BE-PALの執筆陣が隅々までチェックして、フィールドテストしてわかった、アウトドアブランドの人気フットウェアの使い心地。「あのシューズってどうなんだろう」と気になっていた方にお伝えしたい、2023年に配信した詳細レビュー記事をまとめてご紹介します。
CONTENTS
ホカ「マファテスピード 2」トレランシューズをベースにした復刻モデル
厚底シューズの草分け的存在として知られるホカ。元々は進化が遅れていたトレランシューズをアップデートし、ひざの故障が多かったトレイルランナーをサポートして、安全でかつパフォーマンスの高いシューズを作るために生まれた。
そんな同社の原点が「マファテ」である。この度、このトレラン向けシューズのアーカイブモデルを復刻し、ライフスタイル向けに落とし込んだシューズを使ってみた。
ホカらしくない落ち着いたカラーと、スリムなフォルム
「マファテスピード 2」は、トレイルで走るために必要なテクノロジーはそのままに、デザインを普段使い用に変更したシューズ。ホカのシューズは、目立つカラーや前衛的なデザインが多いが、こちらのこの春の新色は、ダークグリーンやボルドーといった落ち着きのあるカラーを採用し、デニムやスラックスでも合わせやすくなっている。
ここからは、同シューズのポイントを写真とともに紹介しよう。
細かい部分紹介はここまで。個人的に感じたのは、普段使うホカのハイキング向けシューズと比べると、シャープですっきりしたフォルムであること。また、レース向けのシューレースを採用しており、少し伸縮性のあるものを使っていることだ。
▼履いてみた所感、フィールドチェックの結果は以下記事を参照ください。
参考:ホカのトレランシューズをベースにした復刻モデル「マファテスピード 2」を徹底検証!
スカルパ「マンタテックGTX」冬山デビューするならこの靴!
冬山ビギナーにはマンタテックGTXがおすすめ
そろそろ冬山に挑戦したい。でもはじめての冬用の登山靴は、どれが良いかわからない…と迷っている方はいませんか。
そんな、これから冬山・雪山デビューしたい方に筆者がおすすめするのは、スカルパの 「マンタテックGTX」です。
マンタテックGTXは、エントリー向けでありながら、冬山登山に十分な性能を備えたウィンターブーツ。冬山初心者の方の登山靴にはぴったりなのです。
マンタテックGTXがはじめての冬用登山靴におすすめな理由
価格がリーズナブル
まず、マンタテックGTXがはじめての冬用登山靴におすすめな理由は、その価格です。
冬用の登山靴は7万円以上するものもありますが、マンタテックGTXは5万円台と比較的リーズナブル。冬山初心者の方にも手を出しやすい価格と言えるでしょう。
もちろん価格はリーズナブルでも、冬山を登る性能はしっかりと備えていますので、とてもコスパのいい冬靴といえます。
はじめての冬山には十分な保温性能
マンタテックGTXには、「GORE-TEXデュラサーモ」という保温材が使用されています。
この保温材のおかげでマンタテックGTXは、冬の赤岳周辺の稜線でも十分対応可能となっています。
筆者も実際に、登山ガイドとしてマンタテックGTXを履いて、冬の雲竜渓谷に何度も訪れています。
先日のツアーではスタートからゴールまで氷点下、一番寒い場所ではマイナス10度Cを下回っていましたが、足が寒いとは感じませんでした。
他にも、標高2000mを超える真冬の赤薙山での使用でも、寒さによるストレスを感じることなく、山行を楽しむことができました。
もちろんもっと厳しい条件の山もありますが、冬山初心者の方が挑戦するような、難易度があまり高くない山であれば問題なく使用できるでしょう。
ある程度冬山にも慣れて、さらにレベルの高い山を目指したくなったら、冬靴のレベルアップを検討することをおすすめします。
後ろにコバがある
マンタテックGTXは、かかと側にのみコバがあるタイプなので、セミワンタッチ式のアイゼンに対応しています。
もちろん、コバがなくても付けられる、ストラップ式のアイゼンも装着可能です。
前コバが必要な、ワンタッチ式のアイゼンは使用できませんので、ご注意下さい。
冬靴を新調する際は、必ずアイゼンとの相性を確認してから購入しましょう。
すでにアイゼンを持っている場合は、お店に持ち込んで実際に合うかを確認しましょう。
