キャンプで活躍!柱にロープを結ぶ方法
キャンプでは、柱にロープを結べると役立つ場面が多くあります。まずは、どのようなシーンでロープワークを使うのか、用意するものなどを解説します。
使うシーン・用意するもの・ポイント
キャンプで物を干す際やハンモックを張りたいとき、タープを固定したい場合に、ロープを巻けると便利です。キャンプでロープを結ぶ方法に入る前に、まずは準備として以下のアイテムを用意しましょう。
- ロープ
- ライター
- タオル
ライターは、化繊のロープを切ったときの先端を加工するために使います。ロープを切ったとき、そのままにすると先端からほどけてしまうためです。
タオルは、木へのダメージを軽減するために、木に巻く用として準備しておきましょう。シーンによって適した巻き方が異なるため、複数の方法をマスターするのがおすすめです。
柱へのロープの結び方8選
キャンプで使える柱へのロープの結び方を、8種紹介します。前提として、ロープの先端を『さき』、多く残る方を『もと』と呼びます。それぞれ適したシーンとともに紹介するので、必要性の高いものから覚えていきましょう。
結び方①巻き結び
巻き結びは結びやすく、ほどきやすい便利なロープワークです。柱にロープを固定したいときをはじめ、何かをロープで結びたいときにも使えるため、汎用性が高くなっています。具体的な手順は、以下の通りです。
- さき側が上にくるように、柱に1回巻く
- 今度はさきが下にくるようにもう1回巻く
- できた輪にさきをくぐらせ、引き絞れば完成
簡単にできてほどけにくい結び方ですが、大きな力がかかると緩んでしまう可能性があります。そのため、さきを10cm以上は残しておきましょう。
結び方②もやい結び
もやい結びも汎用性が高いため、優先して知っておきたい結び方です。もともとは船を『舫う(もやう)』(停めることの意)ために使われた結び方でした。船をつなぎ止めるほどの重量に耐えられるタフさと、簡単にほどけることから『キングオブノット』とも呼ばれます。
具体的な結び方は、以下の通りです。
- 柱に巻き、もと側に小さな輪を1個作る。このときの輪の向きに注意!(輪の根元で交差するロープの上下が逆だとうまく結べない)。
- さきを輪の下側から通し、その後、もとの部分の下をくぐらせる
- さきを折り返して再度輪に通す
- 全体をしっかりと引き締めれば完成
ほどき方は、玉になっている結び目部分を緩め、さきを引き抜くだけなので簡単です。重いものをつるすときや、ペットのリードを柱につなぐときにも使えます。
結び方③ふた結び
ふた結びは、物体にロープを結びたいときに使えます。柱にロープを1回だけ巻く『ひと結び』を2回繰り返すだけのシンプルな結び方ですが、強度が高いため一時的にサッと結びたいときに重宝します。
具体的な手順は、以下の通りです。
- 柱にロープを1回巻く
- 輪ができるので、さきを輪に通す
- もと側にさきを1回巻き、できた輪に通す
- 引き絞れば完成
テントのペグを仮留めしたいときなどにも使えるので、ぜひ覚えておきましょう。
【ロープワークの基本】ふた結びの結び方と用途とは?|BE-PAL
結び方④自在結び
自在結びは、ふた結びの発展形で、自在金具がないシーンで代わりとして活躍する結び方です。主にテントを張る際に、ロープの長さ調節をしたい場面で使えます。具体的な結び方は、以下の通りです。
- さきを50cmほど残し、緩めに柱を一周させる
- 柱とロープの間にできたスペースの、上側からさきを通す
- そのまま、さきを30cmほど手前に持ってくる
- もとの下から巻き、できた輪にさきを2回通す
- さきを手前に持ってきて、再度もとの下から巻き、できた輪にさきを通す
- 引き絞れば完成
自在結びを覚えておけば、スペースの限られた場所で、いつも通りのテンションでロープを張れない場面でもテントが張れます。覚えておくと、テントが張れずに困ったときの救世主となれるでしょう。
「自在結び」はどう結ぶ?【すぐわかる!基本のロープワークその2】 |BE-PAL
結び方⑤トラッカーズヒッチ
トラッカーズヒッチは、トラックに荷物をしっかり固定するための結び方ですが、柱と柱の間にロープを強く張りたいときに使えます。そのため、荷物の固定はもちろんのこと、洗濯物を干したいときや、重いものをたるみなくつるしたいときにも覚えておくと便利です。
具体的な手順は、以下の通りです。
- 一方の柱に、もやい結びなどでロープを巻く
- 任意の場所でロープを輪にし、その輪を3~4回ねじる
- 輪に手を通し、さきの中間部をつまみ、引き解け結びを作る
- さきをもう一方の柱に巻き、引き解け結びの輪に通して折り返し、強く引っ張る
トラッカーズヒッチは、滑車の原理を使って3倍の力でテンションをかけられます。自在結びよりも高い強度を求められる場面に向いているので、自在結びと併せて覚えておきたい結び方です。
結び方⑥ダブルフィッシャーマンズノット
ダブルフィッシャーマンズノットは、2本のロープをつなげたいときに使える結び方です。結ぼうとしているロープの長さが足りないときに、ダブルフィッシャーマンズノットを使えば長さを確保できます。
具体的な手順は、以下の通りです。
- 両方のロープのさきを20cm程度重ね、一方に巻く
- さらにもと側にもう1回巻き、できた輪にさきを通す
