体調の悪化は…あのウイルスだった!【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.8】
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    2024.01.28

    体調の悪化は…あのウイルスだった!【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.8】

    ニューヨークやボストンからも近い、アメリカ東海岸にある「ニューイングランドトレイル」。2023年10月、世界各国のロングトレイルを次々と踏破している日本で唯一のプロハイカー・斉藤正史さんが、そのニューイングランドトレイルに挑みました。日本ではあまり知られていないニューイングランドトレイルの実態、アメリカ東海岸のトレイル事情などについて、斉藤さんによる実感たっぷりの最新リポートをお届けします。(コレまでの記事は巻末の「あわせてよみたい」をご確認ください)

    午後、起き上がるのがやっとでした。

    翌日、土砂降りの予報なのでポートレイトの勧めもあり、ゼロデイ(全く歩かない日)にすることにしました。予定が一日ずれるので、宿泊日の変更をしようと思いましたが、空きのあるホテルは約1万5千円越えです。そんなときポートレイトが、両親が次の補給の町ノースサンプトンに住んでいるので、両親の家に泊まればいいよと提案してくれました。しかも、僕が泊まる日は、おばあさんの誕生日パーティーがあるので、そこに参加するポートレイトが、トレイルヘッド(トレイルの入り口)まで送ってくれるというのです。

    川を挟んで途切れるトレイル(グリーンの線がトレイル)。

    ※ノースサンプトンの町エリアは、いったんトレイルが途切れ、次のトレイルヘッド(トレイルの入り口)までは、歩いていくか、大きな川を渡るしかありません。川が大きいので、橋を渡って迂回するしかなく、15kmほどかかります。

    ほんのひと休みのはずが…

    僕はありがたくこのお誘いを受けることにしました。午前中は足りない分の食材を買いにスーパーマーケットに行って、午後からゆっくり準備しようと考えていたのですが…買い物から帰ると一気に体が動かなくなりました。「少し休むね」とポートレイトに言うと、僕はそこから起き上がれなくなったのでした。

    こんな感じで寝ていました。

    何も食べず、全く起き上がれない僕をポートレイトはかなり心配していました。夜、この症状の異変に気付いたポートレイトは「コロナウィルスの検査をしないか?」と、検査キットを僕にくれたのでした。1回目陽性・・・。2回目陽性・・・。3回目陽性・・・。

    僕は、コロナウィルスに感染していたのでした。山形から直接飛行機に乗った僕は、おそらく飛行機の中か、大混雑していた入国の手続き辺りで感染したのではないかと考えられます。

    とりあえずポートレイトは両親に連絡をし、僕は除菌ティッシュを出して、全てをティッシュ越しに触ることにしました。

    ほぼ一日寝込むことになった。

    翌日、ポートレイトがコロナウイルスの検査をすると陰性でした。本当に良かった…。

    コロナ待機期間は歩きとテントで

    コロナウィルスに感染すると、アメリカでは5日間の待機が必要らしい。ポートレイトは、治るまで家に居たらいいよと言ってくれましたが、幸いなんとか動ける状態になったので、1日はしっかり体を休め、回復が見られたら誰にも会わない道を半日歩いてテントを張って…というペースで歩いていけば、6日目の朝にノースサンプトンの町に着く。そうすれば隔離期間は過ぎるので宿に泊まれると考えたのでした。

    充電が出来なかったので、役に立ったソーラーパネル(ゴールゼロ)。

    1日休んで、体の回復が見られたのと、コロナウィルスワクチン接種時と同じような症状だったこと、免疫が反応して体に症状として出ていたこともあったので、僕は歩きながら治すことを決断したのでした。

    New England Trail公式サイト

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。また、BE-PAL.netにて「TOKYO山頂ガイド」を連載中。

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