大陸別・名門ブランド&名品ギアの誕生モノ語り~ヨーロッパ編1~
エーグル(1853年〜Franc)
天然ゴム使いのパイオニア
創業者であるアメリカ人ヒラム・ハッチンソンが、天然ゴムの強度を高めて防水にする製法・技術を、開発者であるチャールズ・グッドイヤーから特許使用許諾を得、渡仏し創業。ブランド名は、彼の祖国・アメリカの国鳥「EAGLE」に由来する。現在は「SOIL TOI」というコンセプトを掲げ、農や園芸など土で繋がる自然のフィールドで活動をする人たちとタッグを組み、自然とともにある暮らしを提案中。
問い合わせ先:エーグルカスタマーサービス TEL:0120-810-378
ヒラム・ハッチンソンのパイオニア・スピリットは、今も受け継がれている。
レスフォープラス2 クロッグ
¥13,200
ヘビーデューティーな環境での着用を考え、ソールに切り込み入れたり取りはずし可能なインソールを装備。
アゾロ(1975年〜Italy)
伝統と革新の融合から生み出される最高峰の登山靴
北東イタリアの小さな村アゾロで創業。革の登山靴が主流な中、いち早くコーデュラナイロンを使用したり、靴底の衝撃吸収材を導入したことで知られる。同社が最大の目標としているのは、"あらゆるアウトドアフィールドに最適なフットウエアを提供すること"。伝統的な靴作りの技術をベースにしながらも、新しい素材やテクノロジーで革新的なモノ作りを続けている。
問い合わせ先:モンベル・カスタマー・サービス TEL:06(6536)5740
フレネイ EVO GV Men’s
¥49,500
高いプロテクション機能で、ガレ場や泥路で実力を発揮。4層構造のゴアテックスファブリックはシューズ内を常にドライに保つ。
バブアー(1894年〜England)
色褪せない伝統が育てた100年着られる一着
流行にとらわれず、昔ながらの製法で作られる、撥水性・耐久性に優れたワックスドクロス製のジャケットで知られるバブアー。今年1月には東京・伊勢丹新宿店メンズ館でポップアップストアが開催された。3代目ダンカン・バブアーによって開発された、普段は日本未公開のモーターサイクルジャケット「バブアー インターナショナル」も登場している。
問い合わせ先:バブアー パートナーズ ジャパン TEL:03(6380)9170
ビデイル ワックス ジャケット
¥59,400
バブアーの永久定番モデル。サイドベンツなど乗馬ジャケットのディテールを再現。
裏地のハウスタータンチェックが、伝統の証。
インターナショナル ワックス ジャケット
¥67,100
モータースポーツ全盛期にバイカーズジャケットの代名詞となったモデル。4つのフラップポケットが特徴。
ドイター(1898年〜Germany)
背中が汗蒸れしないザックはこのブランドならでは!
ハンス・ドイターによる創業で、郵便バッグの開発からスタート。小型から大型まで、背面通気性に優れた構造の開発で知られ、1930年に第1号「タウエルン」を発表した。’84年にはフィット性と通気性を確保するエアコンフォートシステム(背中の熱を効果的に排出し、汗をかきづらい構造)を開発し、特許を取得。’91年に登場した世界初のサイクリスト専用パックも有名だ。
問い合わせ先:イワタニ・プリムス TEL:03(6667)0680
トレイル25
¥19,800
各所にメッシュを搭載し、快適性をUP。ジッパータイプと雨蓋タイプが選べ、レインカバーも付属。
イーピーアイガス(1961年〜England/Japan)
イギリスから海を渡り、日本メイドのブランドに成長
1961年、イギリス・ストックポートでレジャー用のガスストーブとランタンの生産を開始。"Euro Pleasure International"の頭文字を取り、EPIが誕生した。’78年に日本でBP型コンロを発売し、’88年に分離型ガスストーブが登場した。’94年から日本での開発・製造を開始。以降、超高出力タイプなど画期的なモデルを持つ、日本のアウトドア燃焼器具メーカーに成長している。
問い合わせ先:ユニバーサルトレーディング TEL:048(225)7756
レボ-3700 ストーブ
¥12,100
特殊金属繊維をバーナーヘッドに採用したフラッグシップモデル。炎が安定し耐風性抜群。
ATSチタンクッカー TYPE-3M
¥7,700
鍋底にアルミを吹き付けチタンの弱点、熱伝導率の低さを克服したモデル。重量175gという軽さも魅力だ。
ドロミテ(1897年〜Italy)
イタリアの大自然が製品作りのインスピレーション
当時17歳だったジュゼッペ・ガルビオが靴工場の創業をスタート。登山靴ブランドとして世界的な名声を得たのは1954年のこと。ドロミテの靴を履いたイタリアの遠征隊が、世界第2の高峰、K2(8,611m)の登頂に成功したのだ。その後も数々の遠征をサポートし続けている。本国では、靴のみならず、アパレルも展開。イタリアデザインの美しさとスタイルを堪能できる。
