ホグロフスからマウンテン・イクィップメントまで14ブランドの歴史を紐解く
ホグロフス 1914年〜 Sweden
素材の選択を重視した高品質な最先端ギアの数々
ヴィクトル・ホグロフが自作したパラシュート生地のバックパックがはじまり。アップデートを重ね、2年後には会社として登録し、ヨーロッパで広く知られる存在に。現在はファストハイク&トレイルランニング、クライミング、トレッキング、スノーアクティビティー、アウトドアライフスタイルの5つのラインを展開。北欧らしい無駄のない機能を追求したデザインとサステナブルな素材使いで人気。
問い合わせ先:RCTジャパン TEL:03(5768)2061
ロック ダウン フード
¥52,800
撥水ダウンを使用し、汗や水濡れに強く、保温力の低下を防ぐ。アウターでもインナーでも使用できるサイジング。
ハイムプラネット 2010年〜 Germany
ジオデシック構造の超インパクト大なテント
エアフレームテントのパイオニアブランド。生みの親はステファン・クラウスとステファン・シュルツのふたり。ともにサーファーで、ポルトガルでのサーフトリップ中に浮かんだアイデアをもとに、2年半の構想を経て、エアフレームを持つインフレータブルテントをデビューさせる。コンセプトは"モダンアウトドア"。キャンプで何をするか、キャンプ+αを追求するため、さまざまな環境や状況で機能するアグレッシブなテントを求めた。空気を入れるだけでわずか数十秒〜数分で設営でき、強風でもフレームが折れることがなく、やぶけても修理が可能。
問い合わせ先:サイドキック TEL:03(6824)0140
クラウドブレイク
予価¥459,800
今年新登場のモデルは、グループやファミキャンに特化して開発。インナーテントで寝室とリビングが分けられ、最大4人が寝泊まりできる。
ヘリーハンセン 1877年〜 Norway
海の男たちを守ってきた伝統ある名作ウェア
ノルウェーの港町モスで商船艦長を務めていたヘリー・ジュエル・ハンセンが防水ウェアメーカーを設立したことに始まる。当時の船乗りたちを苦しめていた寒さや雨、波のスプレーから体を守るため、亜麻仁油を染み込ませ特殊加工を施したオイルスキンジャケットが評判を呼んだ。以来、世界中のプロセーラーやスキーヤー、登山家たちから信頼されるギア作りを続けている。また、ライフジャケットの開発も行なうとともに、着用啓発活動を推進。
問い合わせ先:ヘリーハンセン原宿店 TEL:03(6418)9669
オーシャン フレイ ジャケット
¥37,400
定番セーリングジャケットがリニューアル。生地はリサイクルナイロンを使用した環境配慮型素材。水の入りにくさも向上。
ヒルバーグ 1971年〜 Sweden
インナーとフライを一体にした憧れの高級&高品質テント
森林管理官だったボー・ヒルバーグ。従来のテントの厳しい条件下での設営に不満をいだいたことから、インナーとフライを同時に張れるテントを考案。’75年にはシリコンでラミネートした特定の種類の生地が、既存のテント生地より6〜7倍も強度があることを発見し、テント作りに導入。2000年になると娘のペトラ・ヒルバーグが、北米でのブランディングを開始。今も高品質なテント作りは続いている。
問い合わせ先:エイ アンド エフ TEL:03(3209)7575
Rogen3
¥246,400
3人用のドームは前室がふたつ。インナーテントには大きなメッシュパネルを搭載。2.5㎏でゆったりしたいデュオにも最適だ。
Saivo4
¥440,000
ニューモデルは山の要塞のような広々した空間が広がる。構造上重い積雪にも耐え、横風にも強い。インナーテントは正方形。
フーディニ 1993年〜 Sweden
環境先進国ならではの素材感が美しい
過酷な状況にも耐えうる機能性と、いかなる状況でも体の動きを妨げることのない"魔法のような着心地の良さ"を兼ね備えたアウトドアウェアを目指しスタート。フリース素材開発のパイオニアでもあり、クライミング、カヤックなどのエキスパートから寄せられたアイデアを反映している。昨今はコレクションのすべてを100%循環型にするため、リサイクル素材や、生分解性素材を取り入れ、85%を達成中。
問い合わせ先:フルマークス cs@full-marks.com
メンズ ダブル ダンフリ
¥72,600
合成断熱材を中綿に採用。今季は中綿の量を2倍にし、保温性をUP。軽量で耐水性に優れる。
メンズ パワー フーディー
