そもそもテント内で焚き火なんて…できるの?
一般的にテント内で焚き火はNGとされています。しかし中には、内部で焚き火ができるように設計されたテントも存在します。テント内で焚き火をすることの是非を確認しましょう。
テント内で焚き火をしてもいい?
焚き火可能なテントならOK
『焚き火可能』とされているテントを使い、注意事項さえ守れば、中で焚き火ができます。特に冬は寒い外よりも、テント内で焚き火をしたいと思う人が多いでしょう。
実際にテント内での焚き火は、天候に影響されない点や、屋外での焚き火が禁止されているところでもできる点から、多くのキャンパーに人気です。
温かいテントの中であれば長時間座っていても苦にならず、しっかりと換気をすれば簡単な料理をしてもよいでしょう。
一般的に禁止されている理由
多くのテントで焚き火が禁止されている理由には以下の2点が挙げられます。
- 火事やそれによるテントへのダメージの懸念
- 一酸化炭素中毒のリスク
テントによく使われるナイロンやポリエステルは、火の粉に触れると穴が空いてしまいます。そのため、焚き火の火の粉が飛ぶと、最悪の場合テントが全焼する恐れがあります。
また、多くのテントは焚き火をすることを前提に作られていません。そのため換気が不十分になりやすく、後述する一酸化炭素中毒に陥り、最悪の場合命に関わる危険性もあります。
テント内で焚き火をするときは、焚き火に対応したテントを選び、注意点を踏まえた上で行いましょう。
▼参考記事
テント「1. 一酸化炭素中毒に注意」 | 製品安全 | 製品評価技術基盤機構
焚き火OKなテントに使われるTC素材とは
焚き火可能なテントの多くには、TC素材が使われています。TC素材とは、ポリエステルとコットンをおよそ65%対35%で混紡した生地です。TC素材はよくも悪くもコットンの特徴が大きく表れます。
メリットやデメリットを解説するので、テント選びの参考にしましょう。
TC素材のメリット・デメリット
メリットは「火に強いこと」
TC素材のメリットは、以下の通りです。
- 火に強い
- 結露しにくい
- 遮光性が高い
TC素材は火に強いコットンを混紡しているため、耐火性に優れています。火の粉が飛んだ程度では穴が空きにくく、テント内でなくとも近くで焚き火をしやすくなっています。
さらにコットンが吸湿性を持っているため、結露しにくいのも魅力の一つです。また日差しを遮りやすく、朝のまぶしさを軽減してくれるため睡眠を邪魔されることが少ないでしょう。
デメリットは「乾きにくく重いこと」
TC素材のデメリットは、以下の通りです。
- 重い
- 乾きにくい
コットンは重量があるため、ポリエステル100%のテントに比べると重量があります。サイズが大きくなるほど重量も重くなるので、持ち運びの際に工夫が必要でしょう。
またコットンは水を吸収しやすいため、乾きにくいのも難点です。放っておくとカビが生える可能性もあるので、丁寧なメンテナンスが求められます。
テント内で焚き火をするときの注意点
焚き火がOKとされているテントでも、使い方を誤ると危険です。安全にテント内で焚き火をするための注意点を二つ解説します。
テント内で焚き火をするときに絶対守りたいポイント
必ず換気をする
テント内で焚き火をするときは、一酸化炭素中毒を防ぐために必ず換気をしましょう。一酸化炭素中毒の症状は、倦怠感や頭痛・ふらつき・嘔吐などが挙げられます。最悪の場合死に至ることもある恐ろしい症状です。
一酸化炭素は無色無臭のため、気づかない間に症状が進行する恐れがあります。テント内部で焚き火をする際は、焚き火可能なテントであっても、一酸化炭素チェッカーを使いましょう。
一酸化炭素チェッカーには、一酸化炭素の濃度が濃くなると、音や光で知らせてくれる機能があります。万全を期すために用意しておきましょう。
▼参考記事
東京消防庁<安心・安全><トピックス><住宅で起きる一酸化炭素中毒事故に注意!>
焚き火OKと書かれているテントを使う
テント内で焚き火をするときは、メーカーがOKを出しているテントでのみ行いましょう。そのほかのテントはテント内で焚き火をする想定で作られていないので、換気不足や燃焼の恐れがあります。
