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燻製の魅力とは?
燻製とは、食材を煙でいぶす調理法・加工法です。その魅力とはなんでしょうか?
うま味が凝縮されて風味もアップ!
食材を燻製にするとうま味が強くなるのは、食材をいぶす前にしっかりと下味を付けたり、乾燥させて水分を抜いたりするためといわれています。そのため、食材の味が強く前に出て、食べ応えのある1品となるのです。
また食材を煙でいぶすと、スモークチップやスモークウッドに由来する、スモーキーな風味をまといます。濃厚な風味は酒類と特に相性がよく、豪華なおつまみとして楽しむことが可能です。
本来、燻製は食材の長期保存を目的とした加工法・調理法でした。しかし、近年は風味や香りを楽しむために、燻製に挑戦する人が増えています。
▼参考記事
自宅で燻製にチャレンジしてみない?種類や下準備のコツ・注意点も解説
燻製器で作る燻製チーズ
キャンプとお酒と離島旅を愛する兵庫県民。お酒にあう料理・景色・シチュエーションを日々探求している(現時点では、海と夕陽とビールが最強コンボだと思っている)。主なフィールドは関西一円と瀬戸内海沿岸エリア。エンタメ系雑誌の編集部勤務を経て、現在はフリーライターとして活動中。
燻製の中でもスタンダードな素材とされるチーズは、下ごしらえ不要で調理が簡単です。しかも燻したてはもちろん、冷ましても美味しく、ワイン、ビール、ハイボール…とお酒との相性もバッチリ。
サラダに入れたりパンに挟んだり…食感や風味などによって、ほかの食材との相性を考えるのも楽しみのひとつです。ぜひ、自分好みの燻製チーズを探してみてくださいね。
材料
スーパーで手に入りやすいチーズを揃えました。
雪印メグミルク 6Pチーズ(左上)
明治北海道十勝 カマンベールチーズ(右上)
フィラデルフィア クリームチーズ(真ん中)
クラフト 無垢 熟成ゴーダ味(左下)
トップバリュ モッツァレラチーズ(右下)
必要な道具
燻製器 SOTOのブレンドスモークチップ アルミホイル
作り方
【1】チーズ表面の水分はキッチンペーパーでしっかり拭いておきましょう。水分が残っていると、エグみが出てしまうことがあります。燻製する少し前に冷蔵庫から出して、常温に戻しておくことをオススメします。
【2】燻製器の底に一掴みのチップを敷いたら、網を乗せ、その上にアルミホイルを敷きます。こうすると、チーズが熱で溶けてしまっても安心です。具材から出た水分がチップにかからないようにする役目もあります。
【3】最初は強火にかけ、煙が出てきたらフタをして弱火にします。換気扇を回すのもお忘れなく!
【4】今回は、燻製時間は8分、その後フタをしたまま5分置きました。使用する燻製器や好みによって、燻製時間は調整してみてください。
燻製チーズを食べ比べ
見た目はそれぞれ個性的な仕上がりですが、味の方はどうなのでしょうか。
1:雪印メグミルク 6Pチーズ(プロセスチーズ)
形も崩れずキレイに色付いてくれるので、「これぞ燻製」といった感じでテンションが上がります。味も濃厚さが増した印象。表面が固くコーティングされたようになり、ツルツルしています。この部分に燻製の香りがたっぷり染み込んでいるので、スカッとハイボールにでも合わせたくなる仕上がり。
2:明治北海道十勝 カマンベールチーズ
見た目は残念な感じですが、後に出てくるモッツァレラよりは「よく見るチーズの溶け方」ではあります。溶け出した部分は柔らかく、カマンベールの独特な風味も残っています。特徴的だったのが原型をとどめていた表面(皮?)の部分。元来のコクと燻製の香りが合わさって、ナッツのような香ばしい風味に。
3:フィラデルフィア クリームチーズ
色白さは残しつつ、ほんのり色付きました。元が柔らかい割には形状の変化もありません。表面はツルっとしますが、6Pチーズよりは柔らかく、薄い膜を張ったという感じ。燻製の香りでクリームチーズの風味はあまり感じられませんが、クリーミーな食感は保たれているので、バゲットなどにのせても美味しそうです。
4:クラフト 無垢 熟成ゴーダ味
硬さ、色付き具合もほどほどで、5種の中では最もバランスが取れている印象。とはいえ無個性というわけではなく、燻す前よりも少しホロっとした食感がクセになります。水分がいい具合に抜けたためでしょうか?ギュッと濃厚さが増した仕上がりになっています。
5:トップバリュ モッツァレラチーズ
燻していると、ものすごく水分が出ます。その結果、気持ちいいくらいペラペラになりました。色や香りは付きにくいようです(水分が多いせい?)。クセのない味わいと弾力ある歯ごたえが特徴のモッツァレラですが、ある意味その特徴は大いに引き出されたと言えるでしょう…。こういった予想外の変化も、燻製の楽しみのひとつです。
▼参考記事
自家製おつまみ選手権!スーパーにあるチーズ5種を燻製してみた
ダッチオーブンで作る燻製チーズ
経験ゼロスタートの2児の母キャンパー。アウトドアブログ“ブッシュクラフトLIFEWORK”を運営する傍ら、アウトドアインストラクターのアシスタントとしても活動中。アウトドアで人生が変わる!をモットーに子どもと一緒にファミリーキャンプ&ブッシュクラフトキャンプを満喫。焚き火とキャンプ飯、そしてモノづくりが好きで、アウトドアグッズを商品化するのが夢。
ダッチオーブンで燻製を作るには?