問い合わせ先:石井スポーツ各店 ici-sports.com
今期発売予定のファストハイキング用、Nibelia Goat。
クローダ ロッサ Hi GTX
¥33,000
シューレース位置が高く、フィット感とホールド力が抜群。ソールも剛性感が高く、グリップ力が秀逸だ。
エスビット(1949年〜Germany)
固形燃料といえば、これ! 定番ギアのパイオニア
1936年、実業家であり発明家のエーリッヒ・シュムが固形燃料を開発したことがブランド創設のきっかけ。マッチ1本で着火でき、高所や氷点下でも安定燃焼し、熱効率がよく、煙が出ないといいこと尽くめ。とくに屋外での使用に適していたことから、軍隊や遠征隊にも使われた。近年は固形燃料に対応したクッカーセットやアルコールバーナーなど、幅広い商品を開発している。
問い合わせ先:飯塚カンパニー TEL:03(3862)3881
ポケットストーブ・ミリタリー
¥2,090
わずか85gのストーブ。固形燃料6個付き。現在もドイツ軍などに採用されている。
1100㎖クックセット
¥8,140
アルマイト加工の角形クッカーと風防兼五徳のセット。固形燃料は別売り(¥770)。
エクスペド(1997年〜Switzerland)
快適な眠りを実現するダウンマットを製品化
1981年ブラン夫妻は新婚旅行に出かけ、−40度Cの中を8㎜の薄さのクローズドセルマットで10日間過ごす。快適とは言い難い夜だった。その経験が、"最小限の手段で最大限のアウトドア体験を"というブランドのステートメントに。’97年に発売したテントを皮切りに独自のギアを製造。2001年にはダウン入りの革命的なマットを世に送り出した。
問い合わせ先:双進 TEL:03(3528)6642
アンディ・ブランと妻ハイジ。カナダの北部は極寒だった。
ウルトラ7R
¥36,630〜43,450
圧倒的な断熱性を誇る超軽量ダウンマット。ポンプバッグが付属し、手入れも楽。
スプラッシュ 15-40YEARS
¥4,620
昨年40周年を迎えた記念に発売された、限定イラストバージョン。人気のため今年も登場予定。
フュアハンド(1893年〜Germany)
脈々と受け継がれる不滅のデザイン
1893年、電気不足を補うため、日常生活や工事現場の照明としてランタンを製造したことから始まった。日本でここ数年爆発的人気を誇る「ベイビースペシャル276」は、実は1989年から製造されている。キャンプサイトや庭などのデザインに合わせられるように、カラーバリエーションも豊富になったが、当時とほぼ変わらない製法で今なお作られている。
問い合わせ先:スター商事 TEL:03(3805)2651
当時は打ち抜きからはんだ付けまで、すべて手作業で行なわれた。
LEDランタン ベイビースペシャル 276(ジンク)
¥10,560
伝統的な形状はそのままに、充電式LED機能を搭載。タンクのフタを回すと光量の無段階調整が可能。最長18日間点灯可。
全部で27パーツから作られている。炎を象った電球が秀逸。
フェールラーベン(1960年〜Sweden)
少年の手作り道具が世界的ブランドに成長
フェールラーベンは、1960年に創業者のオッケ・ノルディンが自宅の地下室で木製の背負子をヒントに、アルミフレームのザックを開発したことから始まった。そこからさまざまなアウトドア製品を開発し、’78年にKanken(カンケン)を発売。今ではバリエーションも豊富で、世代を超えて使えるデザインのバッグとして世界中にファンを広げている。
問い合わせ先:ワイエスインターナショナル TEL:03(6418)9339
カンケン ウィークエンダー
¥30,800
手持ち、肩がけ、バックパックの3ウェイ仕様の30ℓダッフルバッグ。丈夫なビニロン素材でPCスリーブ付き。
グリュエッツィバッグ(2015年〜Germany)
羽毛とウールをミックスしたハイブリッドシュラフ
革新的なシュラフの開発を目指して、マーカス・ヴィースペックが創業。’18年、世界で始めてダウンとウールを物理的に結合させたダウンウールのシュラフを発表。中綿はダウン70%にウール30%をミックス。ダウンは軽量で保温性が高いが、湿気によりロフトが失われると保温力が弱まってしまう。それをウールの吸湿性でフォローし、ロフトの低下を防ぐ構造。身体に心地よい、睡眠環境を提供してくれる。
問い合わせ先:エバニュー TEL:03(3649)3135
バイオポッド ダウンウール サブゼロ175
¥70,400
幅広い温度帯に対応する3シーズン用。ウールの吸湿力は、夏でも快適さを保つ。初心者におすすめ。
小物収納に便利なアウトポケットを装備。ジッパーの挟み込みも防止。
(BE-PAL 2024年2月号より)