロキャンプにはあまり向きません。
一方でスタッキングが可能なクッカーセットなら、少人数のキャンプでも持ち運びがしやすくなっています。スタッキングタイプでなくとも、大きい鍋に小さい調理器具を入れて省スペース化をする工夫も可能です。
オートキャンプなら重さや大きさをさほど気にしなくてもよいですが、バイクや電車移動ならどうやって持ち運ぶかも考えておく必要があるでしょう。
キャンプにおすすめの鍋【ダッチオーブン】
本格的なキャンプ料理を作りたい人に向けて、ダッチオーブンのおすすめモデルを紹介します。面倒なシーズニングが不要のモデルもあるので、詳しく見ていきましょう。
ロッジ「キャンプオーヴン 10インチ L10CO3」
脚が付いており、焚き火や炭火の上や脇に置いて調理できる、老舗ブランドの大定番ダッチオーブンです。蓋の使い勝手がよいのが特徴で、蓋には縁が付いており、炭や薪を置いて加熱が可能です。これにより、上からも下からも加熱できるので蒸し料理やロースト料理が作れます。
さらに蓋を逆さにすると、鉄板としても使えます。中央がくぼんでいるので、コンロや炭の上に置いても安定し、調理がしやすいでしょう。
すでに大豆油でシーズニングされた状態で出荷されるため、使用前のシーズニングが不要です。お湯で洗ってすぐに使える手軽さも魅力の1つです。
ロッジ キャンプオーヴン 10インチ L10CO3
ロゴス「SLダッチオーブン10inch・ディープ」
シーズニング不要で、一度の丸洗い後すぐに使えるダッチオーブンです。IHにも対応しており、脚をなくすことで家庭でも使いやすく仕上げられています。
容量は約4L、重量は約5.5kgとファミリー向きです。サイズ違いも複数販売されているので、人数によって選びやすくなっているのもポイントです。
持ち運びに便利な収納袋が付いており、運搬の負担を軽減してくれます。オプション品を組み合わせれば、囲炉裏スタイルなどで調理ができ、使い方の幅が広がります。
ロゴス SLダッチオーブン10inch・ディープ
キャンプにおすすめの鍋【クッカー】
クッカータイプのおすすめモデルを紹介します。クッカーはセット品がおすすめです。
スノーピーク「HOME&CAMPクッカー19」
深鍋・ガラス蓋・フライパンのセットアイテムで、フライパンのハンドルは着脱可能です。フライパンでは炊飯など炒め物を、鍋では汁物や煮物を同時に作れるうれしいセットです。
ベルトを使ってしっかりと密閉できるため、家で下準備をして持参するときもこぼれる心配がありません。現地での調理の手間を省いてくれる便利なアイテムです。
収納時は3アイテムをスタッキングでき、収納袋に入れて持ち運べます。本体の素材はアルミで、クッカーの容量は約2.5Lと複数人でのキャンプに対応できます。
スノーピーク HOME&CAMPクッカー19
コールマン「アルミクッカーコンボ」
ポット・クッカー・ザルなどがセットになったアイテムです。すべてのアイテムはスタッキングが可能なほか、主要な素材としてアルミを使っているので総重量は約3kgと軽量です。ソロキャンプでも十分に持っていけるでしょう。
ポットの内側には焦げを防止するノンスティック加工が施されています。収納時は付属のネットに入れてからスタッキングすることで、加工の剥がれを防止できます。
使い勝手がよく、ソロから複数人でのキャンプまでおすすめのアイテムです。
コールマン アルミクッカーコンボ
キャンプにおすすめの鍋【メスティン】
メスティンは熱伝導率が高く、軽量なアルミ製が基本です。コンパクトに持ち運べるメスティンのおすすめモデルを紹介します。
トランギア「メスティン」
オーソドックスな形状をしたメスティンです。容量は約750ml、重量はわずか約150gの軽量さが売りで、持ち運びの負担がありません。運搬時には小物入れとしても使えるため、スペースの有効活用にも役立ちます。
トランギアのアルコールバーナーやゴトクを内部に収納可能で、さらにパンスタンドともサイズがぴったり合うなど、純正品との相性が抜群です。トランギアの周辺アイテムをすでに持っている人には、メリットが大きいでしょう。
トランギア メスティン
キャプテンスタッグ「アルミ角型クッカー」
容量約1L・重量約185gでサイズと軽量性のバランスが取れたメスティンです。形状はシンプルなボックス型で、使い道が広がります。取っ手は側面に収納できるため、持ち運びの際に邪魔になりません。取っ手は横開きのため、安定性も良好です。
本体内側には、米と水用の目盛りが付いており、最適な配分での調理をサポートします。容量にも余裕があるため、小物入れとしても活躍するでしょう。
キャプテンスタッグ アルミ角型クッカー
まとめ
秋冬のキャンプにとって、鍋はなくてはならないアイテムです。キャンプ鍋の代表格といえばダッチオーブンですが、重量が重いためソロキャンプにはあまり向きません。ソロキャンプにはクッカーセットなど複数のアイテムがセットになったアイテムがあると便利です。
人数が多い場合は、小さいサイズの鍋を複数持っていくのもよいでしょう。また、素材にはそれぞれ長所・短所があるため、自分の求める性能にマッチしたものを選ぶのがおすすめです。
次のキャンプには鍋を持っていき、温かい料理を楽しみましょう。