人気の燻製を、専用のスモーカーではなくダッチオーブンを使って簡単に作る方法があります。
ダッチオーブンとは金属でできた鍋のことで、直接火にかけられることなどから、アウトドアではよく使われる人気調理器具の一つです。
燻製を作る場合には専用スモーカーなどを使用するのが一般的ですが、そのようなものを持っていなくても代わりにダッチオーブンで燻製を作ることができます。
ちなみに燻製には、熱燻(ねっくん)、温燻(おんくん)、冷燻(れいくん)と3つの種類があります。これらは温度や燻製時間の違いによって分類されていて、それぞれ味わいが変わります。
ダッチオーブンで作れるのは、高温で一気に燻す「熱燻」です。
熱燻は、細かな温度管理をしなくても香りや色付きの良い燻製が手軽に作れるため、初心者に向いている調理方法とも言えるでしょう。
材料
チーズ アルミの個包装になっていて、溶けにくいプロセスチーズがおすすめ
必要な道具
ダッチオーブン
アルミホイル
スモークチップ
足付きの網
キッチンペーパー
ちなみに、スモークチップの種類によって、できあがる燻製の香りが変わります。色々と試し、好みのものを見つけておくといいでしょう。
作り方
ダッチオーブンで作る燻製は、焚き火でもガスコンロでも大丈夫です。
ただ、初めて作る場合には火力をコントロールしやすい、ガスコンロの使用がおすすめです。今回は、ガスコンロを使用して燻製を作っていきます。
【1】鍋底にアルミホイルを敷きます。
アルミホイルがあることで、チップの焦付きを防ぎ、ダッチオーブンの後片付けが楽になります。
このアルミホイルの上に、10~15g(大さじ2~3)程度のスモークチップを薄く広げます。
【2】足が付いている網を、ダッチオーブン内にセットします。
もし普通の丸網しかない場合は、アルミホイルなどを使って高さを出しましょう。鍋底と網の間に空間ができるよう、丸めたホイルを3箇所ほど置き、その上に網をセットすればOKです。
【3】中火~強火でダッチオーブンを温めていきます。すると内部のチップが燃え、煙が出てきます。
煙が出てきたら、弱火にし、網の上に食材を置きましょう。食材は重ならないように、隙間を開けて並べます。
火が最初から通っている食材を燻製する場合は、弱火にしてから10~15分程度スモークすればOKです。
ダッチオーブンでの燻製は、思いのほか内部温度が高温になってしまうことがあります。「ちょっと油断をしたら、チーズが丸焦げになってしまった!」なんてことも。慣れるまでは時々蓋を開けて内部を確認するといいでしょう。
個包装になっているチーズを使い、底のアルミホイルを残してお好みの加減までダッチオーブンで燻製しましょう。
底のアルミホイルを残しておくのは、できあがり後に取り出しやすくするためです。
▼参考記事
ダッチオーブンで燻製に挑戦!作り方とおすすめ簡単レシピ3選
メスティンで簡単に作れる燻製チーズ
北海道在住。キャンプや釣りなどのアウトドアに関する記事を中心に執筆しているフリーライター。趣味のキャンプや釣りの他に、車中泊をしながら、道の駅のスタンプラリーも制覇。 オールシーズン外遊びを楽しむアウトドア女子。
ソロキャンプや、家の庭やベランダで楽しむバーベキュー。手軽に燻製が食べたいと思ったことはありませんか?
