先駆的存在のパイオニアから新進気鋭、P.B.まで! 日本のガレージブランド厳選20 Part2
サカキギア 2019年〜
金属加工の技術を転用したヒット作
榊原工機は金属精密部品を作る町工場。産業用機械部品のため、一般ユーザーにはあまり知られていない。しかし、高い技術を広く知ってもらいたい、という思いから誕生したのが、ゴールゼロ用のアタッチメント「名もなきランタン」。当初販売目的ではなかったが、口コミで噂が広まり、昨年6月に発売以降、2,000セット以上販売。ユーザーの声を受けた改良版「名もなきランタン〜暁〜」は、1月19日からクラウドファンディングを実行。
問い合わせ先:SAKAKI Gear https://sakakibara55.base.shop
開発者の榊原崇氏。「エンドユーザーに直接お届けできる活動は、作り手としても大変うれしいです」
名もなきランタン〜暁〜
¥23,100
ゴールゼロ専用の真鍮削り出しランタンシェードの改良版。シェードをはずさずにスイッチが入れられ、3段階ある調光をすべて活用可。
サンゾー工務店 2021年〜
シンプルで使いまわせるギアが魅力
アウトドア系インフルエンサーであるサンゾーさんが手がけるブランド。サンゾー工務店のモノ作りのスタンスは「質実剛健」。無駄を省きつつ、何年も使えるタフな道具を生み出している。得意とするのは金属を使った焚き火台やアイアンテーブルなど、無骨で男っぽい焚き火周りのギアだが、昨年は焚き火と相性のいい初のTC素材を採用したテントも登場。今後はもともと木材を扱ってきた工務店として、その技術を生かした木工ギアも開発中。詳しくはインスタグラムを要チェック。
問い合わせ先:サンゾー工務店 info@3zo.online
ドンキーハンマー
¥13,750
構想1年、試作を繰り返しついに完成! ペグ打ちや薪割りでの使用を想定し、重さや柄の太さを追求したハンマー。
キャリーテーブル
¥88,000
脚の折りたたみでハイとローの高さ調節が可能。オーク材にブラックチェリーをアクセントに使いデザイン性も高めている。
定番のアイアンテーブルと同じサイズにし、ロースタイル時は連結も可能。側面には持ち運びに便利な革の持ち手も搭載。
ソトラボ 2013年〜
"あったらいいな"が開発理念
キャンプ好きがキャンプにあったらいいな、と思う実体験をもとに製品化。アパレル業界出身の江﨑氏だけあり、アイデア満載の布製品が充実の品揃え。「KOKAGE tarp」シリーズにはじまり、カーミットチェアなどの張り替えや、ガスカートリッジウェア、石油ストーブ用グラウンドシートなど、装飾的なアイテムから断熱性のあるグローブやシュラフなどリアルに使えるものまで展開。キャンプの衣食住が少しでも快適になるようなモノ作りを目指し、常にキャンパー目線で提供し続けている。
問い合わせ先:sotolabo info@sotolabo.com
江﨑孝氏は、アパレルでデザイナー、パタンナーを経験後独立し、ソトラボを設立。フライフィッシングとキャンプに精通。
ドライメッシュ カトラリーケース
¥3,850
洗って濡れたまま乾燥、収納ができるケース。自立式なので箸立てとしても使え、吊り下げもできるので、移動時も楽。
フリージング ウォーターバッグ
¥880
水を入れて凍らせることで保冷剤として使えるウォーターバッグ。溶けた水は飲料水としても使える。トリプルチャック構造で水漏れにも強い。
サンセットクライマックス 2014年〜
100%日本産にこだわり抜く