- さきを数cm残し、絞る
- 今度は逆側で同じ手順を繰り返す
- 両方のもと側を引っ張り、結び目をくっつけたら完成
ダブルフィッシャーマンズノットの優れている点は、径の違うロープでもつなぎやすいことです。いざというときに覚えておくと便利でしょう。
結び方⑦ねじ結び
洗濯物を干したいときや、タープを仮留めしたいときに使える結び方です。木に結ぶシーンが多いことから『ティンバーヒッチ』とも呼ばれます。具体的な手順は、以下の通りです。
- 柱の周りに、ロープを緩めに一周させる
- できた輪の上側からさきを通す
- そのままさらに3~4回通し、さきを輪に巻き付ける
- さきともとを引き絞れば完成
巻き付ける回数が多いほど、強度も増します。緩んだときのために、さきは10cm程度余らせるのがおすすめです。簡単にできるので、覚えておきましょう。
【ロープワーク】キャンプで洗濯物を干したいときに!「ねじ結び」を知っていますか? |BE-PAL
結び方⑧いぼ結び
2本の棒を十字に固定するときや、棒状のものを水平に固定したいときに使える結び方です。手順が少し複雑なので、実際にやりながら確認しましょう。
- 柱と棒を十字にクロスさせ、交差した部分に、ロープを右上から左下に向かって通す
- 一周させたら、ロープの先端が上を向いている方(以降、Aと表記)を柱の裏の左上に、下を向いている方(Bと表記)を右下に持ってきて、ロープの両端を引っ張って絞る
- ロープの両端をそれぞれ左上・右下から手前に持ってきて、柱と棒のクロス部分で交差させる
- ロープが交差する部分を、左手の親指で押さえる
- 親指で押さえたまま、左手で持っているロープ(A)を右手に持ち替え、もう片方(B)を上から巻き込みながら輪を作る
- 親指は離さず、巻き込んだ方(A)を再度左手で持つ
- もう一方(B)を(A)の下をくぐらせ、5の輪に上側から通す
- 右手側(B)を強く引っ張り、クロス部分を固定させる
- 親指を離し、左手側も強く引っ張って絞れば完成
マスターするには、少々コツが必要です。コツとしては、ロープの状態で結び、完成してから余分なところをカットすれば、ひもの長さが足りないという状況を防げます。
用途で使い分ける!ロープの種類4選
柱に結ぶロープは、素材によって向いている用途が異なります。それぞれの特徴を把握し、目的に合ったロープを準備しましょう。
ここから紹介する内容は、以下の動画の内容を一部抜粋しています。興味のある人は、併せてチェックしましょう。
パラコード
パラコードとは、もともとパラシュートに使われていたひものことです。現在では、アウトドアシーンで使われるケースも多くなっています。
パラコードの特徴は、細くて丈夫な点です。用途としては、テント・タープのコードや、靴ひもに使えます。
GeerTopのパラコードには自在金具が付いており、テントのガイロープとして使用できます。さらに、表面に16本のポリプロピレンワイヤーを織り込むことで、雨が降っても吸水しにくくなっているのも特徴です。これにより重くなりにくく、伸びにくくなるため、長く活躍してくれるでしょう。
- 商品名:GeerTop「ガイロープ パラコード」
細引き(ナイロンロープ)
細引きとは、1~8mm程度の太さのナイロンロープのことを指すのが一般的です。細くありながら丈夫なため、物干し竿やつるすためのスリングとして使えます。
販売されている太さには幅がありますが、用途によって使い分けるとよいでしょう。細いものは小物を結ぶときに向いており、太いものはタープの支点として使うのにおすすめです。
4~5mmのものは、バランスが取れていて汎用性が高くなっています。
アウトドアがより快適になるおすすめアイテム!「細引き」の活用法をご紹介 |BE-PAL
綿100%のロープ
綿100%のロープは、熱に強いのが特徴です。そのため、火の近くでロープを使わなければならないシーンで使用するのに向いています。例えば、たき火用の三脚作りに使えるでしょう。
ユタカメイクの綿ロープは、オーソドックスで癖のない綿ロープです。太さは3~6mm、長さは10mまたは20mから選べます。ただし、悪天候には弱いので、天候によっては買い替えの頻度が多くなるケースもあります。
- 商品名:ユタカメイク「綿ロープ(金剛打)」
ポリエチレンロープ
ポリエチレンロープは、化繊の良いところを詰め込んだような素材です。軽量で水に強く、耐摩耗性も高いのが特徴です。強い負荷がかかっても破損しにくいタフさも、兼ね備えています。
emma kitesのポリエチレンロープは、約100~2,600kgの負荷にも耐え得る強度を持ち、ハンモックなどの重いものをつるすときにおすすめです。
水をほとんど吸収せず、水に浮くため、川に落としても回収しやすくなっています。タフなロープを求めている人は、1本そろえておきましょう。
- 商品名:emma kites「超高強度ポリエチレン繊維コード」
まとめ
キャンプ初心者から脱却するには、ロープの結び方を覚えるとよいでしょう。ロープの結び方を知っていれば、ギアに頼らずDIYで不便な状況を打開できる可能性があります。
結び方には、用途の広いものから特定のシーンに向いているものまで、さまざまにあります。一度に全て覚えるのは難しいかもしれませんが、必要があるものから一つずつ覚えていきましょう。