夏になると繁殖するために日本にやって来る渡り鳥、ヨシゴイ。
日本以外では中国やタイ、ベトナム、マレーシア、インドなど広範囲に生息している。サギの仲間で沼や湿地帯でその姿を見る事が出来る野鳥だ。
全身は茶褐色でクチバシはオレンジっぽい黄色、腹部は白くストライプ模様があるのが特徴。全身は31〜38センチとサギの仲間では小柄な部類になる。
ヨシゴイの食性は動物食で、魚類や両生類、昆虫、甲殻類などを食べている。
ハスの上を歩き回っては獲物を物色し、狙いをつけては頸を伸ばして捕食する水上のハンターで、ほぼ百発百中!
観察してる限り外したのを見た事がないほどの精度だ。そんな所以から“水上の忍者”とも呼ばれている。
人間味あふれる、この立ち姿。しばしば、ヨシに似せた擬態を見せる。
ヨシゴイは、その歩き回る姿がなんだか鳥っぽくない。もちろん鳥だから飛べるんだけど、不安定なハスの上を器用に2本足で立っている姿が妙に人間ぽいのだ。ハスに立つその姿は、手を後ろに組んで大股であるくオヤジを連想させる。
そして最近ネット界隈では、ヨシゴイの姿がミョウガに似ているからと、“ミョウガの妖精”と呼ばれている。水上を歩き回る姿とそのフォルムは、確かにミョウガの雰囲気。
ヨシゴイを観察するには、朝夕に活発に餌を探して動き回るのでその時間がベスト。
この夏は「水上の忍者」、いや「ミョウガの妖精」を探してみてはどうだろう。
◎撮影・文= 石津祐介