コンセプトである"Portable Villa"とは、携帯する別荘。美しく高級感のあるタープさえ広げられる場所があれば、そこが特別な別荘になる、ということ。最新作は生地から縫製、金具類に至るまで、100%日本生産のテント。本体幕は4社が共同開発したオリジナルの新素材の生地で、精鋭の職人が縫製し、仕上げている。シワがなく、美しいアーチを描く独創的なデザインは、何度も試作を繰り返した賜物で、創業者の高い志が投影されている。
問い合わせ先:sunsetclimax info@sunsetclimax.com
創設メンバー(3人)のひとりであり、代表を務める浦田孝典氏。デザイン事務所も運営し国内外で活躍。
Cell01
¥440,000
70デニールのリップストップナイロンの表面にシリコン撥水加工、裏面に高耐久ウレタンコーティングを施した、新素材を採用。
テン ト テン 2022年〜
点と点を結んで生まれた独特のギア
一昨年、焚き火台「滴火」で鮮烈なデビューを果たした10 to 10。その後、ランタンハンガーやテーブルなど、これまた個性的なアイテムを発表。ここに紹介するフォールディングテーブル「ORIKOMI」は、北海道中川町産の木材を採用している縁もあり、地域おこし協力隊として移住し、10 to 10として、町内のリソースを活用したモノやコト作りを行なっている。「過剰な伐採を避けるため、特定の樹種にせず、その時々で調達可能な木材を採用しているのも特徴です」
問い合わせ先:10 to 10 https://10-to-10.jp/
代表の鈴木謙友氏。昨年夏から北海道中川町の地域おこし協力隊に採用され、プロダクツ事業とともに活動している。
Add Hook ブラック
¥17,500
折りたたみ式ランタンハンガー。歯車型の4か所の連結部を使い、自由な角度や高さを楽しめる。
ORIKOMI
¥45,500
高さは2段階、中央のはめ込み式の天板は着脱可能で、脚部に置いて棚板としても使える。鉄板なので、ダッチオーブンなどもそのまま置ける。
テーブルはたたむと47×34×9㎝になり、携行も楽。鈴木さんお手製のキャリーバッグも付属。
ざぁ〜ッス 2015年〜
入手困難な大人気ブランド
キャンプファニチャーにおいて、六角ブームの火付け役となったのが「The Arth」。焚き火を囲める円卓のようなテーブルが欲しい、という大熊氏の思いから誕生した。もともと木工会社ということもあり、高精度な木材加工機械を使って丁寧に仕上げている。その人気も相まって、注文から納期まで半年以上かかるが、手元に届いたときは喜びもひとしお。ヘキ男にヘキ子に幕男と、インパクト絶大な製品名もこのブランドならでは。現在目論見中のキャンピングカー製作からも目が離せない!
問い合わせ先:TheArth https://thearth.design/
店舗用什器制作会社「ビッグベアー」を本業とする、大熊規文氏。そのネーミングセンスに脱帽。
㊤ヘキンドル青 ¥47,300
㊦ヘキ男ンドル青 ¥67,430
ヘキサテーブルは大きく5種類。サイズによって名前が分かれる。柄の有無、ウレタン塗装の有無など、さまざまなバリエーションから選べる。
薪男
¥7,900
薪型のLEDライトが新登場。どこでも誰とでも、安全に擬似焚き火体験ができる。焚き火モードにすれば、炎の瞬きも眺められる。
トリパスプロダクツ 2019年〜
見たことのないデザイン性が秀逸
"タノシメタル"を合言葉に、北海道石狩市にある1946年創業の金属加工会社「トリパス」が立ち上げた、メタルギアのブランド。その合言葉どおり、超個性的でユニークな焚き火台を筆頭に、テーブルやツールハンガー、手作りで作られた蚊取線香ホルダー「KAYARI」やコレクションボード「金属装飾黒板」なども手がけている。熟練職人により精巧な加工が施され、非凡なデザインを後押し。機能性と存在感を併せ持ち、キャンプサイトに独自の彩りを加えてくれるぞ!
