FILE35は、八丁堀にある鉄砲洲富士です。
第35座目「鉄砲洲富士」
中央区もう一つの山へ
今回は、軽い運動も兼ねて、JR東京駅八重洲南口登山口からスタートすることにしました。地図で歩くと2駅ですが案外遠くなさそうです。地名の八丁堀のイメージは、小さい頃、曽祖母に抱っこしてもらい時代劇を見て育った僕にとってまさに「江戸」。八丁堀の旦那なんて言葉が直ぐに浮かびます。
時代劇によく登場する八丁堀、実は、この地に作られた堀の長さが約8町(約873m)あったため「八町堀」と呼ばれたそうで、江戸初期には寺の多い町だったそうです。その後、多くの寺が幕府の命により移転し、その跡地に町奉行配下の与力、同心の組屋敷が設置されるようになったそうです。そんなこともあり時代劇の舞台になったのですね。
東京駅から真っすぐ歩いていくと、首都高速都心環状線をくぐってすぐのそば店に行列ができていました。まだ11時だというのになんの行列かなと思って見ると、「そばのスエヒロ八丁堀店」に並んでいる行列でした。ググッてみると、なんと立ちソバの名店でした。八丁堀店とあるのですが、お店はここだけのようです。今度入ってみよう!と思いつつ先へ歩きます。
JR八丁堀の駅を過ぎ、ローソンの手前の道を曲がります。すると中央区立女性センターブーケ21があります。そのわきの階段を登ると、2階に中央区立桜川屋上公園があるのです。いつ訪れても静かで木陰も多く、公園中央部には水が流れています。八丁堀で打ち合わせがある時、少し早めに来てこの公園でまったりするのが僕の楽しみの一つです。せっかくなのでこの公園を通り抜けて鉄砲洲通りに出ます。
鉄砲洲通りをそのまま海側に進むと直ぐに目的地、鐵砲洲稲荷神社に到着します。神社にはスーツを着た多くの方が集団で参拝に来ていました。
石の鳥居をくぐり、神社の右手奥まで進むと、鉄砲洲富士が鎮座していました。残念ながら現在は登ることが出来ないようです。
鉄砲洲富士
中央区内唯一の富士塚。富士山の熔岩を用いたもので、頂上には末社鉄砲洲富士浅間神社があります。1868年に現在地に移転してからも3度境内で移築されたそうです。富士山の溶岩で築いた富士塚があり、そこを富士信仰の場としていました。むかしの富士塚は「江戸名所図会」にも描かれたほどです。
現在は、富士山の山開きに合わせた7月1日に浅間神社例祭が開かれているそうですよ。
ビルに囲まれているとはいえ、高さ5.4メートルの富士塚、近くで見るとその存在感は半端ないですね。
次回は「池袋にある根津山」を予定しています。
なお、今回紹介したルートを登った様子は、動画でご覧いただけます。