「でも燻製は下処理も大変そうだし、専用の道具も必要なんでしょ?」
いえいえ、諦めるのは早いです!専用の燻製器がなくても、簡単に燻製を作る事が可能です。
メスティンを使って簡単に作れる燻製をご紹介します。
必要な道具
メスティン
蒸し網
アルミホイル
スモークチップ
バーナー
バーナーパット
今回はトランギアのメスティンを使いますが、ニトリやDAISOのメスティンでも大丈夫です。アルミホイルは、メスティンを覆ったり、食材をのせるのに使います。アルミカップを使うのもおすすめ。
食材をのせる蒸し網は、メスティンにぴったりサイズのものが売ってます。色々使えて便利なので、持っておいて損はないです。
バーナーはどんな物でもオッケーですが、火力調整できるガスバーナーがおすすめです。注意点で詳しく紹介しますが、バーナーパットが必需品。
そして、スモークチップが必要不可欠。スモークチップを燻すことによって、食材に香りや色をつけていきます。
スモークチップは、種類がたくさんあり、使っている樹によって仕上がりに差がでてきます。代表的なものに「ヒッコリー」「サクラ」「リンゴ」「ウイスキーオーク」などがありますが、今回は「サクラ」を使いました。
「サクラ」のスモークチップは、どんな食材にも合わせやすく、短時間で香りと色がつくので、メスティン燻製には最適。初心者にも扱いやすい、おすすめのスモークチップです。
作り方
【1】メスティンに燻製の色が着くのを防ぐため、アルミホイルで覆います。フタを覆うのも忘れずに。
【2】スモークチップを入れ、蒸し網をセットします。スモークチップはだいたい大さじ1~2ぐらいを目安にして下さい。
【3】食材をのせたら、いざ点火。最初は中火で、煙がでてきたら弱火にします。燻製時間は、10分ほど。溶けやすいチーズは5分ほどで様子をみてください。
メスティンを使うときの注意点
燻製を作っている時、メスティンは空焚き状態になります。シングルバーナーは一点集中型の炎になりがちなので、アルミ素材のメスティンは溶けて、底に穴が空いてしまうのです。
こんな悲惨な状態にならないためには、バーナーパットで炎を分散して、かならず弱火で燻製してください。
敷居が高いと思っていた燻製も、メスティンなら簡単に作ることができます。食材も冷蔵庫にあるものや、コンビニで手軽に買えるものまで、色々と挑戦してみてください。
ポイントは、水分のある食材は乾燥すること、バーナーの炎が一点集中にならないように、バーナーパットを使うこと、煙が出たら必ず弱火にする。この3点です。
注意点に気をつけて、気軽にメスティン燻製を楽しんでくださいね。
▼参考記事
ソロキャンプにもおすすめ!メスティンで簡単に作れる燻製
ソロキャンプにもおすすめのシェラカップ燻製チーズ
キャンプ歴30年。社会人になりアウトドアから少し離れるも、キャンプマニアの夫と結婚し、再びアウトドア魂が覚醒。ハイクオリティのギアはもちろん、PB品や100均を使った、『気負わないキャンプ』をモットーに、アウトドアライフを満喫中。現在はキャンピングカーも所有し、家族で時間を気にせず、日本中を旅することが夢。
難しく思われがちな燻製ですが、実は10分もあればできてしまうお手軽な方法があります。
シェラカップとスモークチップで簡単にできるおつまみ燻製の作り方を紹介します。
材料
シェラカップ燻製は1度にできる量が少ないので、小さな食材が適しています。
チーズはキャンディーチーズがオススメです。
風味をつけるためにも、なるべく水分はふき取っておいてください。
必要な道具
シェラカップ(直火OKなもの。茶色い色が付くことがあります。)
シェラカップ用の蓋(アルミホイルで代用が可能。)
シェラカップ用の網
アルミホイル
スモークチップ
コンロやシングルバーナー
作り方
【1】シェラカップと蓋に、それぞれアルミホイルをかぶせます。必須ではありませんが、食品やスモークチップが焦げ付いて取れなくなる事があるためです。かぶせるときはアルミホイルを軽く丸めてしわをつけ、広げてから使うと、破れにくくなります。
【2】スモークチップをシェラカップに入れ、シェラカップ用の網を中に入れます。
【3】食品を入れ、蓋をして火にかけます。火は弱めの中火から始め、チップの香りや煙を確認できたら弱火にしてください。
【4】3~5分たったら火を止め、そのまま5分ほど置いておきます。使用する熱源により火力が異なるので、はじめは様子を見ながらおこないましょう。
慣れると、自分好みの硬さや色付き具合になるタイミングが分かってきますよ!