アイゼンを買うときも、持っている登山靴との相性を確認してから購入するといいでしょう。
柔軟性があって歩きやすい
マンタテックGTXは、アイゼンを装着するための十分な硬さのソールを備えながらも、柔軟性がある設計になっています。
足首部分まできちんと紐を締めていても、前方に足首を傾けることができ、非常に歩きやすいです。
また、前コバが無いため足さばきがスムーズで歩行を妨げることがありませんし、アイゼンをつけていても歩きにくさを感じないところも魅力的なポイントです。
▼冬山登山靴って何が違うの?と思った方は以下記事を参照ください。
参照:冬山デビューするならこの靴がおすすめ!スカルパ「マンタテックGTX」の魅力を語る
L.L.Bean「ビーンブーツ」超ロングセラーの魅力
雨や雪の日に履きたいL.L.Beanの看板ブーツ
雨や雪の日の外出は億劫になりませんか。普段履く靴では濡れてしまうし、足の先も冷たくなってしまう。長靴はあるけれど、デザインがイマイチでテンションが上がらない。
実は、そんな気持ちを払拭してくれる、素晴らしいブーツがあるのです。
おしゃれで個性的。街ですれ違う人や電車で向かいの席に座る人の視線を釘付けにする、L.L.Bean(エル・エル・ビーン)の看板アイテム「ビーンブーツ」をご紹介します。
L.L.Beanのアイコン「ビーンブーツ」とは?
L.L.Beanと言えば、「ビーンブーツ」が看板商品。まさにブランドのアイコンです。
「ビーンブーツ」は、発売からすでに100年以上経っていますが、今でも変わらぬデザインと製法で作られている、超ロングセラーブーツです。
L.L.Beanは、1912年にレオン・レッドウッド・ビーンが、長時間歩いても足が濡れないハンティングブーツを作ったのが始まりです。
高品質なアメリカン・レザーと防水ラバーを使用した「ビーンブーツ」は人気を博し、いまだに昔と変わらず米国メイン州ブランズウィックとルイストンの自社工場で、一足一足職人の手で作られています。
一足の「ビーンブーツ」ができあがるまでの工程は、500以上にもなるそうで、いかにこだわりが詰められた商品かがわかります。
「ビーンブーツ」の特徴は防水ラバーとレザーのコンビ
「ビーンブーツ」の最大の特徴は、防水ラバーとレザーのコンビ素材。
ソールと、くるぶしあたりまでのボトムは高品質なラバーで作られており、アッパーは雨や雪をはじくフルグレイン・レザーで作られています。
また、ソールにはグリップ力が高い、独特のチェーン・パターンが刻まれています。
雨の日や雪の日の滑りやすい道、ぬかるんだ道も快適に歩けます。
そのほか、ソール部分とラバー製のボトムは密閉されているため、水がそこから浸水することがなく安心です。
アッパーのレザーとボトムのラバーの縫い合わせ部分も、トリプルステッチでしっかり補強されているため、縫い合わせ部分から水が侵入してくることはありません。
このように、雨や雪のときも極めて頼りになる、履いていて安心感があるブーツなのです。
▼さらに細部を見たい方は以下記事を参照ください。
参照:L.L.Beanの超ロングセラー「ビーンブーツ」はどこが魅力的?愛用者が熱く語る
ダナー「ダナーライト」伝説のアウトドアブーツのスゴさ
トレッキング用のブーツは機能的なので、街中でも履きたい。でも、機能優先のデザインはタウン用のコーディネートに合わない……。そんなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
実は、アウトドアシーンはもちろんのこと、街中でも抜群のセンスを誇るブーツがあります。それは、アウトドア界の傑作「ダナーライト」です。
ダナーライトの魅力を徹底解説
さっそく、ダナーライトの魅力を解説していきます。
世界で初めてゴアテックスを使用したアウトドア用ブーツ
ダナーのブランドは、1932年にチャールズダナーが仕事用ブーツを作ったことから始まります。
それからオレゴン州ポートランドに拠点を移したダナーは、着実に人気を集めていき、アウトドアブランドとして多くのファンを抱えるまでに成長しました。
そんなダナーから発売されているダナーライトは、40年以上の歴史を持つ伝説的トレッキングブーツ。今もなお、発売当時と同様にポートランドの工場でハンドメイドで作られています。