問い合わせ先:トリパスプロダクツ products-info@tripath.co.jp
辰ノ角
(XS)¥2,750〜(L)¥5,500
左の焚き火台の変身パーツは遊び心満載。ツノ部分と差し替えることで、焚き火に干支の龍を召喚。鍋などが掛けられる。
GURU GURU FIRE
(XS)¥16,280〜
(L)¥39,600
平面のプレートをプラモデル感覚で組み上げることで、芸術的なフォルムが完成する焚き火台。鹿の角をイメージ。
ティーエスビービーキュー 2017年〜
人材育成スクールから誕生したBBQブランド
1979年創業の漁具の金物卸商である山谷産業のPBブランド「TSBBQ」。新潟県三条市と中川政七商店の教育事業「コト・ミチ人材育成スクール第1期」の授業を山谷さんが受講したことから、「フレーム」のアートディレクター石川竜太さんと出会い、誕生した。TSには「Tsubame Sanjo」と「Try Stylish」というふたつの意味があり、信頼性の高いカッコイイBBQギアを次々と発表。最近はホットサンドメーカーやダッチオーブンなども人気を博している。
問い合わせ先:村の鍛冶屋 TEL:0256(38)5635
代表の山谷武範氏。第6回の授業の最後にTSBBQをプレゼンし、MVPを受賞。バウムクーヘンを焼いたのが思い出。
カードコンロ
¥7,700
チタン製の固形燃料用コンロ。ONは名刺入れ、OFFはコンロとして使用できるのでアウトドア好きビジネスマンに最適。コーヒードリッパーにも変身する。
ウィー ノー イナフ 2017年〜
自然を想う時間を作る。そんな視点で開発
アウトドア=自然を楽しむ行為。そのため、できるだけ人工物の存在感は少ないほうが心地いい。自然の美しさを際立たせ、焚き火やキャンプを通して自然の魅力を最大限満喫してほしい、という思いから生まれたのが、製品第1号のミニマルな「焚火台」。創業者は建築家の岡田氏とUI/UXデザイナーの石原氏。「足るを知る」というブランド名には、自然を想い、本当に必要なものだけを作る、そんなメッセージが込められている。
問い合わせ先:we know enough https://weknowenough.com/
左が岡田宰氏、右が石原亮氏。良いデザイナーである前に、良き生活者として、豊かな暮らしを模索中。人目線ではなく、自然への配慮を考えた道具を提案する。
焚火台
¥27,800
Good Design Award 2022を受賞。焚き火の熱を地面に伝えにくくする独自構造と、シンプルで洗練されたデザインが特徴。
やまびと 2021年〜
職人の思いを形にした燕三条生まれのODブランド
日本有数の刃物の産地、新潟県三条市で誕生したアウトドアブランド。看板商品の鉈やナイフはグリップの持ちやすさにこだわったプロ仕様のギアで、刃には昔ながらの炭素鋼を使用。鍛冶職人の手仕事によって一点一点丁寧に仕上げられた美しい槌目模様が特徴だ。実際の使用感の良さを身上に、キャンプイベントや展示会に参加し、薪割りなどを体験してもらうことで製品の良さを知ってもらうきっかけ作りを行なっている。ギアはもちろん、職人のこだわりや思いを製品にこめて、地元、燕三条の魅力を届けている。
問い合わせ先:ワクイ TEL:0256(31)3993
代表の涌井敏氏。「今年もさまざまなイベントへ参加し、多くのお客様へ山人鉈の良さを知ってもらえればと思います」
槌目両刃鉈
¥14,300
山人鉈シリーズの看板商品。四角く作られた大きな刃は、刃厚9㎜でズッシリと重く、薪割りに最適。柄は国産の樫材を使用。
鉈ナイフ剛剣
¥24,200
フルタング仕様で頑丈。刃先のコントロール性に優れたシープフット形状で薪割りだけでなく、ブッシュクラフトのような細かい作業もこなす。
YOKA 2013年〜
木のおもちゃから生まれたリアル家具
合板で組み立てる小さなおもちゃを作っていた角田氏。それを大きくすることで、リアルな家具を作ろう、と思ったのがYOKAのはじまり。大きくなった家具もすべてフラットにたため、収納性抜群。次第に焚き火台やテント、タープなどもリリースするように。現在はおもちゃ事業は縮小してしまったが、最近、他社企画でカプセルトイの話があり、YOKAの家具たちが当初作っていたおもちゃのようなサイズで登場したとか。今後はキャンプ道具はもちろん、生活用品としての家具作りも目指す。
問い合わせ先:トゥエルブトーン office@twelvetone.jp
創設者でデザイナーでもある角田崇氏。「YOKAの家具は耐久性も収納性も高いので、施設使用にも最適です」
MYSTERY GRILL
価格未定
特許申請中のチャコールタワーシステムで、食材を入れておくだけで両面がこんがり焼ける、新調理器具。煙知らずで室内でも使える。
YOKA TIPI TYPE2
¥36,300
片側をオープンできるようにYOKA TIPIを改良。ペグ打ち用のループも長さ調節が可能になった。ダークカーキとチャコールグレーがある。
(BE-PAL 2024年2月号より)