いよいよ最後のキャンプ地ウィンザーロックス・テントサイトへ【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.15】
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    2024.02.18

    いよいよ最後のキャンプ地ウィンザーロックス・テントサイトへ【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.15】

    いよいよ最後のキャンプ地ウィンザーロックス・テントサイトへ【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.15】
    ニューヨークやボストンからも近い、アメリカ東海岸にある「ニューイングランドトレイル」。2023年10月、世界各国のロングトレイルを次々と踏破している日本で唯一のプロハイカー・斉藤正史さんが、そのニューイングランドトレイルに挑みました。いよいよ最後のキャンプ地ウィンザーロックス・テントサイトで最後の夜を過ごします。
    (これまでの連載は記事最後の「あわせて読みたい」をチェック)

    川を渡るか遠回りするか…最後の道のり、最後の決断

    ニューイングランドトレイル地図。

    実は、ハロルド・アーキー・キャンプエリアから2マイル程度で集落に入ります。集落に入った先には渡渉が、またまたあるのです。遠回りは明らかに遠い。まずは川がどんな状況か確認します。

    渡渉位置。

    こんなでかい川、通れるかーいって思わず言ってしまうほどの川幅と深さ。通れるかな?とは全く思わなかったので潔く遠回りします。はぁ…。期待させやがってと怒り心頭です。約9kmほどの遠回り。しかし、今日キャンプ場に泊まれば明日でトレイルも終わりかと思うと多少は怒りも沈められます。

    トレイルが道路を横切る場合、アメリカではこんな標識が多くあります。

    コネチカット州との州境。

    3つほど山を超えると、最後のキャンプサイト、ウィンザーロックス・テントサイトです。

    WELCOME  TO  CONNECTICUT!

    1つ目の長い山を過ぎると集落に入りました。集落にある森に入るとすぐに、マサチューセッツ州とコネチカット州の州境が見えてきました。なんの変哲もない普通の裏山です。マサチューセッツ州のホワイトブレイズが終わり、コネチカット州は水色に変わりました。

    見慣れたアパラチアン・トレイルと同じホワイトブレイズのままが良かったな…。と残念に思いつつもコネチカット州へ。そして最後の3つ目の山に入る時、突然辺りは暗くなり、雨が降り出したのでした。予報では曇り。雨の表示はありませんでした。

    傘を差し、下を向きながら歩いているとようやくテントサイトのマークが見えてきたのでした。

    ウィンザーロックス・テントサイトのサイン。小さくて見落とすところでした。

    トレイルから少し下ると少し広めな広場があり、そこがウィンザーロックス・テントサイトでした。

    すぐにテントを立て、置いてあると水を補給させてもらいました。コネチカット州に入ると、特に水のあるエリアが少なく、こうしてボランティアの方が水を入れて置いてくれるのです。

    キャンプ場の片隅にあるお水。

    ありがたく必要なだけ水をもらい、テントを張り、雨をしのいでいました。しばらくするとテントの外で足音が聞こえ、誰かが話しかけてきます。しばらく話していると、笑い声が聞こえ、フライとインナーテントの間から手が見えました。なんと、声の主はポートレイトだったのです。

    最後のキャンプ。

    僕がポートレイトの家に忘れてきた充電ケーブルをわざわざ届けに来てくれたのでした。トレイル最後の日にこうしてまた再会できるとは思ってもみませんでした。

    「体調を崩してもこうしてトレイルを半分まで歩ききるなんてすごいよ、マサ」ポートレイトは何度もそう言ってくれたのでした。「また、来年会おう!」握手をして、ポートレイトを見送ると、誰もいないキャンプ場で最後の夜を過ごしたのでした。

    キャンプ場付近の森。

    New England Trail公式サイト

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。また、BE-PAL.netにて「TOKYO山頂ガイド」を連載中。

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