仲間と持ち寄った様々なお酒を次々と空けて、ワイワイ楽しむ!これこそキャンプの醍醐味!
…と思っていたけれど、年を重ねるごとに、焚き火を眺めながらゆっくりとこだわりの1本を嗜むようになりました。
そんなお酒の楽しみ方には、ウィスキー、ワイン、日本酒ももちろんいいけれど、キャンプではラム酒がおすすめなんです!なぜラム酒?アルコール度数高くない?飲みにくくない?と思われた方に、ラム酒専門BAR店長の筆者が、その理由を5つご紹介したいと思います。
そもそもラム酒ってどんなお酒?
ラムはサトウキビを原料とする蒸留酒です。海賊たちが大海原で大暴れしていた大航海時代に、コロンブスがサトウキビの苗を移植したのがきっかけで、造られるようになったといわれています。
そしてその後、西洋から西インド諸島にやってきた移民たちが、自国の蒸留技術を持ち込み、イギリスのスコッチウイスキー、フランスのコニャック、スペインのシェリー…それらの技術を貪欲に取り入れ、ラムは独自の発展を遂げていきます。
カリブ海の西インド諸島が主な生産地。ジャマイカやキューバなどはもちろんですが、実は世界中で作られていて、近年ではこの日本でも新たなラムブランドが次々と誕生しています。
キャンパーにラム酒を超おすすめしたい5つの理由
その1:とにかくタフ!だから扱いが非常に楽です
「ラムを酒屋さんで見つけても大きなボトルしかないから、さすがに一晩では飲みきれない…」。アルコール度数も非常に高いので、確かに一晩で飲み切るのはほぼ無理です。でもラムは残しても全然大丈夫なお酒なのです。ワインや日本酒と違って、酒の酸化や温度管理を気にして、デリケートに保管する必要がないからです。
開栓したラムは、ボトルのキャップをしっかりと締めたら、車の中に入れっぱなしでもへっちゃらです。(とはいえ、さすがに真夏のトランクはちょっと…。味の変化が、と言うよりも、ラムが少しかわいそうな気がして笑)
大昔は船上の過酷な環境の中でもラムは傷むことなく、人々を癒し、必要不可欠なものになっていったくらい、変化に強いお酒なのです。タフなラムは遠慮することなく、次のキャンプでも大活躍してくれることでしょう。
その2:バリエーションがとにかく多くて選ぶのが楽しい
ラムの銘柄は実はとても多く、その数なんと4万銘柄もあります 。南極を除くすべての大陸でラムは造られていて、400年以上の歴史を経た今も、ラムの生産地は拡大の一途を辿っています。
しかも、ただ種類が多いだけではないのがポイント!サトウキビの処理方法による原材料の違い(トラディショナル・アグリコール・ハイテストモラセス)や、熟成方法による色の違い(ホワイト・ゴールド・ダーク)などによって、ラムは味のバリエーションもとにかく多いんです。
キャンプに参加するメンバー全員が「コレだ!!」と思えるラムが、世界中のどこかにきっとあるはずです。
以前ラムを試したけれどイマイチだった…そんな経験をしたことがある方は、美味しいと思える運命的な1本にまだ出会えていないのかも。ぜひ一緒に「コレだ!」の1本を探してみませんか?
その3:様々な飲み方ができるので、仲間とシェアしやすい
ストレート、ロック、ソーダ割りはもちろんのこと、朝食用に買ってあるオレンジジュースで割ってもおいしいですし、今のような寒い時期にはお湯割にしたり、温かい牛乳で割って蜂蜜をとろりと垂らしてもおいしい!
飲む人の好みや気分に合わせて、味わいをがらりと変化させることで、さまざまなラムの顔に出会えます。1本でいろんな飲み方ができるのも、ラムを断然おすすめしたい理由。仲間それぞれの好みに合った飲み方を見つけられますよ。
その4:楽しみ方はまだある!スイーツや料理の香り着けにも最高
寒い時期になってくると「ラム香る○○~」などと書かれたチョコレートや焼き菓子を見かけたことはありませんか?
ラムの魅力的な香りをまとった秋冬限定のお菓子を、私もやっぱり買い集めてしまいます。お菓子作りをする方は、小さいラムのボトルを自宅に常備しているかもしれません。
そう聞くと「ラムはお菓子にマッチするお酒なんだ」とイメージするかもしれませんが、実はそれだけではないんです。朝食で作るフレンチトーストや、メインディッシュのお肉料理や、ワイルドに焼いて食べる焚き火料理などの香り着けにも使ってみてください。
ラムの香りはバニラやカカオ、ナッツやシナモンなどに似て甘くて複雑。こうした魅力的な香り付けがあるのとないのとではびっくりするほど完成度に差がでるんです。このひと手間でキャンプ料理がグレードアップするので、ぜひ試してみてください。
その5:二日酔いになりにくい!(個人差・飲んだ量にもよるけれど)
ここまで来て、ラムに興味を持っていただいたとしても「でもアルコール度数も高いし、次の日が心配…」と思われる方もいらっしゃると思います。
実際、ラムをはじめとする蒸留酒は、日本酒やワインを代表とする醸造酒に比べて度数が40度程と、うんと高い。「そんなお酒、怖くて飲めないー」という声も聞こえてきそうですが、いきなりストレートで飲む必要はありません。
先ほどもお伝えしたように、いろんなアレンジを効かせて、自分に合った飲み方で楽しめばいいんです。
そして、なんと言っても嬉しいのが、実は次の日に引きずりにくいお酒でもあるんです。蒸留酒は揮発したアルコールのみで出来ており、体内でアルコールを分解するのに醸造酒ほど時間がかからないからです。
とはいっても、もちろん飲みすぎは禁物ですが、翌朝は早くから動かなくちゃ、というキャンパーの皆さんにはもってこいのお酒なのです。
ということで…キャンプでラム酒を楽しんでみよう
生ビールやウィスキー、ハイボールなどを普段飲まれている方でも、焚き火をいじりながら非日常を味わうキャンプでは、ラム酒を選んでみるのも新たな発見があって楽しいはずです。
ラムはタフで、味も色々で、シェアできて、アレンジも効いて、二日酔いになりにくい!そして、何より全てを包み込んでくれる寛大さのあるチャーミングなお酒、だと思っています。
ラム酒で、皆さんのキャンプシーンが更に広がっていきますように。
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