なお、火を止めたときに色が薄いと感じても、しばらく置くことで色濃くなってきます。
【5】自分好みの硬さや色に仕上がったら、できあがりです!チーズなどもともと柔らかいものは、できあがるとさらに柔らかくなります。取り出してお皿の上に置いておくと、冷めてちょうどよい硬さになります。
▼参考記事
「シェラカップ燻製」をやってみよう!キャンプで試したいお手軽燻製の手順をご紹介
おうちでもキャンプでも出来る簡単燻製チーズ
宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや、学校講師など下積み時代を東京で過ごし、飲食業界に携わること20年以上。現在は料理教室の運営や飲食店へのメニュー提案などをする傍ら、レシピライター としても活動中。2児の母でもあり、子どもと海や川、山などアウトドアへ出かけるのが日課。
おうちでもアウトドア気分が楽しめる、燻製のやり方をご紹介します。室内でも、換気扇の下で短時間作業すれば、煙を気にせずに美味しい燻製が手軽に作れますよ。旨味たっぷりに仕上がった燻製は、ビールやワインのおつまみにもぴったりで、ひと味違った休日を過ごすことができそうです。
材料
ささみ
タコ足
6Pチーズ
ミックスナッツ
それぞれお好みの分量をご用意ください。食材は、チーズ以外にも火が入りやすく燻製時間が短く済んでおつまみとして楽しめるものをセレクトしました。短時間で調理できるので、室内でも安心して燻製を楽しむことができます。
ささみとタコ足には、あらかじめ下味をつけます。
<ささみ下味>
塩 ささみの分量の約2%
醤油 小さじ1ほど
チリパウダー 少々
<タコ足の下味>
塩 タコの分量の約2%
オレガノ 少々
コショウ 少々
下味が必要な食材を燻製にする際には、食材の分量1.5~2%の塩分を入れてください。半日~ひと晩ほど下味をつけると、中までしっかり味が入るので美味しく仕上がります。
必要な道具
使用したスモークチップの種類は「クルミ」です。クルミのチップは煙や香りにクセがなく、色が濃くつき過ぎることもないので、燻製初心者の方でも使用しやすくオススメです。今回の商品はダイソーで購入しました。サイズ感もちょうど良く、1回で使い切れるくらいの分量でした。
燻製に使用するフライパンにアルミホイルをかぶせます。そのまま使用すると燻製の香りが付いてしまうので、気を付けましょう。
ホイルで包んでも燻製の香りは取れにくいので、使い古したフライパンなどを使用すると良いと思います。
フライパンに合うサイズの蓋を用意します。こちらもフライパン同様、アルミホイルをかぶせてください。
ホイルを器状にして、スモークチップを入れます。この作業をすることで、ゴミ捨てやチップの交換がスムーズになりますが、直接フライパンのホイルの上にチップを入れても大丈夫です。
スモークチップに直接網がつかないように、ホイルなどを丸めて四つ角に置き、網をのせます。これで燻製の準備は完了です。
作り方
【1】下味をつけた食材を網の上に重ならないように並べます。冷蔵庫から出したての食材は火が入りにくいので、15~30分ほど常温に戻してから加熱しましょう。
【2】強火で加熱をして、スモークチップから煙が出てきたら蓋をして弱火~中火で加熱します。
【3】食材に火が入り、全体的に茶色く燻製の色がついたら完成です。火力にもよりますが、加熱時間は10~15分を目安にしてください。
途中、チップに全て火が入ってしまった場合は、足しながら加熱します。
【4】同じように、チーズとナッツも燻製にします。チーズを燻製にする際には、溶けて流れてしまう場合があるので、クッキングシートなどを下に敷きます。溶けにくいプロセスチーズなどを使用し、温度が上がりすぎないように気をつけましょう。燻製時間は弱火で10分を目安にしてください。
途中、チーズが溶けてしまいそうになった場合は火を止めて余熱で色と香りを付けても良いです。
▼参考記事
おうちでアウトドア気分!おうちでもキャンプでも出来る簡単燻製レシピ
お手製燻製器で作る燻製チーズ
燻製アイテムの設計開発を手がける「スモーキーフレーバー」の代表。NHKカルチャーオンライン講座で燻製講師も務め、燻製レシピサイトで1,000種類以上のレシピを掲載中。
100均のボウル、網、取っ手で作るお手軽燻製器で燻製チーズを作ってみましょう。ステンレスが薄いので、熱源は火力の弱い固形燃料を組み合わせましょう。
材料
お好みのチーズ
必要な道具
ボウル
網
取っ手
固形燃料
スモークチップ
作り方
【1】底にチップを入れ、網の上にチーズを並べて着火します。
【2】水滴が出たら拭きます。
【3】フタをして飴色になるまで燻します。慣れるまでは何度か開けて確認しましょう。約30分ほど燻せば完成です。