原宿・キャットストリートでシューズ工場見学
2本のコードで編みこむちょっぴりヌーディーなスニーカー「UNEEK(ユニーク)」。いったいどうやって編み込んでいるのか、気になる……そんな願いを受け止めたKEENは、UNEEKのインターロッキングシステム(コードを編み込む作業)を自動化させる専用ロボット「UNEEKBOT(ユニークボット)」を開発。できたてほやほやのUNEEKBOTをKEENの原宿直営店隣にあるバンクギャラリーで期間限定公開することが決定した。
期間中、バンクギャラリーではポップアップストア「UNEEKBOT FACTORY STORE」をオープンしており、UNEEKBOTが作っているポップアップ限定カラーのUNEEKを販売する。今年6月末、ヨーロッパのアウトドア・ショーやドイツにある世界最古のアウトドアショップ「Sports Shuster」でUNEEKBOTのデモを行なったけれど、UNEEKBOTが作った限定モデルを購入できるのは7月21日からの原宿の限定ストアが世界初とのこと。“自分だけのカスタム”はまだお預けだが、原宿で工場見学、しかも自分の一足(かもしれないUNEEK)が仕上がる様子を見られるのなんて、わくわくする!
通常のUNEEKは、7〜8人の職人が1ペアを50分ほどかけてコードを編み込み、1足を仕上げる。この作業がUNEEKBOTとオペレーター、2名の職人により20分強で完成する。まさに大幅に作業時間と人件費を縮小できる“世界一小さな製造工場”で、おまけに省スペースだから都心のストアにだって設置できる。つまり工場と販売店を直結することができるので輸送費と、輸送にかかる二酸化炭素排出量も抑制。UNEEKBOTの開発はKEENのサステナブルな活動に合致したプロジェクトなのだ。
一足早く、日本に到着したUNEEKBOTを見せてもらった。UNEEKBOTプログラミング担当者、オスカー・ウィリアムソン(House of Design社)によると「ひとつずつ動作を細かく調整していきました。今後も改良する予定だけど、ほぼパーフェクトです」とのこと。動きを見ていると、穴にコードを通すというひとつの動作ではなく、アームが大きく回転したり横に移動したりしている。この小さな動作をプログラミングに組み込むことにより、均一な編み込みを実現したのだ。
シューズのサイズごとの金型があるので、これにソールとアッパーのレザーを固定する。これは人の手で行なわれる。
ボタンひとつでスタート。シューズのサイズにより所要時間は異なるが、約6分で均一な編みこみが完成する。
編み込みが終わったら、職人の手でかかとやソールの処理など細かな仕上げを行う。この作業にかかる時間は約15分。
従来なら片足分の編み込みがようやく終わるくらいの時間で、両足が完成する計算だ。
ソールには「PDX BORN / TYO MADE」(ポートランド生まれ、東京で製作)という文字が刻まれている。
「UNEEKBOTは電源さえあればどこにでも設置できます。私たちが目標としていたのは、どこにでも設置できるような柔軟でスピードのある正確な靴の製造システムを作り上げることでした。UNEEKBOTと電源さえあれば、どこでも文字通り“ユニーク”な自分だけの一足を作ることができます。いずれは各ストアにUNEEKBOTを設置し、カスタムカラーの注文を受け付けたいですね」(KEENイノベーション・ディレクター ローリー・ファースト・Jr.)
UNEEKBOT FACTORY STOREは、世界のストアでUNEEKをカスタムするための第一歩と言えそうだ。
UNEEKBOT FACTORY STORE
原宿・バンクギャラリーで開催する期間限定ポップアップストア(7月21日〜23日 11:00〜20:00)。
当日はUNEEKBOTが製造する限定カラーのUNEEKを販売するほか、KEEN公式サイト内のスペシャルサイトにてコラボ作品を手がけているアーティストの長場雄さん・万美さんの原画やライブペイント、シルクスクリーンのワークショップ、アーティストのライブなど楽しいイベントが盛りだくさん!
【UNEEK SPECIAL SITE】:global.keenfootwear.com/ja-jp/uneek
◎構成=大森弘恵