ダナーライトは、1979年に世界で初めてゴアテックスを使用したブーツとしても有名です。今でこそ防水・透湿性能に優れているゴアテックス素材のブーツは一般的となっていますが、当時は画期的なことでした。
常識を打ち破ったダナーライト
ダナーライトの発売当時は、重い登山靴が主流でした。
しかし、そんな中でダナーライトは常識を打ち破り、軽量なトレッキングブーツとしてデビューしました。
現在は豊富なカラーバリエーションがありますが、オリジナルはブラウンとベージュを基調とした2色使いのバイカラー。
さらに細身でレースアップされたシルエットが相まって、スタイリッシュかつ上品な雰囲気をまとっています。このようなデザインにより、アウトドアシーンだけでなく街中でも活躍できるのがダナーライトの強みです。
アウトドア用のブーツなので、もちろん機能性も申し分ありません。
アッパーの素材には、フルグレイン防水レザーと1000デニールコーデュラナイロンを使用。
ソールには、イタリアのビブラム社製のVIBRAMクレッターリフトが使用されています。グリップ性に優れた伝統的なソールパターンが、地面をガッチリとつかんでくれます。
ちなみにビブラム社は1937年に創業したイタリアのソールメーカーで、多くのアウトドアブランドで採用されています。
そして先述したように、GORE-TEX(ゴアテックス)ブーティーにより防水性能も優れているので、雨の日や雪の日でも安心して使用できるのが特徴です。
街中でも映えるカラーリング
ダナーライトのスリムなシルエットとシンプルなカラーリングは、街中でも映えます。
デニムやベージュのパンツに合わせるとぴったり。ホワイトパンツとベージュやキャメルのニットなどに合わせると、一気に垢抜けたワントーンコーディネートになるでしょう。
また、ダナーライトはヒールが高めなので、履くと背が高くなるメリットも。
さらに“ライト”とはいえ、スニーカーと比べると重量があります。足を前に降り出すと振り子の要領で足がまっすぐ伸びて、歩幅が広くなり颯爽と歩けるはずです。
▼おすすめの靴紐の結び方、長く大切に使う方法は以下記事を参照ください。
参照:20年履き続けた愛用者が語る!伝説のアウトドアブーツ「ダナーライト」のスゴさ
テバのスリッポン「リエンバー テレイン」3か月使ってわかった超快適の理由
アメリカ発のフットウェアブランド「テバ」が発売した、キャンプやリラックスしたいシーンで使えるスリッポン。アウトドアから街中まで筆者がたっぷり使ってみて、魅力と気になったところを余すことなく紹介する。
フィールドで実際に使ってみた!
商品のディテールを紹介したところで、次に外でリエンバー テレインを履いて歩いてみた。履いた印象は、似たシューズと比べてやや大きいサイズであること。メーカーいわく、「購入される際は通常サイズより0.5〜1.0cm下のものを選ぶことをおすすめします」とのこと。
愛犬の散歩で履いてみて、肉厚のインソールのおかげでアスファルトの硬さをほぼ感じずに歩けたのが印象に残る。しかも履き口の起毛素材は、足に擦れてもそこまで痛くないので靴ずれも起きにくい。
土の上を歩いても、その快適性は変わらない。ただ乾燥した場所だと砂埃が舞ってソックスに付着してしまうため、かかとを引きずって歩かないようにするのがいいだろう。
また、スリッポンは歩いていると脱げることがあるが、その点はさすがシューズブランド。フィット感があるおかげで脱げる心配ない。そして、家にあがったりテントを出入りしたりする際はとても楽なので、普段使いからキャンプまで多用できるのが気に入っている。
かかとがつぶれてしまうのが気になるところ
やわらかい素材で芯地は入っていないので、潰れても壊れることはない。
使っていて感じたのは、フェルト生地のかかとを踏んでしまい、つい潰してしまうこと。側から見て違和感はないが、シューズを脱いでみると潰れた状態が残るため、元の状態に戻す手間は出てしまう。
とはいえ、スニーカーのように一度かかとを潰すと芯地も折れて、二度と元に戻らないようなことはないため、その点は安心できる。サイズ選びが大事なので、店頭で試してから購入するのをおすすめしたい。
▼インソールほかディテールが気になる方は以下記事を参照ください。
参照:3か月使ってわかった!テバの新作スリッポン「リエンバー テレイン」が超快適の理由
アゾロ「タホ MID GTX」機能美あふれる登山靴