¥33,000
ブランドを代表するアイテムは、ストレッチ性に優れ、ストレスなく体を動かせるフリース。全8色。
ジャック・ウルフスキン 1981年〜 Germany
環境に配慮したモノ作りこそ最先端
ウルリッヒ・ダウズィンがユーコン川を旅していたときに思いついた「オオカミが生まれながらに備える、どんな環境にも耐えうる毛皮のようなウェア」というアイデアを具現化するためにスタート。ブランド名は、彼のヒーローである作家ジャック・ロンドンから借用したもの。
当初から自然環境を破壊しない高機能なアイテムを作りたいと考えていた彼は、日本の生地メーカーと共同で「TEXAPORE」という防水透湿素材を開発。以降、この素材は進化を続け、ブランドの技術力を象徴するものとなる。現在は持続可能でエコなモノ作りに焦点を絞るとともに、環境保全プロジェクトを立ち上げる活動などもしている。
問い合わせ先:ジャック・ウルフスキン カスタマーサービス TEL:0120-300-147
アジアプレライト3Lジャケット
¥36300
170gと超軽量でまるで肌のような3レイヤーライトシェル。高い防水透湿性を誇るTEXAPOREを使用。日本&アジア人の体型に合わせている。今春発売予定。
1970年代中ごろ、ダウズィン氏はフリーマーケットでさまざまな物を販売し学業資金を貯めていた。
日本独自の環境保全プロジェクト「WOLFUND」を昨年立ち上げ、その一環としてアウトドアイベントを開催している。
’80年代初期に発売されたテント。ウェアも有名なブランドだが、テントやシューズも販売している。
カリマー 1946年〜 England
新たなフィールドへ常に挑戦
パーソン夫妻が英国北西部ランカシャーでサイクルバッグメーカーとして創業。タフで機能的な製品に対する評判は、ほどなくして登山家にも届くこととなり、クライマー向けのアルパインリュックサックを手がけるようになった。ブランドの語源は「carry more」。
対象となるフィールドで求められる装備一式を過不足なく運べる堅牢性や優れた背負い心地、かつクライミングに対応する機能を盛り込んだカリマーのリュックサックは、クライマーの能力を広げた。今季は、多くのアイテムに機能素材、ギミックを採用し、登山からライフシーンまで、フィールドを超えて活用できるモノ作りに取り組んでいる。
問い合わせ先:カリマーインターナショナル TEL:03(3221)6883
WTX LT レイン ジャケット
¥31900
WTX LT レイン パンツ
¥22990
山岳向けのレインウェア。耐水圧と透湿性のバランスがとれた高機能3層防水素材を採用。ソフトな風合いで着心地がいい。重量(L)上340g、下257g。
コントア 27
¥25,300
背面の調整が可能なSA(サイズアジャスト)システムを搭載。ボトムにアクセスジッパーを設け、物の出し入れが便利。
クレッタルムーセン 1975年〜 Sweden
現在進行形で進化し続けるブランド
北欧最大の山岳リゾートである、スウェーデン・オーレで創業。厳選されたマテリアル、人間工学に基づいたデザイン、独自のディテールにこだわった製品作りが特徴。今年の方向性は"多様性"。これまでは北欧の気候に合う比較的厚手の製品が多かったが、ヨーロッパ各国やアジア各国で販売が始まるにつれ、さまざまな地域から集めたフィードバックがエンジニアリングに活かされ、より薄く涼しいトレッキングシャツやパンツが登場する。新作のヴァンは、生地が分厚いクラシカルなパックが軽量防水になってリリース!
問い合わせ先:スプートニク https://sputnikshop.jp
ヴァン ウォータープルーフ
¥70400
1.3㎏と軽量で防水の新作バッグ。リサイクルナイロンを取り入れ、従来の生地(400デニール以上)に比べ半分の薄さだが耐久性は落とさず、快適さを追求している。
ローバー 1923年〜 Germany
ドイツの靴職人が作るトレランシューズ
ブランド名のLOWAは、創業者のLorenzWagnerから2文字ずつとったもの。ローバーが大事にしている価値観は、"品質""フィット感と快適性"と、それを支える"技術革新"にある。これらを裏付けるようにメイド・イン・ヨーロッパにこだわり続けており、世界中で年間300万足以上の靴を生産している。昨年は100周年を迎え、新たなトレイルランニングシューズの製造にも取り組み始めた。構想から3年の年月を費やし、開発された新しいシューズに要注目!
