変わってないようで実は新設計部分多数!
まず見た目は以前の70と一緒のようですが、実は法規制への対応で、かなり手が入っていて、特にボンネットの辺りは中身も含めて全然違うってハナシではあるが、見比べないとわからないくらいオリジナルっぽい。
ボンネットの膨らみも歩行者保護の法規制をクリアしている上、見た目も迫力があってよいです。聞くところによると、ボンネットより前はほとんど新設計らしく、改築を繰り返した温泉ホテルになりかねないところを、うまくまとめているのがスゴ! そのボンネットの下には、ランクルプラドに積まれていたエンジンと基本的に一緒の1DG型2.8リットルディーゼルターボ。エンジンルームは最近では見ないようなスカスカっぷりで、秘境での整備性も考えてるんだろうなぁ。
アルプスの山道も行けそうな頼もしい走破性
最高出力は204馬力(3000〜3400回転)、最大トルクは500N・m(1600〜2800回転)で、アクセルの動きに反応はなかなか鋭い。音は結構でかくて、80年代を思い出させるところも好きモノにはたまらないか! 鍵穴に差し込むエンジンキーや飛び出た棒を押して閉めるドアロックとか、最近の人は見たことないのかもしれんな(笑)。
さて、駆動は普段はFRで、切り替えで4輪駆動になるパートタイム4WD。太いトルクと頑丈なシャシー、ローを武器にLO4に切り変えてみると、これが低いギア比で、オフロードやアルプスの山道、アジアのぬかるみ、雪の中でもぐいぐい進めそうな雰囲気。特に下りはDAC(ダウンヒルアシストコントロール)がいい仕事をしてくれて、山道初心者の西沢をヘルプしてくれ、大変ありがたい。
ハンドルは少し重いが乗り心地はいい!
では早速コースに入ってみると、ほんのちぃっとの移動だが、まずハンドルはちょっと重い。奥さんに平日あてがうなら説得の必要があるかも? シートは柔らかく体を包み込むタイプで、腰を病んでるおっさんにはありがたいヤツだ。リアのシートも柔らかく、それ以上にリーフスプリングがたったの2枚ってどうなんでしょか。
ランクル乗りの専門用語には「増しリーフ」なるワードがあって、どんどん足して車高上げるとかが偉いと思っていたのだが、時代は変わったのか……。アタリが柔らかく、さすが1ナンバー登録ではなく、3ナンバーの乗用車だ。ランクル的にはワゴンですな。
登りも下りも大変な場所では重宝すること確実!
いよいよ上り下りの山岳路だが、まず感じるのはボディの大きさがちょうどいいこと。以前ここでランクル300を走らせたときは、とにかく狭くて見切りが悪かったのだが、70は大丈夫。ちなみに70のサイズは全長4,890mm、全幅1,870 mm、全高1,920 mm。これに対して300は長さで160ミリ、幅で60ミリ、高さで5ミリ大きい。
そしてトルクがあって、進む力強さも頼もしい。その時のうなり音がデカい! 2輪駆動から4輪駆動への切り替えは、Dレンジに入れたままでできる。ATは6速です。そのままDACを使う20度超えの下りに来たので、一度クルマを止めて、ニュートラルにしてからLO4にシフト。そこからDACのスイッチを押せば、滑りそうな下りをブレーキかけずにランクルが安全に下りてくれる。これは便利だ……って普段どこで使うか思いつかないが。
ちなみに登りで止まったときに後ろに下がらない「ヒルスタートアシスト」も付いているので、山の上の「ポツンと一軒家」に住んでいる人には、ほんとに手放せないクルマだ。というか、「ポツンと一軒家」に住みたくなるね(笑)。
自分で操作する頻度はランクル300よりも多いが……
いざとなればデフロックもあるので、岩も泥も雪もスタック知らずのまま、世界の果てまで行けるクルマなんじゃないかと思いましたわ。自分の300と比べると、やはり動きが軽いというか、クルマが活発に動くイメージがありますが、300は電子制御バリバリで、超安定している中、さらに速いスピードで走れるのがわかっているので、そこはフィーリングの違いということで。人間がやらなきゃいけないことは、確実に70の方が多いですね。せっかくのカタログモデルなんだけど、販売店に回ってくるクルマが少なく、KINTOなら手に入るみたいです。
最後に、実用性ではついにACCや衝突被害軽減ブレーキも付いて、毎日乗れるクルマとなっております。北海道で乗りたいなぁ。
問い合わせ先
TEL:0800-700-7700