1975年にイタリアで創業したフットウェアブランド・アゾロ。合成繊維を使ったり、ゴアテックス ファブリクスを取り入れたりと、革新的な登山靴を多く輩出していることで知られる。
そんな同ブランドから発売された登山靴の詳細を紹介しよう。
独自素材とゴアテックスをうまく組み合わせたモダンな登山靴
今回紹介するタホ MID GTXは、日帰りの軽登山をイメージして開発したミドルカットブーツ。カラーはブラック×サルファーイエロー(BK/SY)とオリーブ/トランスバズ(OV/TB)の2色展開で、使うのは前者。
随所にビビッドなイエローを施したデザインで、モダンに仕上げているのが一番の特徴。化繊を使ったトレッキングウェアやレインコートなどによく馴染む。
横から見るとヒールがやや高めになっており、トゥが上に向いていることからスムーズな足運びをサポートしてくれる。
イエローの素材の上にブラックの丈夫な素材を差し込むことで、足場の悪い場所を歩く際に起きがちなぐらつきを防ぐ。また、ミッドソールにはクッション性に優れたEVAを入れており、硬い場所を歩いても衝撃を和らげてくれる。
アウトソールは「アゾロクロス」という独自素材を使っており、たしかなグリップ力を備える。底面は細かいラグがきれいに並んでおり、ぬかるみのある場所を歩いても抜けやすくなっている。
このアウトソールは以前に紹介したアゾロの「エルド MID レザー GV」と異なっている。「エルド MID レザー GV」は岩場でのグリップ力を重視しており、比べるとラグの深さからパターンのデザインまでまったく異なる印象。タホ MID GTXのほうがラグが深く、泥はけがいいので土のトレイルで威力を発揮しそうだ。
インソールは、有名シューズメーカーでも使われているオーソライトを採用。オープンセルPUフォームという軽くてクッション性のある素材が使われており、洗濯できるので衛生面もバッチリ。
▼フィールドテストの結果が気になる方は以下記事を参照ください。
参照:機能美あふれる登山靴!アゾロ新作「タホ MID GTX」をフィールドテストしてみた
モンベル「ロックオンサンダル」いろんな場所で履いてレビュー
夏のアウトドアシーンで活躍するサンダルですが、もっとおしゃれで、使い勝手がいいものがあったらいいな、と思ったことはありませんか?
そんな方におすすめなのが、筆者が愛用しているモンベルの「ロックオンサンダル」です。
このサンダルは、裸足はもちろん、靴下を着用したままでも快適に履けます。おしゃれに夏のアウトドアを楽しむのにぴったりです。そんな「ロックオンサンダル」の使い勝手や履き心地を紹介していきます。
履き心地はいかに!?実際にいろいろ歩いてみた感想
筆者が愛用している「ロックオンサンダル」を、いろいろな場面で使ってみたリアルな感想を紹介します。
珍しい形状のため、「痛いと感じることはないの?」など疑問に思った人はぜひ読んでみてください。
舗装路を歩いてみた
舗装路を歩くと、E.V.A.フォームの本体が適度なクッションになってくれ、硬い地面でも快適な歩き心地です。
さらに、バックストラップがしっかりかかとをホールドしてくれるので、とてもスムーズに歩くことができました。
石の上を歩いてみた
次は石の上です。ソールの固めのラバーのおかげで、凹凸道を安定して歩くことができます。
ここでもバックストラップによってサンダルがホールドされるので、安心して歩くことができました。
砂利道を歩いてみた
次は砂利道です。
多少とがった石や小石を踏んでも、固めのソールとE.V.A.フォームの本体のおかげで、足裏が痛くなることはありません。
また、サンダル本体がきちんと足裏にフィットしているので、足裏とサンダル本体の間に砂利が挟まりにくくなっています。
川の中を歩いてみた
最後は川の中を歩いてみた感想です。
「ロックオンサンダル」は水の中用の特殊なソールではありませんが、極端に滑りやすいということはなく、快適に歩行できました。
また、バックストラップのおかげで、緩やかな流れであれば川の中でも「ロックオンサンダル」が脱げることはありません。
▼筆者が気に入っている「ロックオンサンダル」の特徴を知りたい方は、以下記事を参照ください。
参照:夏の名品!モンベル「ロックオンサンダル」をいろんな場所で履いてレビューしてみた