問い合わせ先:イワタニ・プリムス TEL:03(6667)0680
シートックス
¥26,400
カーボンを配合したプレートを内蔵し、反発により推進力を上げ、不整地でも足裏を守る。
アンプルクス
¥25,300
アッパーメッシュ上にPUを注入し硬化させて成形するという独創的なコーティングでアッパーを補強し、剛性を高めた。
ラーケン 1912年〜 Spain
創業から一貫して作られている水筒
グレゴリオ・M・マルチネスは、1900年代はじめ、フランスに渡りアルミ加工会社で働いていたが、大事な水を運ぶにはアルミが最適と考え、1912年にスペインの街ムルシアで水筒工場を開いた。ラーケンの水筒のボディーは純度99.5%のアルミニウムを引き抜き一体成形により製造されるため、落としても簡単には割れない。また、飲み物に嫌な臭いや味をつけないようポリアミドイミド樹脂コーティングを施す。
問い合わせ先:イワタニ・プリムス TEL:03(6667)0680
クラシック1.0L
¥1,870
23もの工程を経て、アルミの塊がひとつのボトルに整形される。広口スクリューキャップで氷も入れやすい。
モーラナイフ 1891年〜 Sweden
コスパだけじゃない品質重視のナイフメーカー
400年以上ものナイフ作りの歴史を持つ、スウェーデン中部にあるモーラという街でスタート。当初は木製ソリ工場だったが、同時に作っていたナイフの評判が広まり、やがてナイフ専門メーカーとなった。日本ではとくにコスパの良さが評価されがちだが、じつはナイフメーカーの老舗であり、現在同社が掲げる理念は「Quality takes no shortcuts(優れた品質に近道はなし)」というもので、いまも製品は自社工場で作られている。取扱店のUPI表参道では、ブレードにレーザー刻印するサービスが始まっている。
問い合わせ先:アンプラージュインターナショナル https://upioutdoor.com/
withベルトループ(S)
¥4950
折りたたみ式ナイフでは難しいタフな作業ができる「折りたたまないコンパクトナイフ」。ファイヤースターターでの着火にも対応。
マムート 1862年〜 Switzerland
ロープ工場から、総合ブランドへ成長
162年前、ドイツに程近いスイスの町で、カスパー・ターナーが創設した、伝統的な手法でハンドメイドするロープ工場がブランドの始まり。1968年には国際山岳協会連盟により、マムートの規格がクライミングロープの安全基準に採用され、マムート製ロープが世界基準となる。その後、ウェアやバックパックなど製品カテゴリーを広げ、現在はアウトドア総合ブランドとして知られるようになった。
問い合わせ先:マムート スポーツ グループ ジャパン http://www.mammut.jp/
Convey Tour HS Hooded Jacket AF Men
価格未定
GORE-TEX2.5層を採用。286gと軽量で、常時携帯できるコンパクトさが魅力。
ミレー 1921年〜 France
トートバッグに始まり世界的パックメーカーに
ヨーロッパ有数のアルパインブランドとして知られるが、そのはじまりはキャンバス地のトートバッグ作りだった。1934年に開発したフレーム付きバックパックが登山家の間で好評を博し、高峰登山用パックメーカーとして一躍有名になる。さらには’50年、アンナプルナⅠ峰(8,091m)の初登頂という歴史的快挙を成し遂げたフランス隊がミレーのパックを使用していたことで、脚光を浴びることとなった。その後一度は創業家から離れたものの、創業100年を迎えた2021年にミレーファミリーのもとに返り咲き、よりいっそう「先進的で信頼できるブランド」というイメージを確立していくことに。現在はパック以外にアパレル製品も多くラインアップしている。
問い合わせ先:ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン TEL:03(6417)0492
人類史上初の8,000m峰初登頂時にも使われた、「アンナプルナ50」というモデル。
’45年に家業を継いだレイモンド(左)とルネ・ミレーが、登山用バックパック開発を開始。
2021年にCEOに就任した若きリーダーで、創業者の曾孫にあたるロマン・ミレー。
SAAS
FEE NX 75+
¥49,500
昨年リニューアルされた定番トレッキングバックパックの大型モデル。75+のほか60+、50+も発売予定だ。
マウンテン・イクィップメント 1961年〜 England
初のGORE-TEXジャケットを開発!
登山家ピーター・ハッチンソンが考案したダウンウェアや寝袋を起源とするブランド。その後、1969年に米国のゴア社が発見した延伸多孔質ポリマー(ePTFE)をいち早く導入し、’77年に世界初のGORE-TEXジャケットを誕生させたことでも知られる。同社の先進的かつ機能的なダウン製品は、数々の高峰チャレンジに採用されている。
問い合わせ先:双進 アクシーズクイン事業部 TEL:03(3528)6642
レトロ・ライトライン・デュベ
¥46,200
1970年代に多くの登山家から好評を得たアルパインダウンジャケットを、当時のデザインに忠実に復刻。
(BE-PAL 2024年2月号より)