その上で、利用者自身も正しく利用し安全に焚き火をする心がけが重要です。例えば、テントの注意書きにベンチレーションを全開にするよう書かれているなら、必ず守りましょう。
使用方法を守らず事故が起きても自己責任です。テント内での焚き火はそれだけ注意する必要があることを覚えておきましょう。
焚き火ができるおすすめのテント
メーカーが『焚き火可能』『火の使用可』と謳うテントを四つ紹介します。テント内で焚き火をする際の注意点をよく読み、安全に使用しましょう。
ブランド・商品 | 画像 | 販売サイト | 詳細情報 | ||
---|---|---|---|---|---|
価格 | サイズ | 重量 | |||
テンティピ ジルコン CP | ¥187,000~378,400 | 直径380×高さ230~直径600×高さ360cm | 9.0~21.7kg | ||
テンティピ オニキス CP | ¥133,100~181,500 | 直径380×高さ230~直径530×高さ310cm | 8.7~14.2kg | ||
スノーピーク リゲル Pro. ストーブプラス | ¥1,485,000 | 約幅700×奥行450×室内高225cm | シェルター/約48.8kg、リゲルストーブ/約90.5kg(収納ケースを含む) | ||
DOD レンコンテント2L | ¥69,300 | 約幅500×奥行500×高さ350cm | 約16.9kg | ||
テンティピ 「ジルコン CP」
ワンポールテントで有名なテンティピのミドルエンドモデルです。素材にはコットンとポリエステルを混紡した『Cotpolmex Comfort』を使用しており、耐熱性を確保しています。
通気性がよいため結露がしにくく、インナーテントを使わなくても十分に性能を発揮するでしょう。トップにベンチレーションが設けられており、手が届かなくても下部から操作が可能です。
ボトムにもベンチレーションを付けることで、焚き火ができるモデルに仕上がっています。
テンティピ ジルコン CP
テンティピ 「オニキス CP」
テンティピのベーシックなモデルです。シリーズの中でも装備を軽装化し、初心者でも使いこなしやすいモデルに仕上がっています。
素材はコットンとポリエステルの混紡である『Cotpolmex Comfort』を使用し、耐結露や遮光性、耐熱性を確保しているのが特徴です。トップのベンチレーションを開くことで、内部で焚き火が可能とされています。
外見もシンプルで癖がなく、入門モデルとしてもおすすめです。
テンティピ オニキス CP
スノーピーク「リゲル Pro. ストーブプラス」
スノーピーク史上初の、薪ストーブとシェルターがセットになったアイテムです。横に長い台形で、中央から伸びる薪ストーブ煙突は、まるでSF映画に出てくる基地のような印象を持たせます。
本体とフライシートにはそれぞれ4カ所のベンチレーションを配しており、通気性もしっかりと確保しています。フライシートにはTC素材を採用し、耐熱性もばっちりです。
仲間たちと薪ストーブを囲み、外の寒さを忘れてまったりと談笑にふけられるでしょう。
スノーピーク リゲル Pro. ストーブプラス
DOD「レンコンテント2L」
レンコンのようにいたるところに穴が空いているテントです。窓は360度に配置されており、焚き火の煙を効果的に逃がす設計になっています。ウォールを絶妙な高さに調整することで、焚き火の前に座ったときに煙たさの感じにくく、また保温性をも両立させました。
素材はTC素材を使用しているため、火の粉対策も問題ありません。すべての窓はダブルファスナー構造になっており、焚き火をしないときはしっかりと空間を仕切れるのも優れたポイントです。
テント内で焚き火をするときは、必ずすべての窓を全開にしましょう。サイズはMもあり、3人程度の少人数のキャンプにおすすめです。
DOD レンコンテント2L
まとめ
テント内での焚き火はキャンパーなら一度はあこがれるかもしれません。しかし実際はテントへのダメージや一酸化炭素中毒のリスクから、原則は避けるべきといえます。
しかし一部のテントは、頑丈なTC素材の採用や十分なベンチレーションを確保することで、テント内での焚き火を可能としています。どうしてもテント内で焚き火をしたいなら、まずは専用のテントを購入し、注意点を守って安全に行いましょう。